Pd RARADOX

HOME > ブランディング事例 > 株式会社EC-GAINさま

スタートアップで求められるスピーディな経営判断。
その羅針盤となる言語化プロジェクト。

CLIENT:株式会社EC-GAINさま

  • コーポレートブランディング
  • 沖縄県

EC-GAIN代表の村田薫氏は、国内大手のEC事業を行っている法人でECコンサルタントとして従事していました。その後ECコンサルタントとして活動を続けながら沖縄へ移住。地域に密着したECコンサルタントとして中小企業のEC事業者を支援。そこで感じた課題の根深さからEC-GAINを創業し、ソーシャルコマースプラットフォームの開発をはじめました。

主事業は、2021年4月からサービスを開始しているpippin(ピッピン)。現在4,000人を超える専門家がセレクトショップを運営している国内向けのECサービスで、着実にビジネスを拡大させています。

そのpippinのサービスを始める準備をしていたころ、組織内外のコミュニケーションにズレが発生していたことから、共通言語の必要性を感じていた村田氏。そんな中、EC-GAIN独自の強みや提供価値、存在意義などを明確に言語化するために、理念策定プロジェクトがスタートしました。

 

 

理念策定当時のEC-GAINを振り返り、代表取締役の村田様からコメントをいただいています。

1課題

「コロナでサービスが止まりコンセプトから考え直すことにした」

現サービスのpippinを始める前、僕たちはtemiteという名前で日本の商品を台湾で販売するEC事業を始めていたのですが、世界中でコロナが流行し、日本から商品を届けられなくなりサービスの継続が難しくなりました。

いつ物流が再開するか分からないなかで、おもいきって国内向けのECにシフトすることにしたのですが、独自のコンセプトやネーミングを考え直す必要があったんです。そのことをパラドックスさんにいろいろと相談していて、コーポレートブランディングなどのサービスを知るようになりました。

 

「投資家、ユーザー、メンバーへのコミュニケーションが煩雑になっていた」

ご相談するまでの僕は、サービスをより良いものにしていくことにフォーカスしていたのですが、ステークホルダーごとに微妙に認識が異なるコミュニケーションをしていたんです。

そのため、作り手と受け手で異なる認識を持ったままサービスを作り上げていくズレのようなものを感じ始めたんです。

そんな時にパラドックスさんから理念策定という提案をいただき、独自の強みや提供価値、存在意義などの言語化の必要性に気づいたんです。

2理念策定

「ECでの失敗体験をなくしたいと思っていた」

ECで商品を購入して失敗した経験を聞いたりしますが、やっぱり僕の周りでも失敗する人はいました。普段はオフラインで買い物をする人がチャレンジしてECで商品を購入したけど、商品が届いたら見た目や性能が広告と違っていて、「2度とECなんて使うか!」と言って怒っているなんてこともありました。

以前、僕はEC会社に勤めておりECサービスを提供している側だったので、自分の事業を始めるにあたって、そういうECの失敗体験をなくしたいと思っていました。

 

 

「pippinは専門家に相談できるECサービス」

従来のECは売り手と買い手だけなので、オフラインしかない流通モデルと比較すると、中間マージンがなくなることや供給スピードが上がるなどの利点があります。

一方で、サプライチェーンの変化だけがECの良さみたいに今はなっていると思うんです。

 

ECがまだ広まっていないときのお買い物は、必要なものを購入するだけじゃなくて、喜びや満足感が備わった体験がありました。

例えば、魚料理を家族に食べさせたいと思っている人がいて、商店街の魚屋のおじさんに、「今日なんか良い魚ないですか?」と聞いて、「今は鯖が美味しい時期だから、こういうふうにして調理して食べるといいよ」とか、「〇〇さん宅の子どもは小さいから、メザシこういうふうに料理してこうするといいよ」とか言ってもらえる。その商品を買うだけではなくて、ニーズとして顕在化してない商品の魅力とか使い方を、お店の人が掘り出してあげることで、より良い買い物になる。

