複数企業とともに立ち向かうのは
「発揮している価値」と「働く誇り」の乖離。
沖縄の観光業界リブランディング
CLIENT:Hopeful Okinawaさま
- 地方創生
- 沖縄県
魅力ある資源や、世界に誇れるホテルがたくさん存在している沖縄県。
しかし、地域の魅力を生かし増幅させていくような、新たな事業やサービスを立ち上げることができる人材はまだまだ不足しています。 ハイアットリージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄の江川さんは、自身が沖縄を離れた10年間で、沖縄の観光業に大きな変化がなかったことを課題に感じられました。
「観光立県として、観光業にイノベーションを起こしていかなければならない。」
江川さんの熱い思いを受け、沖縄の基幹産業である観光業全体に誇りを生み出すため、パラドックスが企画・運営を手がけるかたちで「Hopeful Okinawa」というプロジェクトが始動しました。
まず手をつけたのが、人材の課題。実は地元の人々の間では、観光業が沖縄にとって重要な産業だと認識されている一方で、働くことへの肯定的なイメージを持っている人は少なく、就職希望者も年々減少しているという問題が。長期的目線のイメージ改善によって沖縄の観光業界全体を盛り上げていくために、Hopeful Okinawaでは求職者とホテルの従業員、2方向へのアプローチをおこなっています。
1めざすは沖縄の観光業界全体のリブランディング
一つ目は、求職者へのアプローチ。
バブル期の働き方や、コロナ禍に大きく傾いた不安定なイメージから、現地の方々の中では観光業についてネガティブなイメージが浸透していました。さらに沖縄に住んでいるからこそ、リゾートホテルを訪れた経験がなく、実態を知らない県民が多いのが現状。そこで、観光の最前線であるホテルの現場をリアルに体感することで、仕事のやりがいや魅力、社会的意義、を繋げていくための施策を始めました。
2「沖縄の観光業」を働きたくなる仕事へ
実施したのは、沖縄県やホテル業界、参画企業について横断的に学ぶインターンシップです。
参加したのは観光業界に興味がある学生だけではなく、ほとんどが「沖縄のために何かをしたい。」という志を持った学生でした。
事前に学生一人一人とパラドックスが面談をおこない、参加目的を言語化した上でインターンシップを開始しました。観光業やホテルビジネスについての座学ののち、各ホテルブランドの特徴を学び、レストランや宿泊などサービス体験を実施。参加者はお客様側の視点で魅力を体感することができ、沖縄について、観光業について、ホテルについての理解を深めることができます。最終日には、各インターン生がホテルごとのチームに分かれ、ホテルが持つ本質的な提供価値と、その価値を高める施作についてプレゼンテーションをおこないました。


3「沖縄の観光業」を誇りあふれる仕事へ
そしてもう一つのアプローチである、従業員に対しての取り組み。
「目の前の人を喜ばせたいから」とホテルで働く方々が多い一方、マネジメントのレイヤーに上がるにつれ、その実感は得にくくなってしまいます。そのため、おもてなし人材がマネジメント層になることで元々のやりがいが薄れ、離職してしまう人が少なくないという問題もありました。
もっと「沖縄の観光」に携わる仕事として誇りや自信を持ってもらい、観光業の魅力を内外に発信する人を増やしていく必要がある。そこで、ホテルで働くミドル層の既存社員を集め実施したのが、LEADERSです。各社にヒアリングをおこない「沖縄らしいホスピタリティを形にすること」、「観光業界に所属していることに誇りをもってもらうこと」の2点を達成する人材育成コンテンツを開発。部署も役職もホテルも違う方々が、垣根を越えて参加してくれました。


4プロジェクトの成果
学生インターンの様子はメディアにも多数取り上げられるなど、話題が広がっています。
2024年夏に学生向けに開催したインターンシップは、【学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード】にて、全国1,205プログラムの中から、学生推奨プログラムを受賞しました。これは、学生の社会的・職業的自立に貢献したインターンシップやキャリア形成支援に係る取組を表彰するアワードです。
さらに、まだ観光業を志望していなかった学生が本プログラムに参加することで、各社の選考に流入。各ホテルのマネジメント層の方々も、マネージャーとしてのビジョンを言語化し、行動目標を定めました。
企業の採用活動のみならず、業界全体のイメージアップ、そして地域課題の解決。本質の改善に挑むだからこそ時間がかかる課題ですが、同じ志を元に集まった複数の企業様と協力しながら、取り組みを続けています。

▼2024年10月14日付の沖縄タイムズにて紹介されました

▼2024年10月13日放送の0TVにて取り上げられました







