世の中には多くの企業やブランドがあります。その中には、ブランド名を聞くとそのロゴが浮かんでくる、反対にロゴを見るとその企業・ブランドだと認知できるものも多いですよね。
例えば、アップル、ナイキ、スターバックス。
*出典:Workship MAGAZINE(https://goworkship.com/magazine/apple-logo-history/)
(https://goworkship.com/magazine/nike_logo/)
(https://goworkship.com/magazine/starbucks-logo-history/)より
これらのロゴも世界中で認知されているもの。個性的で印象が強く、見ただけで企業名が思い出されます。
そしてこの記事をご覧になっている方の中には、自社の企業ロゴ・ブランドロゴを、このように強く印象に残したいと考えている方もきっといらっしゃいますよね。
この記事では、これまで数多くの企業のブランディングを担ってきたパラドックス(本メディアの運営会社)が考える、「いま、ロゴをつくるなら、どういう考え方を大事にすべきか」ということを中心に、ロゴについての基本的な知識から制作の進め方までをお伝えします。
今回は企業ロゴを想定してご説明しますが、基本的な考え方は商品やサービスのロゴでも同じ。今後ロゴをつくる際は、ぜひこれからお話しすることを参考に制作を進めてみてください。
1:ロゴとは
いまや当たり前に、どんなものにも個別のロゴがありますよね。企業に限らず、商品やサービスひとつずつにも、ロゴはつくられ使用されています。
しかしそもそも、ロゴとは何なのでしょうか。そしてロゴをつくることに、一体どんな意味があるのでしょうか。
ここでは、そんなロゴの基礎知識を簡単にお話しします。
1-1:ロゴの歴史
ロゴ(logo)の正式名称はロゴタイプ(logotype)といい、ロゴマークは和製英語です。ロゴの起源は、古代メソポタミアで所有者を示すためなどに使われていた「円筒印章」と言われており、これは円筒を転がして、そこに描かれた模様を押印するものでした。
そして本来ロゴと似た意味を持つのが、「ブランド」という言葉。この由来は、牛などの家畜の識別のために焼印を押したこと(焼印を押す=brand)。この焼印もまたさまざまな形があり、その役割はロゴに通じるところがあります。
そして時代の変化とともに、ロゴは硬貨や家紋、ヨーロッパの紋章など、物や人が何であるかを表すアイデンティティとして使われてきました。
例えばアイルランド西岸のアラン諸島では昔から、日本の家紋の役割をセーターの柄で表していたそう。漁へ出る男性たちの安全や豊漁を願う意味を込めた柄を、各家庭が独自に組み合わせてセーターを編んでいたのです。その独自の模様は、水難事故で岸に打ち上げられた際などに、身元を特定するものとしても利用されていました。
1-2:ロゴの持つ役割
現代においてロゴは、ただそれが何であるかを表すアイデンティティ以外にも、役割を持つようになりました。それは、「品質保証の役割」や「意味を伝達する役割」。
例えば新型コロナウイルス感染拡大によって、さまざまなところでマスクが売られるようになった際。あまりに低品質なマスクが販売されていると話題になりました。
このとき、安心して購入できるマスクの証として広く知られるようになったのが、全国マスク工業会の会員マーク。
*出典:「全国マスク工業会会員」マークって何ですか?(https://www.azfit.co.jp/1558/)より
全国マスク工業会は、製造工場の衛生環境にルールを設けたり、試験方法を統一したりといった活動を行う業界団体。会員に認められた企業が製造するマスクには上記のロゴを掲載することができ、安心して購入できるマスクの証明になります。
そして「意味を伝達する役割」として代表的なのは、赤十字のマーク。
赤十字マークは、戦争や紛争などで傷ついた人びとと、その人たちを救護する軍の衛生部隊や赤十字の救護員・施設等を保護するためのマークです。
紛争地域等で「赤十字マーク」を掲げている病院や救護員などには、絶対に攻撃を加えてはならないと国際法や国内法で厳格に定められています。つまり、赤十字マークは、いざという時にわれわれ国民一人ひとりを守るマークなのです。
*出典:日本赤十字社HP(http://www.jrc.or.jp/about/mark/)より
