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事業部からチームハビオ、そしてカスタマーへ。
チームで心をはずませ進む、
賃貸マンションブランディング。

CLIENT:三菱地所レジデンスさま

  • インナーブランディング
  • カスタマーブランディング
  • 東京都

三菱地所レジデンスの賃貸マンションブランドである、ザ・パークハビオ。価値観が多様化する時代に寄り添い、高品質な賃貸マンションとして成長を続けてきました。賃貸住宅事業部から始まったこのブランディングプロジェクトは、その後、グループ会社をも巻き込みながら、最初の想定を超えて大きく展開していきました。

1ご依頼のきっかけ

ザ・パークハビオは、三菱地所レジデンスの賃貸マンションブランド。立地の利便性や洗練されたデザインに加え、分譲マンションに引けを取らないクオリティの高さで人気を博しています。

今回のプロジェクトは、ザ・パークハビオのチームメンバーが声を上げて始まりました。竣工100棟を見据える中、当時のチームの課題感は「賃貸マンション開発の競合も増えている一方で、ザ・パークハビオの強みを担当者間で共通認識として持てていない」というもの。事業が成長期にあり、お客さまからも一定の評価を得られているタイミングだからこそ、改めて自分たちのブランドを自分たちで確固たるものにしたい。そんな想いを背景に、ブランディングがスタートしました。

2スローガン・バリュー・スピリット策定

まずは部署内から約10人を選出する形で「自分たちを表す一言」をつくるセッションに着手しました。

 

▲あらゆるテーマから、議論を重ねました。

セッション開始当時の雰囲気を振り返り、参加メンバーの福井さんからコメントをいただいています。

 

福井様:

それまでは、「ブランド=商品や企業の機能的価値“以外”の部分を表現しているもの」という認識をなんとなくしていました。大切ではありつつも曖昧で、最初は正直、そんな曖昧なものに時間を割く必要はあるのか?答えが出ずに堂々巡りが起きるのでは?と思っていたんですよね。また私もチームもそもそも仕事へのモチベーションが高く、「自分たちが本当に良いと思うマンションをつくってきたんだ」という誇りを持っていましたので、やる気の改善という点でもあまり意味を見出せずにいました。

 

 

セッションに転機が訪れたのは、「お客さまの声を聞いてみないか?」と実際のご入居者にアンケートをとったタイミング。思いのほか多くの方が回答してくださったそのアンケートからわかったのは、つくり手の想像以上にさまざまな点でザ・パークハビオが愛されていること、特にマンションの管理人さんをはじめ協力会社のスタッフたちへの評価が高いという、これまで自分たちでは認知できていなかったザ・パークハビオの良さでした。

メンバーにとって「お客さまにご満足いただけることは、こんなにも嬉しいことなんだ」「物件のクオリティだけではなく、管理人さんの日々の対応もこんなに高く評価されているんだ」と気づく機会となったアンケート。たくさんのポジティブな回答を受けて、セッションで語られる言葉も徐々に、「デザイン」「機能」「利便性」といったハード面の誇りから、その先で生み出される人の幸せへと着眼点が変化していきました。

 

ベースとなるストーリーをもとに、メンバー全員で言葉の細部まで議論を尽くし、ザ・パークハビオのスローガンとステートメントが決定。さらに、お客さまに向けて提供しているバリューと、自分たちのスピリットが編まれていきました。

▲策定したハビオのスローガンとステートメント

▲バリューとスピリット

福井様:

スローガンなどが策定されて3点大きな感動がありました。

1点目は、一人ひとりが意見を出し合い、お客さまや管理人さんのお話を聞くうちに、徐々に心境が変化していたことです。プロジェクトが終わる頃には、自分たちが内発的にこのスローガンを生み出せたことに大きな意味を感じるようになっていました。自分たちで考え、語らいながらつくったスローガンだからこそ、アクションに移すことができ、それが何らかの良い結果にもつながる。そこまできてようやく、外から見ても「変化が起きた」と言える状況になるのだと思います。

2点目は、チームとしての大きな一体感が生まれたことです。チームが進む方向が「心はずむ瞬間」であると明確になり、一つひとつの仕事をする上で「ブランディングの観点ではどうか」という尺度を新たに持てたことで、私もチームも、ますますポジティブに目標に向かってアクションを起こしやすくなりました。

3点目は、企業と個人のビジョンが明確に一致した上で働くことの大切さに気づけたことです。私自身は「楽しいものづくりがしたい!」という想いはずっと持っていました。そこへ、ブランドの共通言語を掲げたことで、自身の仕事への想いを会社が後押ししてくれるような心強い気持ちになったんですよね。一言で言うと、元々高かった自分の仕事へのモチベーションがさらに大きく上がり、仕事を通しての幸福度もグンと上がりました!

