RAGTAGに寄り添い20年。
ブランディングの歴史は、
本当にいいものに寄り添った歴史。
CLIENT:株式会社ティンパンアレイさま
- カスタマーブランディング
- 採用ブランディング
- 東京都
株式会社ティンパンアレイさまはユーズドブランドセレクトショップである「RAGTAG」、「rt」を全国に展開する中で、本当にいいものを誰でも手の届く価格で買えることを目指し、ブランド品の買い取りから販売までを一貫して行っています。パラドックスは創業以来、同社の企業ブランディング及び事業ブランディングに携わらせていただき、会社の成長に伴走してきました。
1出会いは一冊の採用パンフレット
ティンパンアレイさまとの出会いは、約20年前にさかのぼります。最初のご依頼は“採用パンフレットをつくりたい”というもの。以来、採用ツール制作のみならず、事業展開に伴うツールづくりもご依頼いただくようになりました。中でも、RAGTAGの姉妹店であるrtをスタートするタイミングでは事業コンセプトの立案から携わらせていただきました。
1-1採用パンフレット
ティンパンアレイさまの考えるいいものとは、センスや技術だけではなく、つくり手の想いが宿っているもの。それは、時間が経つほどに愛着が湧き、ずっとずっと長くつきあっていきたくなるものでもあります。そんなティンパンアレイさまならではの“価値観”を伝えるために、“最近、捨てたものはなんですか”という言葉をメインキャッチに採用し、世の中がもつ“ものへの価値観”を変えようとする会社であることを訴求しました。
1-2新店舗ブランティング
当初、RAGTAGのメインターゲットが若者中心であったこともあり、渋谷を拠点に店舗を構えていましたが、会社の成長に伴い、お客様の年齢も高くなりつつありました。そこで、姉妹店として「rt」の起ち上げが行われました。場所は、大人の街、銀座。パラドックスでは、この「rt」という店舗ネーミングからロゴ制作、内装など幅広くブランディングに携わらせていただきました。
▲rtネーミング/rtロゴ
本当の宝物を意味する“real treasure” の頭文字であり、RAGTAGの略でもあるrt。いいものを大切にする、という想いを受け継いだ新店舗であり、そして本当にいいものだけを扱うという想いが込められています。ロゴでは、rからtへとつながるようなデザインにすることで、手を差し伸べて想いを伝える様子を表現しました。
2理念策定
ティンパンアレイさまでは、お付き合いが始まった当時からずっと“We wish to be your big closet.”というスローガンを使用しています。いいものを買い、着なくなったら売り、またいいものを買ってほしい。そんな購買活動の間に“大きなクローゼット”としてティンパンアレイが立つことで、人々のおしゃれを応援していきたいという想いがあったのです。
しかし、事業が拡大するにつれ社員も増え、理念浸透における課題が浮き出てきました。そこで、社員が会社のビジョンに共感できるように、新たに理念策定を行うことになりました。
まずティンパンアレイさまが創業当時から大切にしていることや、どうしてティンパンアレイを起ち上げることになったのかをヒアリング。そして見出されたのが“これからファッションに触れる若者のためにティンパンアレイはある”という存在意義でした。
そもそもRAGTAGが生まれたのは、高級ブランドを見る女子高生が「私たちには高くて買えない」とつぶやく声を聞いたことがきっかけ。彼女たちにその服を着てほしい。いいものが手頃な価格で買えたならば、喜ぶ人がたくさんいるはず。こうした原点にある想いを社員に共感してもらい、自分らしいおしゃれをすることをあきらめず、楽しんでもらうためにあらゆるファッション好きの方に寄り添っていける人になってもらいたいと考えたのです。
▲策定したミッション・ビジョン
▲コーポレートサイト
企業理念を大きく押し出すことで、ティンパンアレイがファッションを通してお客様に寄り添うという立ち位置を表明。
▲採用サイト&採用パンフレット
コーポレートサイト同様、企業理念を押し出し、ティンパンアレイの想いを学生へ訴求。
3アニバーサリー企画
1985年に創業したティンパンアレイさま。20周年、25周年、30周年の節目の年に記念事業としてさまざまなアニバーサリー企画を担当させてもらいました。
▲20周年記念冊子
「二十歳の誓い」というタイトル通り、ティンパンアレイで働く様々な人たちの「誓いの言葉」をまとめました。
▲25周年記念冊子
1985年、RAGTAG開店当時の原宿の写真を使用することで、これまでの歩みを紹介。
▲30周年記念
30周年コンセプトを「&JOY」と策定し、ポスターや特設サイトを制作いたしました。
4消費者向けスローガンおよび施策
これまでの施策により、ティンパンアレイさまが大切にする想いを社員に共有することができてきた次のフェーズとして、消費者に向けたコミュニケーション施策を行いました。当時、ティンパンアレイさまが運営するRAGTAG、rtはどのような服を売っているのか分からないという消費者もおり、改めてどのようなお店でどのような想いを持っているのか、知っていただく必要がありました。
▲RAGTAGのスローガン
RAGTAGに入店してくるお客様のお声で多く寄せられたのが、「なんのお店かわからない」というもの。新品の服を売っているのか、古着を売っているのか。そもそも服屋なのか。なんのお店かわからず入ってくるということは、なんのお店かわからずに入らないお客様がいるということ。もっとお客様に正しく認識してもらうため、コピーを制作しました。
▲お買い取りのスローガンおよびツール
ティンパンアレイでは、ブランド古着の販売だけでなく、お買い取りもしています。現在古着のお買い取りは当たり前となっていますが、かつては今ほど同業他社はありませんでした。これほど多くのお買い取りを行う会社が増えた以上、ティンパンアレイさまのオリジナリティを伝えなくてはお客様に選んでもらえません。そのオリジナリティとは、お買い取りした服をどこよりも大切に扱うこと。服が大好きな担当者が一点一点丁寧に査定することに始まり、買い取った後も必要に応じてクリーニングやリペアを行い、そしてようやく店頭に並べる。こうした姿勢を伝えるためにお買い取りのコピーとツールを制作。「かわいい服は、旅に出そう。」というキーメッセージで、大切に扱ってきた服だからこそ大切に扱うお店に売り、同じく服を大切にする人のもとに届けることができるということを訴求しました。
▲ISETAN Men’s×RAGTAGコラボコンセプト設計
伊勢丹と言えば、ファッション界最高峰の百貨店。扱うものは当然新品。百貨店と古着を扱うお店とは相入れない者同士、というのがこれまでの業界の通例でした。しかし、そんな伊勢丹とRAGTAGのコラボが実現。コンセプトは「UNDEADSTOCK COLLECTION」。トレンドに捉われずに大切にされる服たちが、ファッションを愛する人から人へと巡り続けるサイクルを表しました。実際に開催されたイベントは、1階を販売スペース、2階を買い取りスペースに分け、販売スペースでは、ティンパンアレイの在庫から伊勢丹のバイヤーが目をつけたアイテムを販売。伊勢丹とティンパンアレイの販売員が接客を担当しました。買い取りスペースでは、ティンパンアレイの買い取り担当者が、お客様がお持ちになった服を査定してお買い取り。このイベントでは数字的にも予想を上回る成果が上がりました。