CLIENT 日鉄鉱業株式会社

• クライアント様のご紹介・課題

  鉄鋼用石灰石の生産量日本一を誇る総合資源会社である日鉄鉱業。設立は昭和14年。以来、石灰石をはじめとする地下資源の開発で、日本の基幹産業へ原料供給を果たしてきました。採用の課題は、新卒社員の離職率の高さ。原因は、就活時の勤務イメージと入社後の実務に大きなギャップがあることでした。本社が丸の内にあることや、資源やエネルギーを扱うダイナミックな会社という背景から、商社のような働き方をイメージして入社してくる学生が多かったのです。しかし、実際に働くのは自然に囲まれた鉱山。働く環境だけでなく、田舎生活に慣れず、会社を後にする社員がいました。

• コンセプトやアイディア・アウトプット

  解決策として考えたのは、「鉱山で働き、山で暮らす」という、ありのままの姿をきちんと理解した上で入社してもらうことです。普段の生活で感じることのない、雄大な自然を相手にする「でっかい生き方」。大自然の中でおおらかに生きることがもたらす“人間的な成長”にフォーカスを当てました。採用スローガンは「大きな人になろう。」という言葉です。
  学生とのコミュニケーション設計では、認知、理解、共感といった様々な段階に分けて、適切なツールを作成しました。選考が進んだある程度企業理解のある学生には、共感と動機形成を促すための冊子を配布。入社案内ではなく、「入山案内」です。先輩たちの生の声から、鉱山で働くことの魅力、山で暮らす上での心構え、職種の詳細な説明に至るまでを一冊に詰めこんだ、まさにガイドブックです。他にも、山暮らしを楽しむための雑学や豆知識などのコーナーが各所にちりばめており、情報を多面的かつリアルな温度感で伝えています。就活の期間だけでなく、内定後や入社後に見直しても役立つコンテンツがたくさん盛り込まれているため、仕組みとして、何度も読み返してもらえるよう工夫しました。

• 効果・クライアント様のお声

  「入山案内」は、2次面接時に配布するパンフレットなので、選考ステップに進んだ学生に対して特別感が出せるようになりました。冊子自体はボリュームもあって内容も豊富なのですが、選考に残る学生はある程度志望度も高く、面接対策として読み込んでくれているようです。入社後の具体的な話や、こぼれ話的な要素も多く含まれているので、掲載していた内容について質問されることが増えたり内定者懇談会の場で話題になったりと、学生とのコミュニケーションにも適しています。実際に、内定者アンケートでは印象に残った媒体として毎年トップに挙がります。社員も多く載っていて面白いと評判。内定後、入社後にも読み返してくれているようです。Webや動画とは異なり、手渡しすることで直接的に認知してもらうことができるので、改めて紙ツールの効果に期待できると思いました。