3クリエイティブを通じたカスタマーブランディング

セッションの中盤から同時並行で、スローガンに紐づいたクリエイティブ制作も始まりました。カスタマーとの接点において重要なのは、「ザ・パークハビオは、世の中にどのように受け入れられたいか」という視点。ブランドパーソナリティとして方針を定め、色彩学を用いて、ザ・パークハビオのブランドのイメージカラーを決定しました。

▲ブランドパーソナリティ

▲ザ・パークハビオを表すキーワードから、ブランドのイメージカラーとカラーバランスを選定

そしてそれらを反映させたムービーの制作、およびブランドサイトのアートディレクションを行いました。

 

 

▲「ザ・パークハビオ」ブランドサイト(https://www.mecsumai.com/tphb/

4グループ会社を巻き込んだ「チームハビオ」によるセッション

「スローガンに込めた想いを真に実現するためには、日々お客さまと接している管理会社や賃貸仲介会社の皆さんとも連携をとる必要があるのではないか?」

理念をつくるセッションの中で、マンションの管理運営面がブランドに与える影響の大きさに改めて気づき、セッションメンバーから自然に湧き上がってきたこうした想い。ここから、三菱地所ハウスネットと三菱地所コミュニティの2社を巻き込んだ、3社合同セッションによる「未来チャートづくり」が展開していきます。

▲未来チャートについて議論を重ねるプロジェクトメンバー

セッションの参加を呼びかけられた時の気持ちを、それぞれの会社から参加された方にお聞きしています。

 

三菱地所ハウスネット 溝口様:

住宅の管理にまつわる仕事で、自分の知らない領域を一つでも広げたいという意識は常々持っていたんです。ですからお声掛けいただいた時は、単純な日々の管理から、マンションづくりや街づくりに広がるような、新たな世界に踏み込むチャンスになるだろうというワクワク感がありました。

 

三菱地所コミュニティ 山﨑様:

ハビオに携わって8年以上になりますが、グループ全体でハビオブランドを良くしていこうという取り組みは今までなかった気がして、興味が湧きました。ただ、セッションをした先にどのようにブランドが強化されていくのか、そのイメージは持てないまま参加したというのが率直なところです。

 

 

各社でおこなった事前のワーク(DAY0)から、集合して実施した合同セッション(DAY1-3)まで、3ヶ月間に及んだ3社合同「チームハビオ」としてのワーク。3年後、5年後、10年後にそれぞれどうありたいか、どんな目標なら自分たちがいちばん心がはずむかを議論し合い、内容をビジュアルイメージに落とし込みながら、ザ・パークハビオの未来をともに描いていきました。

▲HABIO FUTURE HISTORY(未来チャート)

▲TEAM HABIO SPIRIT(チームハビオの心はずませる5つの約束)

「チームハビオ」と未来チャートづくりに取り組んだご感想も、それぞれいただいています。

 

三菱地所ハウスネット 溝口様:

チームハビオセッションへの参加を通じて、ブランドに対する見方が変わりました。今までは、他社のマンションと比較してハビオの特徴を捉えているようなところがありましたが、今回は初めて内側からハビオを掘り下げ、それぞれの立場から意見を出し合って未来を考えることができたんです。最終的に辿り着いた「マンション幸福度」という言葉も、3社で議論したからこその納得できる着地だったように思います。また、私たちの会社は管理という仕事の性質上、日々の仕事はマイナスをゼロにする地味なものが多く、メンバーも積極的なタイプよりは内に秘めるタイプの人が多い。でもセッションの中でひとたび心の固い門がこじ開けば、メンバーから溢れるように意見が出てくるようになりました。ここから先はしっかりコミュニケーションをとりながら、それぞれの立場でより自分の仕事にプライドや誇りを持ち、ブランド力の強化に取り組んでいけるのが理想的だと思っています。