これは、単に医療に関係する何かを表すものではなく、明確に世界中で意味を持つマークなのです。さらにこのマークが使用できるのは、赤十字社と法律等に基づいて認められた組織に限られています。
言葉が通じなくても、ロゴであれば世界中で通じる。ロゴで表すことには、こんな大きな意味もあるのです。
1-3:ロゴの種類と使用範囲の変化
そして現在。企業ロゴ・サービスロゴ・タイトルロゴなど、目的によってロゴはさまざまにつくられ、新しく何かをつくる際には必須のものとなっています。
デザイン業界の中ではロゴそのものの種類が細分化され、「ロゴタイプ」と言われる文字をデザインしたものと、「ロゴマーク(シンボルマーク)」と言われる図形中心のものとが、分けて使われています。以下のロゴのように、これらを組み合わせてデザインすることもあります。
*出典:石坂産業HP(https://ishizaka-group.co.jp/company/philosophy/)より
さらにロゴが一般的になってから数十年間、コミュニケーションの仕方も時代に合わせて変化する中で、ロゴの使い方や使用範囲も広がってきています。例えばリアルな商品やポスターだけではなく、パソコンやスマートフォンなど、どんなデバイスでもわかりやすいロゴが求められるようになってきました。
既に確固たる立ち位置がある世界的有名ブランドでさえ、そのデバイスに合わせてロゴを調整・変更しているのです。
2:デザイン性だけではNG!ロゴは企業理念から生み出す
このように多くのロゴがあふれる中で、改めてロゴのデザインを含めたあり方について、見直したいと考えている方もいますよね。
そんなとき、始めにご紹介したアップルやナイキのように、「とにかくシンプルでかっこいいロゴにしたい」と思う気持ちはよくわかります。しかし残念ながら、ロゴとはただかっこいいだけのものを掲げれば良いわけではありません。
もちろん、誰もが知る有名なロゴの中には、深い意味はなく、デザイン性だけを追求したものもあります。ただ、企業においてブランディングが重要視され、その商品やサービスにストーリーがあるかどうかまでを消費者が気にするいまの時代。
ロゴを新しく発表すれば、社内外から「なんでそのロゴにしたのか」に興味を持たれることは当然。その際の答えが「かっこいいから」では、とても納得してはもらえないでしょう。
例えば新進気鋭のアパレル企業が、企業理念に「かっこいいを極める」を掲げてロゴをつくるなら、とにかくかっこいいロゴをつくっても良いでしょう。そうでない限り、ロゴにはしっかりと意味を込めて制作することをおすすめします。
2-1:大切なのは、そのロゴで何を伝えたいか
ロゴに込める意味のもとにするのは、企業理念。その企業の思想や使命、志といった根本の考え方・あり方のことで、これを明確に言語化したものが企業理念やブランドストーリーです。
ロゴをつくるにあたっては、必ずしも企業理念が明確に言語化されている必要はありません。ただ、ロゴにどのような想いを込めるかを整理するプロセスは、企業理念を策定するプロセスとほぼ同じ。企業理念を策定してからロゴを制作する流れのほうが、理念に紐づいて納得感のあるロゴができるため、できれば先に企業理念をつくることをおすすめします。
企業理念をもとにしてロゴに意味を込めるといっても、企業理念が持つ内容をそのまま表現すると、ごちゃごちゃしたものになってしまいます。ここで重要なのは、そのロゴで何を伝えたいのかということ。そのロゴをつくることで、これから発信していく企業やブランドの何を伝え、何に共感してもらうのか。
このことを中心軸にした上で、どう見られたいのか、どう思ってほしいのかという要素を付け加えていくことが必要です。
パッと見てかっこいい、デザイン性のあるロゴも、興味を持って調べてみると、メッセージやストーリー、遊び心が隠されていることがありますよね。見た目だけでなく、意味を知ってもっと企業や商品を好きになってもらう。ロゴをつくることには、そんな目的もあるのです。
そしてしっかりと意味が込められ、共感を持てるロゴがあると、従業員もそのロゴに対して誇りを持つことができます。すると従業員はそのロゴに込められたストーリーの語り部となり、そこからお客さまや世の中にそのストーリーが広まっていくのです。
“見た目で“らしさ”を表現する「ビジュアルアイデンティティ」”
