ブランドロイヤリティとは?測定方法や高めるための具体例まで徹底解説

近年、ビジネス戦略の一環として、ブランドロイヤリティの向上に注力する企業が増えてきています。

ブランドロイヤリティを高めることは、事業の拡大や利益の拡大など企業にとってのメリットが非常に多いのです。

この記事では「ブランドイメージを確立し、同業他社との差別化を図りたい」「商品・サービスの単価をあげたい」「解約率を下げたい」などをお考えのマーケティング担当者の方に向けて、ブランドロイヤリティについて概要から具体的な施策例まで詳しく解説していきます。

1:ブランドロイヤリティとは?

ブランドロイヤリティとは、ブランドに対する忠誠度、愛着です。

例えば口紅はA社の販売している口紅が好きで、他に似た色の口紅があっても使い切るたびに同じA社の口紅を購入していると言う人は、ブランドロイヤリティの高い顧客と言えます。

このように類似品や類似サービスがあっても特定のブランドのみを選びたいというこだわりにある顧客が多いブランドは、ブランドロイヤリティが高いといえます。

1-1:ブランドロイヤリティと顧客満足度の違い

顧客満足度はそのサービスや商品に満足しているかどうかの指標です。

充分以上に満足させられていないと、他のブランドではなくそのブランドを選び続けたい、贔屓にしたいと思わないので、ブランドロイヤリティが高いブランドは、顧客満足度も高いでしょう。

ですが逆に顧客満足度が高ければブランドロイヤリティも高いとは限りません。

この商品は不満もなく気に入ってるけれどそれじゃないとダメというわけではなく、他社にも似たようないい商品があるなら、条件次第でその商品を選ぶという人も多いでしょう。

顧客満足度はブランドロイヤリティの前提の一つにすぎません。

1-2:ブランドロイヤリティと顧客ロイヤリティの違い

ブランドロイヤリティは、顧客ロイヤリティや顧客満足度と似ていますが、それぞれ微妙に意味が違います。

ブランドロイヤリティと顧客ロイヤリティの違いは、何に対して忠誠心や愛着を向けているかの違いです。

ブランドロイヤリティは特定の商品シリーズやサービスに対する忠誠心ですが、顧客ロイヤリティはそれを提供している会社への忠誠心を指します。

顧客満足度は企業に対してではなく、商品やサービスに満足をしているかを示す指標です。

 

ブランドロイヤリティと顧客ロイヤリティ、顧客満足度の違い

 ブランドロイヤリティ 特定のブランドに対する忠誠心を示す指標
 顧客ロイヤリティ ブランドを提供する企業に対する忠誠心を示す指標
 顧客満足度 顧客が商品やサービスに満足しているかを示す指標

 

れらは別物ではありますが、相互に影響しあう関係でもあります。

お気に入りのブランドを提供している会社だから気に入ることもありますし、その会社の商品だから新商品も良いものだろうと期待する人も多いでしょう。

逆に最低限のブランドロイヤリティがなければ顧客ロイヤリティは生まれず、逆もまた然りです。

 

1-3:ブランドロイヤリティを向上させるメリット

具体的にブランドロイヤリティを向上させるメリットは、顧客満足度や顧客ロイヤリティと似ています。

このメリットの共通点の多さも、顧客満足度・顧客ロイヤリティとブランドロイヤリティの違いがわかりにくい原因です。

1-3-1:顧客単価の上昇

気に入った商品を提供している会社があれば、他の商品も試してみたい、購入してみたいという方も多いでしょう。

例えば、iPhoneを利用して気に入った場合には、MacやApple Watchも利用してみようかな、と考える方も多くなります。

またブランド品を使い続ける上で利便性を上げる関連商品や、ブランド品をケアするための道具もまとめて購入するなど、ブランドロイヤリティが高まると顧客単価の上昇が見込めます

