株式会社パラドックス

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地域への変わらない想いを言語化。
各部署を巻き込み、
組織を中から進化させるブランディングプロジェクト。

CLIENT:BAN-BANネットワークス株式会社さま

  • インナーブランディング
  • 兵庫県

兵庫県加古川市にある、東播磨(加古川市・高砂市・稲美町・播磨町)を中心にケーブルテレビ事業等を展開するBAN-BANネットワークス株式会社。地域に密着した地元でも数少ないメディアの会社であり、エリア制・許可制のネット事業、かつインフラに近い事業を営んでいることから、地元で人気の高い企業のひとつです。

1課題

公共性の高い事業を行う企業としてスタートした歴史を持つがゆえに、定期的な経営者の交代のたびに経営方針が変わり、企業としてのアイデンティティが長らく不鮮明でした。そのため、「地域密着」というキーワードを持ちながらも、個人や部署間でその認識が異なるなど、社内での目線合わせも不十分でした。また、地元からの人気の厚い企業なので、一度入社すればその安心感・満足感で社員のモチベーションが低下してしまうという課題もありました。

2解決の方向性

パラドックスがお手伝いしたのは、理念策定のみならず、その後の各部署での理念浸透活動や、新理念を反映したロゴやブランドブック等各種ツールの制作およびリニューアル、そして組織コンサルティングを専門に行う、(株)人材研究所とのタッグで行なった組織診断とマネジメントコンピテンシーの策定などを含む、トータルブランディングです。2019年4月の番組編成のタイミングでの新理念リリースを見据え、Phase1: 理念策定→Phase2: リリースに向け各部署で行うことを社員自ら考えるセッション→Phase3: リリースに向けての各部署での作り込みや準備作業、という3段階でプランニングをしました。Phase2、Phase3を現場メンバーが主体となって行うことで、新理念のリリース準備自体が、理念の理解・実感・実践という浸透活動になるように設計されています。

 

①理念策定
②各部署でのリリース準備セッション
③社内SNS「Visions」導入
④組織診断・マネジネントコンピテンシー策定
⑤ロゴ開発・各種ツール制作

3取組

①BAN-BAN社員全員の目線をそろえる理念策定。

ミッション、ビジョン、バリュー、スピリットを策定。「地域密着」という言葉に頼って曖昧だった企業のアイデンティティを、社員全員の認識を統一できるよう明確に言語化しました。

▲言語化したミッション、ビジョン、バリュー、スピリット。

②新理念を意識し自分たちのものにする、各部署での準備セッション。

プロジェクトメンバーを中心に、2019年4月の理念のリリースに向けて、番組制作部門、営業部門、総務部門、技術部門など各部署ごとに取り組み内容を検討。例えば、番組制作部門であれば、新たな理念に紐づいた番組編成やCM制作、サウンドロゴなどを検討。営業部門であれば、新たな理念を反映したトークスクリプトを作成。委託しているコールセンタースタッフにも、理念を反映した接遇を依頼しました。

月1回パラドックスも交えて進捗確認や報告の場を設け、今後自走していけるようにお手伝いしました。

 

③新理念に触れる場、社内SNS「Visions」。

社内SNS「Visions」を導入し、全社員が新理念に触れる機会創出をしました。パラドックスはその利用状況をチェックし、新理念の浸透状況やプロジェクトへの影響を確認しました。

 

④細胞レベルで組織を進化させる、組織開発コンサルティング。

新理念の浸透と組織の活性化のため、組織診断を実施。その結果を受け、マネジメント力向上を重要視し、新理念を反映したマネジメントコンピテンシーの策定や、マネージャー研修を実施しました。ともすればハレーションが起きがちな、会社の変革において現場社員への影響も考慮し、現場向けの診断や、その結果を反映した自然な理念浸透を行いました。

 

⑤新理念を反映したロゴ開発・各種ツール制作。

地域からも愛されていた企業ロゴやサービスロゴを、要素は残しつつ新理念を反映した新しいイメージのものにリニューアルしました。また、ブランドブック、クレドカード、社内外の浸透用ポスター、スタッフジャンパーや中継車等もすべてリニューアル。外部委託している営業代理店やコールセンター、また社員のご家族様等にもブランドブック等を配り、社内外への新理念浸透に利用されています。

▲豊かな自然を表現したシンボルカラーのBAN-BAN BLUE、BAN-BANが地域に提供する「こころの通った情報」を意味するRED、播州の力強さ、地域の結束力をイメージしたBLACKが使用されています。

▲新ロゴをもとに、各種サービスロゴもリニューアル。

▲新理念やそこに秘められた想いを記したブランドブック。

4得られた成果

各部署で新理念に紐づいた事業戦略の地盤ができました。コンテンツ部隊は4月の番組編成に新たな理念の考え方を反映し、営業は新たに策定したバリューやスピリットをもとに部内で営業ポリシーを再言語化し、外部に委託している営業代理店にも定例会議で理念を伝えていたりと、各所で現場社員による主体的な取り組みが生まれています。また、新たな理念のお披露目となる3月末の地域交流会では、100名近くの地元の方が集まりました。理念浸透活動を通して、「人やまちがつながるネットワークをつくり、毎日のくらしを満たす。」というミッションが、着々と実現されています。

もともと、ステークホルダー向けに作ったブランドブックですが、それを見た社員の「自分の仕事の意義を家族にも伝えたい」という声から、社員の家族にも配布するようにしました。これまで、「なんとなく」存在していたアイデンティティと会社のミッションが言語化され、明確になったことで社員にも誇りが生まれました。