創業は江戸時代。魂はベンチャー企業。
はかり屋としての進化の道を共に描き、
採用伴走で進化を支える。
CLIENT:株式会社田中衡機工業所さま
- インナーブランディング
- 採用ブランディング
- 新潟県 東京都 大阪府
田中衡機工業所は、新潟県にある”はかり”メーカー。金物の街、燕三条に生まれ、115年にわたり、あらゆる産業の基盤となる「正確な計量値」をはかり続けてきました。その歴史は「1kgが1kgである」という私たちの日常の当たり前を守り続けてきた歴史でもあります。現在は、従来の「正確な計量値」だけでなく、「はかり×IoT」によって、ビジネスを進化させる「役立つ計量値」を提供する、計量・計測のトータルソリューション企業を目指しています。
1企業理念の言語化
コーポレートブランディングの第一歩として、まずは自分たちの使命=Missionと目指す未来=Visionを言語化。若手を含む、経営メンバーが中心となり、セッション形式で議論を重ねました。そこで見えてきたのが、長い歴史の中で重さの基準を守り続けてきた「ただしく ながく かんじよく」という姿勢と、実直に積み重ねてきた実績の数々でした。
ボクサーの体重から、キリンの体重まで。小麦粉の重さから、鉄鉱石の重さまで。はかりを必要としない産業は、この世界にはありません。それらすべての「当たり前」を支えることこそが、自分たちの使命なのではないか。そこでMissionには『「はかり屋」魂で、産業の基盤を守り続け、人と人とを信頼で紡ぎ、今よりも幸せな世界を育む。』という言葉を掲げました。
Vision言語化の際にキーとなったのは、社長が言った「IoT」というキーワード。様々な計量を担う田中衡機の”はかり”は、膨大な量の「重さに関するデータ」が集まります。全てのはかりをインターネットにつなぎ、データを集約できれば、世界中の産業を支えるだけでなく、産業を基盤から進化させることができるのではないか。その可能性に気づいたことが、メーカーという枠を取っ払い、数値とそこに紐づくソリューリョンをも提供する「計量・計測のトータルソリューション企業」という事業ビジョンにつながりました。
▲理念ポスター
2採用(新卒)戦略の策定
理念策定の次のステップとして手を打ったのが、採用領域でした。従来の採用活動は社員からの紹介やハローワークからの紹介がメイン。しかし、戦略的に成長していくためには、採用活動の進化が必要不可欠でした。そこでまず行ったのが、田中衡機初の新卒採用。プロジェクトの目標としては、新卒採用元年として「今年採用できること」はもちろん「数年後には自走できる人事チームをつくること」を掲げました。
新生採用チームとのディスカッションを通じてまずは課題を3つに整理。
・業界では有名だが、学生からは知名度が低い
・はかりという商材は、一般的に馴染みがない
・本社が地方に位置していて、立地的に不利
これらを踏まえて立てた作戦が「他社がとりこぼしている人材」をピンポイントで狙うということでした。例えば、海外からの外国人留学生や地方国公立大の学生と接点を持ち、隠れた優秀層を採用するというもの。また、学生がイメージしにくい事業だからこそ、入社後の配属先や具体的な仕事内容までを明確にし、リアルな情報を伝えられるよう準備していきました。
3新卒採用伴走
実際の選考に向けて、社長を含めた採用チームと定例で打ち合わせを設け、二人三脚で進み始めました。企業の進化にはどのような人物が必要なのか?という人材要件に関する議論をはじめ、そういった人物をどのようなチャネルで採用するのか、というコミュニケーション戦略の策定(募集ナビ媒体の選別、説明会イベントの選別や効果測定など)、あるいは選考流入後に正しいジャッジをするための面接シートの作成や、内定フォローの作戦立て、学生の就活状況に合わせた個別対応のプランニングまで、伴走の範囲は、活動の全フローに渡りました。採用伴走のメリットは、このように採用のフェーズが変わるごとに出てくる課題や不安を、その都度解消できることです。掲げた目標に対して、どう達成するのかということを最後まで一緒になって考え尽くしました。
4採用ツール制作
採用活動の基礎づくりをする一方で、母集団形成も意識し、パンフレットや特設サイトを制作しました。採用全体を統括するコンセプトは「度量採用」。田中衡機工業所の成長の裏にあった「数多くの挑戦と失敗を受け入れる度量の大きさ」を示し、挑戦を続ける若者へと訴えかけました。
▲採用パンフレット
▲門戸を広げるため「度量採用」というコースを設け、多様な人材を受け入れる仕組みに。
▲採用ポスター
5得られた成果
結果としては、新卒採用初年度にして国内営業、海外営業の職種で採用目標を達成。定期的な伴走活動により、2年目からはほぼ自走状態で採用活動を展開できるようになっています。
また、新卒採用が自走し始めた段階で戦略的な中途採用活動を開始。目指すビジョンに対して、全国の各事業所、各部署が今後どのような役割を担っていくのか。その役割を果たすためには、どのような人材が必要なのか。経営メンバーとディスカッションしながら、必要な人材像と採用戦略を策定しました。現在では、ダイレクトリクルーティングやエージェントを駆使し、企業の進化に直結するような人材の採用を行っています。
6お客様の声
パラドックスの価値は、私たち自身には見えていない価値や良さを「見える化」してくれることだと思います。自分たちの組織としての価値を明確に言葉にし、「なんのために存在しているのか」をわからせてくれました。それは経営的にすごく価値の大きなことですし、絶対に自分たちだけではできませんでした。変化の激しい時代だからこそ、変化の波に流されずに、自分たちの価値を生み出し続ける。その時に指針となるもっとも重要なものが理念です。そこを共に考え、実現に向けて共に歩んでくれるところがパラドックスらしさだと思っています。(代表取締役社長 田中康之)