 

こういった体験を、ECサービスでしていくとなると、ニーズをちゃんと引き出してあげる専門家で発信力のあるインフルエンサーさんが必要だなと思ったんです。

 

 

「『当たりか、大当たりしかない』という腹落ちした言葉ができた」

EC-GAIN独自の強みや提供価値、存在意義などを明確に言語化するために、パラドックスさんの協力により、僕と技術責任者で理念策定プロジェクトを始めました。

僕らの考えや想いをパラドックスさんに壁打ちさせていただきながら、思考を少しずつ整理していきました。そして、「ユーザーにとって当たり外れがある今のECで、その外れをなくしていきたいんだ」という考えに行き着いた時に、パラドックスさんから「それって当たりか大当たりしかないというですね?」との一言で、「まさにそれです!」となったんです。

その次のミーティングで、パラドックスさんから「当たりか、大当たりしかないEC体験をつくる。」というミッションの提案をいただき、腹落ちした言葉ができたと思いました。

今までのECの負の側面を見事に言いかえながら、僕らのやりたいことがしっかりと表現されていたんです。

これまでミッションとか、理念とか、結構抽象的な言葉だろうと捉えていたけど、かなり具体的でユニークというところで、経営の柱になるようなものができたと思いました。

3得られた成果

「投資家に向けてストーリで伝えられるようになった」

僕たちの事業の目的や強み、目指す世界観をストーリーで伝えられるようになったことは、投資家さんからの資金調達の役に立ったと思っています。

投資家さんはロジックが正しいビジネスモデルは山ほど聞いているので、それだけで魅力に感じてもらえることは難しいんです。だけど理念があることで「こういった背景でこんな理念があって、それを達成するためにこんなプロダクトソリューションがあって、それをどうやって広めています。」という一連のストーリーを伝えられるので、投資家さんの心を動かせるようになりました。

 

「ステークホルダーへのコミュニケーションコストが低下した」

理念がなくビジネスモデルしかなかった時は、あれもこれもという感じで、サービスとは関係のない提案まで上がってくることもあり、1つひとつの対応に時間がかかっていました。

しかし理念を作ったことで、各ステークホルダーに対して、僕らのやりたいこととか目指す場所がそれぞれズレなく明確に伝わりやすくなったんです。

プロダクトの目指す場所を言語化していると、メンバーはプロダクトの改善やアップデートの施策がズレなくなり、社外の方々からも僕たちの考えに寄り添ったアドバイスをいただけるようになりました。

他にも、採用候補者にEC-GAINは何をやりたいか明確だと言ってもらえるようになり、採用をする上で、同じ志を持った応募者を採用することに繋がっています。

 

「経営判断における羅針盤ができた」

​僕たちのようなスタートアップの時期は、細かなサービスの変更から大局的なコンセプトの変更まで、様々な変更が必要となることは日常茶飯事です。

どこまで変えていくのかというのは経営者として常に悩むところで、理念などの立ち戻って考える基準がない状態で経営判断をすることはとても難しいと思います。

会社を成長させていくためには協業先や営業先の選定、優先的に取り組むべきことなど、常に選択の連続です。そんな時の羅針盤となる理念ができたことで、スピーディーに経営判断ができるようになっています。

4今後について

サービス開発当初から、参加している人がワクワクするEC体験ができるソーシャルコマースを目指し、pippinは順調に流通総額や取引数を伸ばしています。

その一方で、相談しながら買い物をする性質のマーケットは実は日本に60兆円ぐらいあるので、そういった性質を持つECとしてこれからpippinが社会に貢献できることはまだまだあります。

今後は会社として上場を目指しながらも、サービスとして「買い物に迷ったらpippinにアクセスしよう」と思ってもらえる存在を目指していきたいです。

(写真真ん中)代表取締役CEO 村田 薫