トピックス2023.09.15
パラドックス東京オフィス移転のご連絡と、弊社の空間ブランディングについて(その1)
弊社の東京オフィスは、2023年9月に恵比寿へ移転いたしました
(詳細はこちら「本社移転のお知らせ、および各種書類の読み替えのお願い」をご覧ください)。
新オフィスには、弊社のブランディングメニューの一つでもある空間ブランディングの考え方を取り入れ、パラドックスの理念を体現した空間づくりをおこなっています。トピックスでは移転プロジェクトの過程を通して「空間ブランディングとは何か?」をお伝えしたいと思います。弊社が自らオフィスをつくりかえる過程を通して、空間ブランディングを少しでも身近に感じていただけたら幸いです。
第一弾となる本記事では、空間ブランディング事業の責任者である大島への取材をもとに、前半で空間ブランディングの考え方をご説明します。また後半ではパラドックスのオフィス移転プロジェクトの、立ち上げフェーズにあたる「空間コンセプトづくり」をレポートします。
1.パラドックスの考える、これからのオフィス空間
社員や取引先、顧客といったステークホルダーと様々な接点を生むオフィス。これからの時代、その空間は単なる業務遂行という機能以上に、企業の志やビジョンを実現するために重要な役割を果たすようになるだろうと弊社では考えています。
大島:根幹には、「働く場所=理念を叶えていく場所」という考え方があります。理念を叶える場所ならば、オフィスとは「理念に沿った行動が取りやすい/生まれやすい場所」であるのが一つの理想と言えるはずです。「業務は家でもできるかもしれないけど、そこに行った方がより自分たちの強みや「らしさ」を発見しやすく、しかもそれらを磨きやすい」と社員に思われているようなイメージですね。もちろん社員だけではなく、そこに集うさまざまなステークホルダーに対しても空間を通して自社の「らしさ」が伝わることで、理念の実現に加速度がつきます。これからの時代、そんな「拠り所」としてのオフィスの価値がますます強まっていくのではないかと思います。
空間ブランディングが狙うのも、まさにそうした「らしさ」が随所から伝わること。企業理念を五感で体験できるデザインや工夫によって、オフィスに集う人々に、理念に沿った行動変容を起こすことを意図しています。
2.オフィスをブランディングするとどうなる?期待される効果とは
企業理念から空間のコンセプトを導き出し、それを空間の様々な要素に反映していくのがオフィスの空間ブランディングの大まかな手順です。反映する先としては、内装、インテリア、立体的な象徴物の設計、素材、香り、光、人の動線にまで及びます。
大島:ブランドカラーやブランドパーソナリティ、ヴィジュアルアイデンティティを定めておくことでも、企業理念(言葉)から空間(五感)への橋渡しをしやすくなります。それらを活用しながら空間ブランディングを進めると、理念に基づく統一感や一貫性の中にオフィス空間も位置付けられ、全体が同じメッセージを発し始めます。
具体的に、弊社では主に3つの面でオフィスの空間ブランディングは効果を発揮すると考えています。
インナーブランディング:
理念がより「自分ごと化」され、社員の行動が変わることでブランディングの加速が期待できます。大切にしたいプロセスは、オフィスづくりの中で社内向けWSを実施し、理念に紐づいたオフィスの在り方を社員自身が模索すること。WS自体が理念浸透に効果があるのは言わずもがな、自分の出した意見が反映されたオフィスにはその後の「所有感」が芽生えやすくなります。また、社員自身が理念を語れる場になります。
カスタマーブランディング:
パートナー企業やクライアントをオフィスに招待した際に、その空間を通じて自社の価値観や「らしさ」を伝えることができます。クライアントにとっては、「この会社は何を大切にしているか、どんな強みを持っているか」がクリアにわかり、目的に向けて軸のぶれない協力体制を築くことにつながります。
採用ブランディング:
就職希望者には、オフィスに来ていただければ一発で自社の「大切にしているもの」「らしさ」「世界観」を伝えることができます。就職説明会や面接など、主に言葉で自社らしさを伝える機会に加えこうした体感があることで、より相互理解の深まった状態で採用が進み、就職後のミスマッチの防止につながります。例えば、制作物のある会社であれば、オフィスの中にそれらをレイアウトして見せることによっても、制作物の中に滲み出る「自社らしさ」を伝えることができます。