ちなみに、企業ロゴ・商品ロゴ・サービスロゴに関わらず、ロゴは企業において「ビジュアルアイデンティティ(VI)」と呼ばれるもののひとつ。これは見た目のイメージを統一することにより、そのブランドの“らしさ”を表現することを意味しています。
「自社のWebサイトやチラシ、パッケージデザインに統一感がない」と感じたことのある方は、一度以下の記事を読んでみてください。
2-2:ストーリーが込められた企業ロゴ4選
「ロゴに想いを込める」と言われても、なかなかイメージしづらいですよね。では実際に、想いが込められたロゴとそのストーリーを見てみましょう。
①ソフトバンク
シンプルな2本線と企業名から成る、ソフトバンクのロゴ。これは、「21世紀の海援隊旗」をテーマにつくられています。
孫正義氏が起業にあたって抱いた志は、坂本龍馬と彼の下に参集した人々が創った海援隊と通ずるものがありました。
50年、100年先の国のあり方を考え、そのビジョンの実現に向けて激動の時代を駆け抜ける一途な情熱。その想いに心からの共感と敬意を表して、海援隊旗をモチーフにしたそうです。
さらに、2本のラインは「=( イコール)」、「アンサー(ANSWER)」も意味しています。お客さま、そして世の中が抱えるさまざまな課題に対して「答え(アンサー)」を導き、解決を提供することを表しているのです。
*出典&ソフトバンクのロゴについての詳しい説明:ソフトバンクグループHP(https://group.softbank/philosophy/identity)
②石坂産業
産業廃棄物処理を主な事業とする、埼玉県の企業、石坂産業。「人と自然と技術が共生する、100年企業へ。」を理念に、再資源化など持続可能な社会に向けてさまざまな取り組みを行っています。
【I】(ISHIZAKAや私たち一人ひとり)から、【I】(私たち一人ひとり)へ。私たちの活動が、世界中の一人ひとりの行動へと波紋のように広がり、Greenな世界につながっていくことを願っています。
同社のロゴは、産業廃棄物処理という事業を表すものではなく、「今後の社会に対して石坂産業はこうありたい」という姿勢や願いが込められています。
*出典&石坂産業のロゴについての詳しい説明:石坂産業HP(https://ishizaka-group.co.jp/company/philosophy/)
③Chatwork
2018年にコーポレートミッションを「働くをもっと楽しく、創造的に」へと刷新し、それに伴ってロゴもリニューアルしたChatwork。
Chatworkのロゴマークは、チャットを表す4つのチャットバブル(吹き出し)で構成されています。
誰かがアイデアを思いついて発言すると、みんなが自然と集まってきて会話がはじまり、コラボレーションが生まれていく。そんな様子を、1つの黒いチャットバブルとそれに連なる3つの赤いチャットバブルが表現しています。
「働くをもっと楽しく、創造的に」という、Chatworkのコーポレートミッションを表しています。
さらにタイポグラフィーに丸みを持たせることで、Chatworkがビジネスコミュニケーションを円滑にすることを表現したり、「t」と「w」の斜めのラインを揃えて人と人とのつながりを表したり。
コーポレートミッションを最大限に込めつつ、見た目にも印象的なロゴへとつくり変えられました。
*出典&Chatworkのロゴについての詳しい説明:ChatworkHP(https://lp.chatwork.com/new-mission/)
④社会福祉法人南高愛隣会
障がい者の就業支援や居住支援などの取り組みを行う、南高愛隣会。
「OK!」に見えるそのロゴは、多様性や平等、挑戦を受け入れる姿勢など、さまざまな意味を込めてつくられています。
*参考:南高愛隣会のロゴムービー(https://youtu.be/TsxPQ2gB5DU)
3:ロゴデザインを考えるときの進め方
企業ロゴは企業理念から生み出すこと、そしてストーリーのあるロゴがどのようなものかわかったら、ロゴ制作に取り組むための心の準備は完了です。
ここからは実際に、制作へ取り組む手順をご説明します。
3-1:プロジェクトチームをつくる
まず始めに必要なのは、プロジェクトチームをつくること。これは企業理念を策定する場合でも同様です。
どの部門のどんな人であっても、たった一人でロゴをつくりあげることはできません。また誰かが一人でつくったロゴが、従業員全員の納得いくものになることは難しいでしょう。
