株式会社パラドックス

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チームが自信と誇りを持つことで、
会社全体が活性化していく。
「部署をリブランディング」する挑戦。

CLIENT:日本サニパック株式会社さま

  • インナーブランディング
  • 東京都

1ご依頼のきっかけと課題感

井上社長

「リブランディングを行ったのは品質保証本部です。会社にとっては非常に重要な部署なのですが、所属するメンバーに自信がないのではないか、と感じていたことがきっかけです。周りからどういう風に見られているのか、ということに関してポジティブに捉えるのではなく、ネガティブに感じている部分もあるのではないか、と。このままでは会社としてはよろしくない。そこで品質保証本部の見え方、感じ方を変えたら良いのではないかと考えたんです。パラドックスさんには50周年のタイミングで理念やロゴのお手伝いをしていただきました。そこで今回もご依頼をさせていただいたのですが、おそらくパラドックスさんにとっても、日本の中でも、組織内組織(=事業部単位)のリブランディングは初めての試みだったのではないでしょうか」

日本サニパック株式会社 代表取締役社長 井上充治さま

2プロジェクトの具体的なプロセス

品質保証本部とは、同社の中でどのような役割を持つのか。つまり、チームミッションは何か?を明確にすること。そして、ミッションに向かうための行動計画を発表し、周囲の賛同を得ながら、一つひとつ着実に実行していくこと。それによって、自分たちの仕事に意義とやりがいを感じながら、おもしろく働く。その第一歩として、2021年12月から半年ほどかけて、プロジェクトを進めました。

 

STEP1 強みと魅力の整理

・他者評価(事前に行った社内アンケート結果)と自己評価をもとに強みと魅力を抽出し、整理する

 

STEP2 ありたい姿と部署のミッションを議論

・品質保証本部のありたい姿を明確化するとともに、そのための部署のミッションを議論する

 

STEP3 言語化とチームロゴ、具体的な行動計画の策定

・ありたい姿になるために、具体的に何を実施していくか「行動計画」を策定

・部署のミッションを「チームクレド」として言語化し、旗印となるロゴを開発

 

STEP4 社内向けリリースイベントの実施

・チームクレドやロゴ、そこに込めた決意と今後の行動について発表し、期待感と賛同を得る

 

メンバーが作成した報告資料。すべてのプロセスを自分たちで考え、形にしていった。

 

プロジェクトはまず、あらためて自分たち(品質保証本部)のことを理解することからはじめました。事前に社内アンケートを実施して、「強み」や「期待すること」などを収集。「メーカーの心臓部」「幅広い知識」「アイデア頭脳集団」「会社の信頼を作っている」「品質のチェックを強化してほしい」など、とても意義深く、期待されている組織であることが垣間見えました。一方で、自分たちの視点でも「強み」や「働く上での魅力」などについて、意見交換を行いました。他者の視点と自分たちの視点、両方から見ていくことで、自分たちの良さを再発見することができますし、伝わっていない部分、誤解されている部分なども分析することができます。

 

その上で、本来のありたい姿、理想の姿を議論しました。「品質保証本部は、本来はこういう力があるし、会社の中でこういう役割を担うべきですよね」という想いを、本音ベースで話しあっていく。すると、現状とのギャップや「なぜ、ありたい姿になれていないのか」という課題も見えてきました。

 

ここで大切にしたのは、具体的な行動計画を立てることです。ありたい姿が明確になり、乗り越えたい課題も見えてきたならば、実際に行動していくことが大事です。行動すれば、自分たちの理想の姿に着実に近づきますし、周囲からも正しい評価をされるようになります。同社では「魅せる品質検査室をつくる」「組織図を検討し直す」など、大掛かりな計画もありましたが、社長や経営企画本部長に直接プレゼンする機会もいただき、承認を得ることができました。トップ自らが積極的に支援してくれる、ということも、プロジェクトがうまくいったポイントです。心強い後ろ盾を得ることで、絵に描いた餅にならず、自信を持って行動していくことができますから。

 

 

池田部長

「知識も経験もある、本当に素晴らしいメンバーが集まっているチームです。だからこそ、自分たちが何のためにある部署なのか、あらためてメンバーに伝えたいと思いました。日本サニパックの中でも重要な役割を担っていて、本来はそのために集まっているということを思い出してもらいたかったんです。業務に忙殺されて、忘れてしまっていたのかもしれませんね。12月にプロジェクトを開始したあと、年末年始もこのプロジェクトのことばかり考えていたのですが、そこで気づいたことがありました。それは、私たちは今まで以上に「ちゃんと作って、ちゃんと売る」会社にならなければいけないということ。その中で品質保証本部は「3288」の位置にいる。「サニパック=3289」が完成形とするならば、品質保証とは、そのひとつ手前の重要な役割を担っているのでないか、という意味です。プロジェクト中は、例えばそんな風に、できる限りシンプルでわかりやすい言葉を使って、みんなに伝える努力をしていました」

 

 

 

 

最終的に出来あがった「チームクレド」。「ちゃんと品質」はメンバーが生み出した言葉。

品質の未来、会社の未来を開くカギであり、品質を守る(=閉める)カギでもある。

そんな品質保証本部を表現したチームロゴ(左)。

また、しっかりと品質を守る証として、右のロゴはインドネシアの工場で使用している。

 

3社内リリースと成果

プロジェクト開始から半年ほどが過ぎた、2022年5月24日。日本サニパック本社にて、品質保証本部のブランドリリースイベントを開催しました。第1部は井上社長、池田部長、パラドックスより「ブランディングの目的」「具体的な行動計画」「チームクレドとチームロゴ」について発表。オンライン配信も行い、全社員にリリースするだけでなく、社外の関係者にもご来場いただきました。

リリースイベントで、ブランディングの目的や行動計画などを発表する池田部長。

その後は1階の共有スペースに移動して、披露パーティーを開演。飲み物や料理はもちろん、お土産や装飾に至るまで、すべてを品質保証本部のメンバーが企画し、手作りしました。想いのこもった温かい場になり、笑顔のあふれる楽しい時間が流れていきました。

披露パーティーは企画、装飾、手配、運営など、すべて品質保証本部が手作りして、おもてなし。

チームクレドやチームロゴのポスターを掲示。ありたい姿や想いをまとめたブランドブックも配布。

オリジナルジャンパーやポロシャツも作成して、一体感を醸成。

井上社長

「実は、池田さんが入社したのは2021年の12月。つまり、入社早々でプロジェクトリーダーになったんです。しかし、彼は性格も明るいですし、前職での経験も豊富で、幅広い視点を持っている。彼にお願いすれば必ずうまくいくと思いました。そもそも、メンバーとも初顔合わせのような状態でスタートしていますから、当初は面食らった部分もあったようですが、結果としては500%くらいの達成です。大成功だったのではないかと思います」

 

池田部長

「今回のリブランディングを通して、みんなが何に打ち込んでいるのかを知りましたし、距離感も深まったと思います。私個人で言えば、日々の業務が、単調なものからカラフルでワクワクするものになりました。部署内でも笑顔が増え、他部署との関係もより良くなったと感じています。今後は、言葉を掲げるだけでなく、ちゃんとやっていくこと。お披露目会では“口だけでなくちゃんとやってね”という厳しいけれど、ありがたい言葉をいただきました。その期待に、しっかりと応えていきます」

 

 

井上社長と品質保証本部のメンバーたち。リリースイベントにて。