トピックス2020.05.13
オンラインで、学生と人事の合同カンファレンスを開催。新たなコミュニケーションの可能性を探る。
4月28日、パラドックスでは、22年卒の学生と企業の人事担当者向けに、オンラインカンファレンスイベント「人事とリモトーーク」を、実証実験も兼ねて無料開催しました。
現在、新型コロナウィルスによる非常事態宣言が延長されていく中、就職活動にも変化が求められており、各社オンライン説明会や面接への移行や検討が進んでいます。今回、イベントに参加した15社19名の人事担当者に行ったアンケートでも、ほぼ全ての会社がオンラインへの移行を検討・実施されています。
一方、22卒の学生にとっては、まだまだ就職活動は始まったばかり。今回の参加者33名に対する就職活動および面接のweb化についてのアンケートでは、就職活動のweb化を望む、もしくは気にしないと答えた学生は76%超えたものの、面接への移行に関しては、web化を望むという意見はわずか約9%でした。
web面接における懸念については、「画面上での第一印象の作り方がわからない」や「本来の表情、熱意など画面で伝わりづらい」などの意見がありました。たしかに、初対面で画面上でのアイスブレイクというのは、ビジネスにおいてもなかなか難しいものです。学生と人事であれば、なおさら選考への影響も気になるところ。オンラインであっても、本音でしっかりと語り合える効果的な方法を探っていきました。
オンラインでのコミュニケーションに必要な雑談力(=リモトーク力)が発揮できるトークテーマを検証!
そこで、パラドックスでは、「人事とリモトーーク」と題し、オンラインでのコミュニケーションに必要な雑談力、名付けて「リモトーク力」が発揮できるトークテーマを検証しました。
参加企業は15社19名、学生は33名。オンラインならではの強みを活かし、北は北海道、南は福岡の企業まで、幅広い企業に集まっていただきました。ただし、今回は、あくまでもフラットに人としての魅力だけでトークを深めてもらうため、人事がどこの企業か、学生がどの大学かを明かさないルールにしてイベントを進めました。
web上に配置された6名掛けのテーブルにそれぞれトークテーマが割り振られており、人事2名と学生4名が着席してテーマに沿ったトークを繰り広げました。
イベントは大きく2部構成になっており、前半はテーブルに着席する人を入れ替えながら、1セット30分でトークテーマに沿った会話を2セット行いました。
後半は、人事ひとりにつきテーブルをひとつ設け、学生はもっと話したいと思った人事のテーブルに行き、会話の続きやメッセージのやりとりをしました。
一番盛り上がったトークテーマは!?
結果、一番盛り上がったトークテーマは、「優秀な人ってどんな人?」というもの。学生からは「人それぞれの考え方や企業によって考え方が異なったりするということもわかった」「自分が優秀な人ではないとわかっていてバランスを取るための立ち位置でいると言ったとき、そういう人が必要だし、自己認識ができているのがすごいことと言われて気持ちが軽くなった」などの意見がありました。
他にも「人生で大事にしている教訓」「理想の女性の働き方」「もっとこういう就活にしたい」「一番あこがれる漫画のキャラクターは?」など、一見、就職活動から離れた話題から話すことで、相手の価値観を知ることができたという声もありました。
<今回検証に用いたトークテーマは以下の10個>
①もっとこういう就活にしたい!
②一番憧れる漫画のキャラクターは?
③自分に影響を与えた人や本
④人生で大事にしてる教訓
⑤チームワークに大事なことって?
⑥自粛が終わったら何したい?
⑦理想の女性の働き方
⑧優秀な人ってどんな人?
⑨大切にしているルーティーン
⑩日本のこういうところが好き!
今回パラドックスで初めての開催となったオンラインカンファレンス。画面上に6名掛けのテーブルが19席並ぶフロアをつくり、だれがどこにいるのかを一望でき、テーブルを自由に行き来しながら会話ができるような仕掛けにしました。またステージから全席へという1人対大人数の公演も行うことが可能。チャットおよびホワイトボードを使用することも出来ます。
運営のポイントは、完璧な準備をしておくこと。パラドックスが運営しているコミュニティ「Visions LOUNGE」の学生が中心となって、参加学生33名全員の接続チェックを事前に完了させ、よくあるエラーを事務局トークルームで共有。人事担当者側には、開始の30分前に接続のチェックを行っていただき、3名のパラドックス社員の電話番号をお伝えし、接続トラブルのお電話をいただくようにしました。
お問い合わせの多くが、PCのメモリ容量不足とブラウザの問題です。問題なく接続さえできれば、スムーズに会話をすることが可能ですので、各個人の不具合を前日ないしは当日の数時間前に確認しておく仕組みが必要だということを再認識しました。
参加企業さんからのご感想
「この時期の学生さんなので、就活にこだわらずざっくばらんに話ができるのは、お互いにとって有益だと感じました。オンラインのため、どうしても聞こえにくかったり、途中で接続が落ちてしまったり、という部分だけが、もどかしかったです。」
「初めての感覚で学生の本音も聴くことが出来た事。企業側も今後考えないといけない内容でした。特に女性の働き方は日本全体の課題でもありチャンスでもある部分なので様々な意見を受け入れる事が出来ました。」
「本音で語り合うというなら、もっと就活に寄せたテーマにして、人事は裏話を学生は不安や不満をぶっちゃけるような場にすると面白いのかなと。 飾らない人となりをお互い知り合うというなら、くだけたテーマでもいいと思うが、それでも学生は人事を意識して多少作ってしまうと思う。」
「他社企業の人事の方ともトークの場で初対面だったため、どちらが進行すればいいのかなど、オンラインの為、空気感がつかみづらい面がありました。」
「採用目的とするためには22卒である必要があるが、採用目的とせずに本当の意味で就活を考えていくには21卒以上が望ましいのではと感じた。参加企業の担当者の方々は想いもありすごく良かったので、ただの就活相談ではもったいない気もした。採用とは完璧に切り離してパラドックスさんだから出来ることがあると感じたし、企業も採用とは接続しなくても協力していくれるのではと感じた。その方が本音の議論になるのでは?」
参加学生さんからのご感想
「人事の方とフラットに話せた気がしました!」
「テーブルごとにテーマが分かれていて、そこを自由に移動しながらというシステムが非常にいいと思いました。」
「初めて出会うような仕事をしている企業さんとも出会うことができ、新たな発見ができてとても良かったです!」
「すごくラフな会だったので、人事の方も堅苦しい感じではなく本音で会話をしてくれていたのが伝わり、こちらも本音で会話ができて、普通の就活の場ではできない体験をすることができたと思う。」
「ハウリングが多々起きて、お話が聞こえない部分があった。」
「席を移動するタイミングが難しかった。」
「人事の方と話すときに、やっぱり一対一で話したいと感じました。 あとは、学生側も同じような課題を抱えてる人や全国の人と出会えるというのも、付加価値なので学生同士でも連絡先も交換したいと思った。」
今後、パラドックスでは、コロナ禍におけるオンラインかオフラインか、という選択という観点だけに注目するのではなく、こういった状況をせっかくの機会だと捉え、今まで「当たり前」とされてきた就職活動や採用のあり方を見直す機会を作っていきます。学生コミュニティ「Visions LOUNGE」の学生たちや、志ある企業の皆さまと共創しつつ、これからの就職活動あり方を探っていきます。