チームをつくる際は、以下のポイントを参考にメンバーを集めます。
チームメンバーに起用するポイント
・ロゴ制作をとりまとめるプロジェクトマネージャー
・決定権を持つ人
・企業理念について深く理解している人
・デザイン知識がある人
・リリース後の自社浸透を担う人
これらの役割を担うメンバーが揃えば、決定が覆ったり、完成したロゴが企業に相応しくないなどの問題が発生することを防げるでしょう。
またどれだけ深い意味を込めたとしても、ロゴにはまずパッと見た際の印象が大切。特にデザインの知識があるメンバーは、必ず参加してもらうようにしましょう。
もしもそのようなメンバーが集まらない場合は、信頼できる制作会社やブランディングエージェンシーを頼ることも検討してみてください。
3-2:目的の整理をする
これまでご説明した通り、最も重要なことは見た目の部分ではありません。まずは、今回ロゴを制作する意味を整理しましょう。
ロゴ制作の目的を整理するポイント
・ロゴの新規作成/リニューアルの理由は何か
・どんなときに、どこで使用するロゴか
・どんな機能を果たすことを期待するか
上記のようなポイントを踏まえながら、ロゴをつくる目的を明確に設定します。
この目的をしっかりと整理して設定しておくと、途中で方向性がブレたり、選択肢に迷ったりするときの指針になります。
3-3:ロゴに込める想いを明確にする
ロゴ制作の指針がはっきりしたら、設定した目的に沿って、表現したいストーリーを考えていきます。
企業理念やブランドストーリー、起業時の想いなどを中心にして、実際のデザインが満たすべき条件を詰めていきます。
込める想いを整理するポイント
・表現したいストーリーはどのようなものか
・見た人にどのような印象を与えたいか
・必ず入れたい想いのあるモチーフは何か
表現したいストーリーについては、これまでの企業についてだけではなく、将来的になりたい姿やあるべき姿についても考えましょう。
実際に作業を行うデザイナーは、ここで決めた条件をもとにデザインをします。
このときの条件を曖昧にせず、明確にまとめておくと、デザインを行う際のすれ違いが生まれにくくなります。
3-4:デザインアイデア出し・実制作
何を表現するか定まったら、いよいよデザインにおけるアイデア出しです。この工程では基本的に、デザイナーを中心に進めていきましょう。
※この工程には必ずデザイナーが必要です。
漠然としたアイデアやよくあるモチーフを、意図する通りの表現へ落とし込むのは、プロだからこそなせる技。
知識のないメンバーだけでデザインを決め、データ化だけを外部に依頼するようなつくり方はおすすめしません。
デザインをする上で、ロゴの印象を大きく左右するのは、色と形です。
その際に参考にするのは、企業のパーソナリティに紐づく色や文字のフォント、ビジュアルイメージなど。青と赤、丸と四角では、当然それ自体が持つイメージや、見る人に与える印象が大きく変わります。それぞれの色や形に、表現したい意図を持たせてデザインを考えましょう。
ただしその際、注意していただきたいポイントが3つあります。
ロゴをデザインする上での注意点
・要素を詰め込みすぎない
想いを込めすぎて、絵画のようになっては何も伝わりません。
表現したいことは守りつつ、いかにシャープにできるかは、デザイナーとしっかり相談しましょう。
・最初に方向性を絞りすぎない
アイデア出しの段階から「色は絶対に白!」「形は四角をベースに!」などと方向性を決めすぎると、可能性を狭めてしまいます。
複数の案を検討しながらこれだというものをみんなで探り、ロゴへの納得感を持つことも、完成後の浸透のために大切なプロセスです。
・意図しない類似ロゴに注意
世の中にこれだけ多くの企業やブランドがあれば、意図せず既存のものに似たデザインが思い浮かぶことがあっても仕方ありません。
アイデア出しから決定までには、似たようなデザインがないか、よく確認するようにしましょう。
類似のロゴがあるかどうかは、特許庁が紹介している「Graphic Image Park」やGoogle画像検索、他にもさまざまなツールで確認できます。
・画像意匠公報検索支援ツール「Graphic Image Park」
https://www.graphic-image.inpit.go.jp/
・Google画像検索
https://www.google.co.jp/imghp
アイデアがまとまったら、デザインの制作に入ります。これはもちろんデザイナーにお任せ。