ブランドロイヤリティと顧客ロイヤリティは別物ですが、ブランドロイヤリティの高さが他の商品への興味を引き、それが最終的にそれらのブランドを生み出し続ける企業に対する顧客ロイヤリティへと繋がるケースは少なくありません。

1-3-2:広告費の削減

ブランドロイヤリティが高い相手は、黙っていてもそれを購入し続けてくれるので、そのブランドの宣伝をする必要がなくなります。

ブランドロイヤリティが同社の商品に対する興味の入り口となることも多いので、少ない回数の紹介でも充分な興味を引きやすくなり、無駄にコストを掛けて宣伝する必要もなくなります。

また気に入ったものは他の人にも知ってもらいたい、他の人にも気に入ってほしいと考える方も多く、顧客が自発的に周囲の人やSNSに宣伝してくれる可能性も出てくるでしょう。

このように口コミやSNSで宣伝してもらうことによって、企業のCPA(新規顧客獲得コスト)を下げる事ができるようになります。

 信頼できる知人や友人のポジティブな口コミが広がることで、広告掲載費用をかけずに新規顧客と会うことでき、結果的にCPAが下がることにつながるという訳です。

1-3-3:リピーターの増加・解約率の低下

そのブランドへの愛着が強ければ、当然買い替えが必要になったら同じものを購入しようとしますし、そのサービスを解約しようとは思わなくなります。

そのためブランドロイヤリティの向上を図っていれば、自ずとリピーターは増えますし、解約率も低下するでしょう。

顧客と取引を開始してから終了するまでの間に、自社にどれだけ利益をもたらしたかというのは、LTV(顧客生涯価値)の指標で数値化が可能です。

LTVは顧客の購買単価をあげること、購買頻度を高めること、契約期間を長期化することで向上させることができます。

なのでブランドロイヤリティを高めれば同業他社に顧客を奪われる心配がなくなりますし、継続的で安定した利益を得やすくなるため、LTVの向上も図ることができるでしょう。

2:顧客ロイヤリティの指標・KPI

ブランドロイヤリティの向上を図るとしても、指標がなければ向上策がうまく行っているかどうかもわかりません。

これらの指標・KPIを意識し、対策がうまく行っているかどうかを確認しながら、向上を図りましょう。

2-1:NPS

NPS(ネットプロモータースコア)はそれを他の人に紹介したいかどうかの指標です。

「この商品・サービスを知人に紹介したいと思いますか?」と0から11の段階で返答できるアンケートをとり、その紹介したい・あるいはしたくない人の割合を計算することで、目に見える数字にすることができます。

NPSは単純にそれをオススメしたいと言う人の割合だけでなく、そこから全く紹介したいと思わない人を引いた数がNPSとなります。

これまで多くの企業は顧客満足度を図る「CS調査」を行ってきましたが、この顧客満足度は必ずしも実際の再購入や購買金額の増加にはつながらないことが分かってきました。

NPSが向上すれば、批判者が減り、他の人に勧めたいと思っている推奨者が増えることを意味しますので、ポジティブな口コミが多くなる、再購入・継続購入が増えるなどの企業にとって良い影響を及ぼします。

定期的にアンケートを取り、その数値を記録していくことで、過去と比べてそのブランドへの認識がどう推移しているかを確認しやすくなるため、欧米では公開企業の3分の1以上がNPSの調査を行っています。

2-2:DWB

DWBは「Definitely Would Buy」の頭文字を取った言葉で、実際にその商品を購入したいかどうかの指標です。

これもNPSと同じく、消費者に対して「絶対に買いたい」・「買いたい」・「どちらでもない」・「あまり買いたくない」・「全く買いたくない」の5段階でアンケートを取りその中で最高評価にした人の割合が、ブランドロイヤリティの評価となります。

DWBの数値は商品開発においても重要であり、そのために既にアンケート調査をしている企業もあるでしょう。

NPSもそうですが、これらの指標はブランドロイヤリティ以外のKPIとしても役立つ指標なので、利用者アンケートを取るならまずは実際にその商品を購入したいかどうかを調査しておき、多角的に利用することが求められます。

