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トピックス2024.01.26

【心揺さぶるものと社会を繋げるART&LIFESTYLEカンファレンス2023 アフターレポート】

2023年、「誰もがアートを身近に楽しめる社会へ」を掲げアートのあるライフスタイルの普及活動を行う、一般社団法人アートのある暮らし協会が設立10周年を迎えました。

パラドックスはこれまで、アートのある暮らし協会の10周年に向けた理念の構築や、アート産業界と他業界を結ぶマッチングサービスのローンチ、そしてWEBカタログをはじめとした理念を象徴するクリエイティブ制作に伴走してきました。

その一環として、12月3日に同協会の10年という節目を記念し、東京都現代美術館MOT講堂にて「心揺さぶるものと社会を繋げるART&LIFESTYLEカンファレンス2023」開催いたしました。

テーマは「INNOVATION!」。

アートのある暮らし協会が発足してから10年、多様性を受け入れる社会の働きかけに伴いアートへの関心は飛躍的に高まっています。その中で、私たちの毎日をより豊かにする“アートのある暮らし”の輪をもっともっと日本に広げていくためにはどうすればいいのか。そして、アートをどのように生活に取り入れ、輪を広げていくべきか。アートを身近に届けるプロフェッショナルをパネリストとしてお呼びし、さまざまな角度からアートのこれからを語り合いました。

一般社団法人アートのある暮らし協会理事 枝澤 佳世氏
一般社団法人アートのある暮らし協会理事 枝澤 佳世氏

当日はアートの魅力をたくさんの人に届けたい!そしてもっとアートに出会いたい!という人で満員となった会場。アフターレポート前半では、集まった方々に向けてどのようなカンファレンスが行われたのかをご紹介していきます。

第1部 アートとビジネス
基調講演:山口 周 (独立研究者/著作家/パブリックスピーカー )

第1部では、アートとビジネスの関係性について山口氏よりご講演をいただきました。

物質的な需要が満たされた現代は、「役に立つ」より「意味がある」ことにプレミアムが支払われる時代になっていると山口氏は話します。顧客の困りごとを解決するだけでなく、顧客がまだニーズを自覚していないものを提供することにビジネスの価値が生まれていると。ではどのようにして、顧客が気づいていないニーズを紐解くことができるのか。そのために必要なのは、日本人が本来持っている「美意識」をビジネスに取り入れることだと山口氏は言います。最後は、ビジネスパーソンが今後どのようなものを生み出していくべきかという話で締め括られました。

「現代では、人々が価値を感じるものが変化しています。真に生きるに値すると思えるものに触れて、感動やワクワクした気持ちに出会える世界を求めている。その期待に応えるために、顧客の心を豊かにする「文化」を追求したビジネスをつくること。それが、豊かな社会を目指す私たちの仕事です。」

山口周氏
山口周氏

第2部 アートとライフスタイル 〜Innovation!〜
パネルディスカッション

前半 「心揺さぶるものとは」

パネリスト
山口 周(独立研究者/著作家/パブリックスピーカー)
:著書「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」ほか

片岡 鶴太郎 (俳優/画家)
:著書「老いては「好き」にしたがえ!」ほか

柴山 哲治 (実業家/遠州流茶道師範/膳所焼窯元陽炎園当主/サザビーズ日本法人代表取締役社⻑を経て、株式会社 AG ホールディングズ代表取締役)
:著書「「衣・食・住・アート」の日本を目指して」

ファシリテーター
枝澤 佳世(一般社団法人アートのある暮らし協会理事)

休憩を挟み、第2部前半はアート&ライフスタイルをテーマに Innovation を起こしたと話題の著者3名とともにスタート。

アートそのものの捉え方から始まり、アートのある生活を日本で広げていく方法などについて、パネルディスカッションを行いました。特に議論が活発に行われたのは、「アート」とは何かという点について。3名それぞれの視点から意見が交わされました。

片岡:アートは難しいものではなく、生活のなかのうるおいだと思います。自分の部屋でも洋服でも、差し色が欲しいと思ったところに、花や絵を飾ることもひとつのうるおいです。

片岡鶴太郎氏
片岡鶴太郎氏

柴山:アートとは多様性を許容するもの。自分の好きなものをもっと気軽に言ってもいい、他の人と異なって当たり前だという発想を与えてくれるものがアートだと思っています。

柴山 哲治氏
柴山 哲治氏

山口:そもそも生きること自体がとてもクリエイティブですよね。普段、自分が生きる空間をつくっていくことそのものが、あなたが主人公の総合芸術です。

山口周氏
山口周氏

後半  「アートをどう取り入れれば住宅がおもしろくなるのか?」

パネリスト
山本 豊津(株式会社東京画廊代表取締役社⻑/日本現代美術商協会顧問)
上原 牧子、吉岡 恭子、堂上 多麻美(アートライフスタイリスト)

後半は、現役アートライフスタイリスト3名の質問に、日本における現代アート界のキーパーソンである山本氏が回答していくというQ&A方式で進行しました。住空間にアートを取り入れることは、アートのある暮らしの実現のために重要な要素のひとつ。アートと人とのつなぎ方や、住宅でアートを楽しむ方法について、アートを届ける現場のリアルな話題をもとにディスカッションしました。

特に議論が盛り上がったのは、日本の住まいにおけるアートのあり方について。山本氏はアートを取り巻く状況についてこう話します。

山本:日本の住宅は柱で空間を仕切ることで生活の場所をつくっていたため、部屋の壁にものを飾るという文化はありませんでした。しかし時代が変わり、西洋と同じように壁で空間を分ける住宅が増えてきたため、住宅にアートを取り入れることへの関心が高まってきたのだと思います。アートを生活空間に取り入れたい、でもどのようにすればいいのかわからないという方は、部屋の中で一番神聖だと思う場所を自分なりに見つけ、そこにアートを飾ってみてください。

山本豊津氏
山本豊津氏

第3部 アートと社会を繋げる
ALSMAピッチイベント

第3部では、アートのある暮らし協会が手がけるアートマッチングプラットフォーム「ALSMA」のスタートにあたり、人々の暮らしにアートを届ける企業や自治体の取り組みを紹介するピッチイベントを開催。アートのある暮らしを届けたい方や、アートとの繋がりを探している方に向けて、37の団体がそれぞれの取り組みや想いを伝えました。

異業種交流会

カンファレンスが和やかな雰囲気で終了した後、同美術館内にあるファミリーレストラン「100本のスプーン」にて、異業種交流会がスタート。会場では「INNOVATION!」×「フードインスタレーション」をテーマに、フードアーティストの小山嶺子氏による、廃棄食材を使った体験型アートが行われました。

参加者のみなさまの声をご紹介

・私は普段、アートに関心のあるお客様へ暮らしに合ったアートをご提案する仕事をしています。今回のカンファレンスを通じて、相手の趣味性を理解するためには、まず自分の好みを知ることが大切なのだと改めて痛感しました。これからは、私自身の感性を通して、よりその人の暮らしに合ったアートを選び取れるよう頑張りたいです。

・私も片岡さんのように遅い年齢からアートに触れ始めたので、共感する部分が多かったです。アートだけでなくどんな楽しみでも、始めるのが遅いなんてことはなく、いつ始めてもいいのではないかと感じています。