できあがった実際のデザインを見て、気になるポイントなどを改めて洗い出し、修正する作業を繰り返します。ここで改めて、似たようなアイデアがないか、当初の目的から逸れていないかを確認しましょう。
なお、実制作に関して、詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
「らしさ」を瞬間で伝えるビジュアルアイデンティティ(VI)の基礎知識
3-5:ガイドラインの作成
ロゴデザインが完成しても、すぐに使用を開始して良いわけではありません。
社内外問わず、ロゴが意図しない用途で使われたり、イメージを損なうような改変をされたりしないように、ガイドラインを定めることは非常に大切です。
ガイドラインは必ずしも外部に公開する必要はありませんが、ここでは参考のためにガイドラインを公開している2社をご紹介します。
両者ともいくつかのロゴのバリエーションを用意すると共に、してもよい改変と禁止することを明記しています。
・Chatworkブランドガイドライン
https://s3.amazonaws.com/ec-commonassets/site/chatwork/documents/chatwork_brand_guidelines.pdf
・Twitterブランドガイドライン
https://about.twitter.com/content/dam/about-twitter/company/brand-resources/en_us/Twitter_Brand_Guidelines_V2_0.pdf
4:まだ終わりじゃない!ロゴができたらやるべきこと
ロゴが完成したら、それで終わり!ではありません。発表の仕方とその後の運用次第で、ロゴの浸透や効果は大きく変わります。
失敗してしまうと、長い時間と労力をかけてつくったロゴの意味がなくなってしまうため、ここはしっかりと抑えておきましょう。
4-1:ストーリーと併せて発表する
ロゴが完成したら、そのことを従業員、そして世の中へと発表する必要があります。ロゴに込めた想いやストーリーと一緒に、新しいロゴを発表しましょう。
ロゴの制作や変更には時間もお金もかかりますから、なぜそれをかけてまでつくったのか、そこにどのような想いがあるのかを説明するためです。これによって、従業員も企業のファンも納得感を持ってロゴを受け入れることができます。
特にこれまでのロゴをリニューアルする際には、このリリース時の説明が非常に重要。もし今のロゴが充分に受け入れられ、愛されている場合、反感を買ってしまうこともあるからです。
企業がこれまで歩んできたストーリーを汲んだものになっていることや、今後企業がより進化していくために必要なことであると、理由を持って説明しましょう。
4-2:ガイドラインに従って運用する
ロゴの実用を開始したら、大切なのは、前述した通りガイドラインをしっかりと守ること。勝手に色や配置を変更したり、装飾を追加したりしては、せっかく込めた意味がブレてしまいます。
筆者が過去に取材したとある企業では、ロゴをリニューアルした際に厳しくガイドラインを設定。
社内のみで使用する資料や企画書であっても、デザイン統括部門の承諾を得ないとロゴが使用できないルールにしました。その結果、企業のブランドイメージが統一された上、ロゴへの希少性がうまれ、社内外問わず、ロゴがついているもの自体が喜ばれるようになったそうです。
企業ロゴは、その企業の顔となるもの。統一された印象を社内外に持ってもらうことで、ようやくブランディングに大きな意味を持たせることができます。
せっかくつくったロゴの価値を薄めないためにも、ガイドラインはしっかりと守って運用しましょう。
5:最後に
企業やブランドの顔になるロゴは、一度決めるとそう簡単に変更できるものではありません。ブランディングにおいて重要な役割を果たすものですから、少々面倒なことや難しい部分があっても、納得いくまでやり抜くことをおすすめします。
と、ここまでボリュームたっぷりにさまざまなことをお伝えしましたが、最も大切なことは“ロゴは企業理念や会社のストーリーに基づいてつくる”こと。
これからロゴをつくりたい、リニューアルしたいとお考えのみなさんは、とにかくそれだけを忘れないでいただけると幸いです。
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