 

3:ブランドロイヤリティの高め方

メリットと測り方を知っていても高め方を知らなければ、ブランドロイヤリティを活かすことはできません。

ブランドロイヤリティの高め方には、いくつかの方法があります。

  • ブランドへの愛着や親近感を高める
  • ユーザーコミュニティを形成する
  • 消費者のニーズにあった商品やサービスを提供する
  • 自社が選ばれる理由を把握し強みを最大限に活かす

各項目について、具体的な手法も一緒に解説いたします。

3-1:ブランドへの愛着や親近感を創出する

これまで何度も愛着と言う単語を使ってきたことからわかるように、ブランドに対する愛着こそがブランドロイヤリティの基礎です。

そのためブランドロイヤリティを高めるには、どうすればそのブランドへの愛着を持ってもらえるかが重要であり、その鍵は親近感にあります。

具体的に顧客に愛着や親近感を高める手法として、1番にあげられるのは丁寧な接客サポートです。

CS(カスタマーサービス)やその先にあるCX(カスタマーエクスペリエンス)といったキーワードもある様に、どうやって顧客満足を高め、ブランドロイヤリティにつなげるかにさまざまな企業が心血を注いでいます。

使い方の疑問や問題発生時にフォローを受けられるなら安心して使い続けられるという信頼が生まれますし、きめ細やかなサポートは、ブランドロイヤリティの前提とも言える顧客満足度にもつながります。

そのほかにも、サイトやアプリを作成する際にゲームのような面白さを入れる「ゲーミフィケーション」という手法も、ブランドへの親近感を高めることに効果的です。 

例えばサイトログインで割引に使えるポイント付与をするロイヤルプログラムを実施する場合、ただ一定ポイントが自動で付与されるより、付与されるポイントの期待値が同じでも、3つの選択肢の中からあたりを選ぶと通常より多くのポイントが貰えるという演出にしたほうが、顧客に面白いと感じてもらえるはずです。

その他の手法としては、ロイヤルプログラムなどが挙げられます。年会費を払うことによって送料が無料になる、会員限定のサービスが受けられるなど、他社との違いを生み出し、ブランドを利用し続ける理由や、その理由を作るための対策ができます。

これらのような手法を利用することで、顧客の日常にブランドが入り込みやすくなり、利用機会も増え、ブランドへの愛着を育みます。

3-2:ユーザーコミュニティを形成する

会社とユーザーの繋がりだけでなく、ユーザーと別のユーザーとが繋がるコミュニティを形成することも、ブランドロイヤリティの向上に繋がります。

ブランドロイヤリティの高いユーザーがそのコミュニティ内でその商品の良さを紹介したり、より良い利用方法を紹介してくれれば、それを見たロイヤリティの高くないユーザーが感化されたり、不満が解消された結果、以前よりもブランドを気に入る可能性もあるでしょう。

具体的なユーザーコミュニティの形成の手法としては、SNSやインターネット上で商品に関する不満や利用方法を募集することや、実際にユーザーにインタビューをし、それをもとに開発をすすめ、定期的にリアクションをすることが挙げられます。

ユーザー同士のやり取りであれば、宣伝などのように抵抗感を覚えられる心配がなく、自然にブランドロイヤリティを高められるという魅力があります。

3-3:消費者のニーズにあった商品やサービスを提供する

当たり前ですが、消費者が何を求めているかを分析し、そのニーズにあった商品やサービスを提供することは、ブランドロイヤリティの向上に必須です。

さまざまな優れた利点を持った商品であったとしても、それが消費者のニーズと噛み合っていなければ、それを使い続けたいとは思ってもらえません。

そのため、前述したようにSNSへの投稿やコミュニティ形成を行うことで、顧客の生の声を集め、それをもとにアクションを行うことで、商品やサービスは消費者のニーズにあったものになっていくでしょう。