 

三菱地所コミュニティ 山﨑様:

セッションを通して、これまでよりハビオに愛着が湧いた気がしています。ハビオブランドを育てていくことでこういう広がりがあるんだと、ブランドの将来像を描けるようになってきたからです。ハビオセッションの後、入居者さまと管理側が交流を持てるようなイベントの機会を定期的に設けようと企画を立てたり、どんな「心はずむ」工夫ができるかを3社で話し合っています。さらに先日は、新しいハビオを建てるにあたってのコンセプトディスカッションにも参加したんです。3社で意見を出し合い、その場で意見を反映させてマンションの図面を描き直していきました。こうした機会にはチームハビオセッションに参加していないメンバーも引き入れて行っています。少しずつ輪を広げて、ハビオブランドに関わる全員が主体的に同じ方向を見られるようになっていけたらいいですね。

▲各社に掲示された「HABIO FUTURE HISTORY」のポスター(上から順に、三菱地所ハウスネット株式会社、三菱地所コミュニティ株式会社、三菱地所レジデンス株式会社の皆さま)

5プロジェクトを終えて 〜自走するブランドへ〜

「誰に、何を届けたいのか」が明確に意識されるようになり、未来チャートづくりで一区切りとなった本プロジェクト。しかしここからさらに、未来を現実化するための動きが生まれます。

その一つが、社内での自発的な取り組みの増加です。すでに実現したのが、ご入居者さまに向けたノベルティ制作。「心がはずむ」瞬間を感じていただける工夫を随所に施したグッズを、セッションメンバーが中心になって生み出しました。

▲メンバーが中心になって発案し、実現したオリジナルハンドソープと今治タオルのノベルティ。ハンドソープの香りは3社のワークショップ内での投票で決定しました。

▲内覧用のロゴマーク入りスリッパ

▲社内外向けのブランドカードも、ブランドのイメージカラーを取り入れながら自主的に制作。

▲社内外向けに掲示されるブランドポスター

加えて、3社合同セッションをきっかけに、マンションの計画段階から3社交えて議論をする機会が増加。グループ全体でものづくりから管理まで一元化してプロデュースする体制が強化されつつあります。

会社の垣根をこえ、同じ未来を見据えるチームとしての新しいザ・パークハビオづくりへ。これからも、情熱を内外に伝え、心はずむ未来に向けて躍進されるチームハビオのみなさまを、同じように心はずませながらサポートしていきたいと願っています。

 

また、下記にてプロジェクトを総括して、三菱地所レジデンス株式会社の資産開発部門担当役員である森山様よりコメントをいただいております。

三菱地所レジデンス 資産開発部門担当役員 森山様

「ハビオの良さってなんだろう。」
これまで事業担当者それぞれが創意工夫して取り組み、一定のブランドを築いてきたものの、共通の言語化ができていませんでした。
ザ・パークハビオがどんな価値を提供できるかを明確にし、三菱地所レジデンスの賃貸住宅事業のゆるぎない指針『みんなの軸になる幹づくり』をしたい。そして、グループ会社や事業に携わる人たちと考えを共有し、ONE TEAMでブランド価値向上に取り組んでいきたい。それがこのブランディングプロジェクトのスタートでした。
セッション当初、議論は散漫としましたが、未来を可視化し、これからも受け継がれていく確固たるブランドを築きたいという部員の想いを込めたスローガン『その瞬間に、心がはずむ。』や『チームハビオの5つの約束』を、自分たちの言葉を紡いで作り上げたことが素敵です。
その後、グループ3社で「チームハビオセッション」を始動。10年後の「ハビオ」「私たち」のありたい姿について熱く自由な議論を交わし、ブランドの大切さを共有し、私の想像を超える自発的な「心はずむ」取り組みが始まっていることが嬉しいです。
ブランド構築の取り組みにゴールはありません。お客様に選ばれ続ける三菱地所グループになるために、チームハビオだからこそ実現できる住まいを、私たちは心はずませながら追求していきます。