総じて、企業理念と働く場所としての機能性が高次元で両立された空間には、同志が集まり、独自の企業カルチャーが育まれていく。人びとの意識の高まりが、長期的な業績向上へとつながっていく。そんな流れが期待できます。
※本記事では簡易的にご説明していますが、より詳しくお知りになりたい方は、下記の2つの記事も併せてご覧ください。
「理念を体現する、これからのオフィスデザインとは」
https://prdx.co.jp/visions-prdx/office-design/
「空間の変化が、人の意識を変える。理念を体現する「空間ブランディング」https://prdx.co.jp/topics/kukanbr2023/
3.パラドックスのオフィス移転プロジェクトについて(空間コンセプトづくり)
ここからは、具体的にパラドックスのオフィス移転を例にとって、空間ブランディングの進め方を見ていきたいと思います。
#3-1. 理念から空間コンセプトをつくる
空間ブランディングのスタートは企業理念です。弊社の場合は理念を次のように掲げています。
これらのミッション、ビジョンから導き出した新しいオフィスの在り方は、「日本で最も志を実現できる組織になるためのオフィス」。
在り方からさらに引き出したパラドックスのオフィス空間のコンセプトは、「みんなの志が共生する、パラドックスの森」になりました。
大島:一人ひとりが異なる一本の木として自立・自生していて、同じ森の中でそれぞれの志を共有し、同じ森の中で守られている。そんなハイフラット*でボーダーレスな場を新オフィスでは目指します。象徴物として、エントランスをくぐってすぐに目に付く場所に、植物のオブジェを置く予定です。パラドックスの大事にしている「企業の揺るがない根幹をつくりましょう」というメッセージの象徴であり、さまざまな植物が上下関係なく共生している「自社の在り方」でもありますね。出社した社員たちは最初に皆それを目にし、自社の世界観を意識にのぼらせながら執務することができますし、訪問してくださる方にもその象徴物を通して自社の価値観を語ることができます。「語れる(語りを促すものによって)」というのも、期待する行動変容の一つです。
(*)パラドックスが目指している組織文化の一つで、風通しの良い社風を表す「フラット」という言葉の、さらにハイレベルな在り方。弊社では、誰に対してもフランクなコミュニケーションをとるために、年次や階層ではなく、それぞれの人としての強みを見つめたリスペクトを前提に置き、無駄な緊張のない空気をつくることを心がけています。
この段階で決めた、大まかなゾーニングは下記の通りです。
次に、このオフィスにいると一体どんなことが起きるのか。イメージをさらに言語化していきます。
◯ 有機的に繋がりながら、常に成長・変化できる
◯ 思想の共感が広がる
◯ 感情を動かすクリエイティブ力が磨かれる
◯ 知性と感性の両輪が育つ
◯ 人と企業の成長を支援する
これらの変化は、いずれもオフィスで過ごす時間の中で芽生え、育っていくものです。
オフィス時間の解像度をもっと上げていくために行うのが、次の「ストーリーづくり」です。
#3-2. オフィスで過ごす1日のストーリー
オフィスで過ごす時間をよりイメージできるように、ストーリーにしてみます。以下はパラドックスが実際に用意したストーリーの一部です。
ご紹介したのはほんの序盤で、実際には退勤まで物語は続いています。
さて、ここまでは主に担当者主導で進めてきましたが、この先は社内を大きく巻き込みます。コンセプトとレイアウトを共有しながら全社員にアンケートで意見を募り、さらに上記したストーリーにも社員たちがどんどん手を加えて改訂。若手を中心にWSも行い、「どんなオフィスだったら来たいと思うか」「理念に紐づいたオフィスの在り方とは」を具体的にしていきます。オフィスに皆が「所有感」を持ち、出来上がったオフィスを背景に社員一人ひとりが企業のストーリーを語れるようになるための、ブランディングの核心部分の始まりです。
その様子は第二弾の記事でお届けする予定です。どうぞお楽しみに!
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