また、具体的な手法として商品やサービスのシリーズ化も挙げられます。既存の商品はそのままに、ユーザーの声を反映したシリーズの新商品を出すことで、さまざまな消費者のニーズに応えることができます。

今まで確保した顧客を維持しつつ、不満の残っているユーザーも、新たなファンとして確保することが可能です。

ブランドロイヤリティを高めるには何らかの独自性は必要になりますが、まずニーズを満たしていなければその独自性は見られることすらないと思っていいでしょう。

まずは消費者のニーズを満たし、その上でそのブランドならではの魅力を用意することが、ブランドロイヤリティを高める第一歩と言えます。

4:ブランドロイヤリティ向上の成功事例

色々と説明しましたが、実際どれほどの効果があるのかは、成功事例を見るのが一番でしょう。

ブランドロイヤリティをあげる施策は、ほとんど企業では取り組まれており、その中からいくつかの成功事例をピックアップしました。

4-1:ウォルマート

ウォルマートはアメリカ発祥の、世界最大のスーパーマーケットチェーンです。

ウォルマートは購入頻度の高い食料や日用品の販売が主力ですが、配送料がオンライン客が伸び悩むネックになっていることに注目しました。

そこで月額・年額料金を払うと送料が無料になる「Delivery Unlimited」というサービスを開始。

これにより年中いつでも手軽に食料と日用品を購入できるマーケットとしてのブランドへとブランドイメージが改善し、多くのお店がセールを行うホリデーシーズンでも、多数の人が真っ先にこぞって利用する企業になりました。

4-2:スターバックス

スターバックスはロイヤリティプログラムの中でも利便性に特化したプログラムで成功を収めた事例です。

スターバックスでは利用してもらう機会を最大限に増やすために、専用のアプリを作成しました。容易な店舗検索、チャージも支払いも簡単なプリペイドカード、レジ待ちが不要になる事前注文と、とにかく利便性に特化し、スターバックスでコーヒーを楽しみやすくするためのアプリです。

また、購入のたびにスターが獲得できる仕掛けになっており、ゲーミフィケーションもしっかりと取り入れています。

この結果スターバックスはコーヒーを愛する人達へ、より簡単により満足度が高くコーヒーを出せるお店となり、多くのコーヒー愛好家にとってなくてはならないブランドとなっています。

スターバックスのコーポレートブランディングについては、こちらの記事も参考にしてください。
真の理念経営を実践する、スターバックスの強さ。

4-3:Lululemonの事例

フィットネス用の衣類を販売するLululemonは、2018年にロイヤリティプログラムとして年会費128ドルを払うと、パンツまたはショーツをプレゼントし、フィットネスクラスへの参加権と送料無料のサービスを受けることができるサービスを始めました。

Lululemonの商品の価格はほとんどが100ドルを超えるため、会員はすぐに元を取ることができる事や、フィットネスとファッションを融合させた体験を会員に提供したことで、年末年始などの買い物を促進し、売り上げを大幅に引き上げることに成功しました。

 

まとめ

どのようにブランドロイヤリティを獲得しどのようなブランドを確立するべきかは、企業や提供しているものにも左右されます。

まずは既存の顧客から情報を集めて分析し、現在のブランドロイヤリティ状況と、現状なにがブランドロイヤリティを獲得しているかを把握して、そこからどう発展させるかを考えるべきでしょう。

また、ブランドロイヤリティは、ただその商品・サービスに魅力を感じているだけでなく、その企業のミッション・ビジョンに強い共感を持った消費者=ブランドパートナーによって形づくられます。

ブランドロイヤリティ向上のためにはまず「自社のあり方や理想像」をしっかりと描き、それをミッションやビジョンという形で言語化をする。その上で、徹底してミッションやビジョンに沿った形ですべての判断をしながら、ファンを作っていくことが最初の一歩です。

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