コミュニケーションを活性化!発刊が心待ちにされる社内報のつくり方

最近、会社でその価値が見直され、復活している文化の一つに社内報があります。しかし、いざ社内報担当になった際に、「何をすればいいのか…」と頭を抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

「一生懸命つくったにも関わらず、読まれずしまわれてしまうかも…」という心配もあるかもしれません。

「つくること自体が目的になっていて、なんのための社内報なのかを、おざなりにしてしまっている…」という方もいるかもしません。

そんな様々なお悩みを抱えている社内報のご担当者のみなさまへ。今回は社内報に関して、そのメリットと最適な制作フローなどをご紹介していきます。

ただ言われたとおりの社内報をつくるだけでなく、社員に愛してもらい、社内のコミュニケーション課題を解決する。そして、何より発行を楽しみにしてもらえるような社内報とは、どうあるべきかを一緒に考えていきましょう。

この記事で得られる社内報に関する情報はこんなこと

・社内報はどんな課題を解決するためのツールなのか

・社内報をつくるならどのようなことを意識するべきか

・実際に社内報を上手に活用している企業の事例

・実際のつくり方・運用のモデル

・うちは紙の社内報じゃないかも…? となった際には

1:社内報は組織をつなぐコミュニケーションツール

簡単に言うならば、社内報の第一の目的は、縦割りの部署をこえて、社内のコミュニケーションを活発にすることです。だからコミュニケーションの課題に対する施策として、最近よく使われているのです。

1-1:コミュニケーション活性や文化の醸成はビジネスに影響する

たとえば、「隣の部署がどんな仕事をやっているかに興味がない人がほとんどで、社内の協業が難しくなっている。」「本社と支社で違う会社みたいに雰囲気が違ってしまっている。」「企業理念の解釈がバラバラで全然伝わっていない。」このようなコミュニケーション不足が一因だと考えられる課題の解決に、社内報が寄与します。

社内報がコミュニケーション課題の解決なんてちょっと大げさ……と思われるかもしれません。しかし社内のコミュニケーション、ひいては社内文化をしっかりとつくっていけば、社員の意識が変わり、マネジメントが変わり、それが結局は事業の成功や売上にも影響する。最近では「ビジネスモデル」と対になる「カルチャーモデル」という言葉もあり、コミュニケーションや社内文化を整えていくことへ注目が集まっています。

もちろんそういった大義だけでなく、「仲良しの○○さんが社内報で取り上げられてたね!」なんてちょっとした会話のきっかけをつくれるだけでも、社内報の十分な意義ですよ。社内のメンバーだけでなく、取引先へ渡したり、採用活動の中で学生の方に配ったりすることで、内部の目線から企業のことを知ってもらうという副次的な効果を狙った使い方もする企業も、最近では多く見られます。

1-2:社内報はこんな企業の課題に効く

こんな企業にはとくに社内報が、課題解決の手段としてオススメ!という例を3つほどご紹介します。

・拠点同士でコミュニケーションができていない
まずは、本社と支社の間でコミュニケーションが不足しているなど、拠点に壁があると感じられる組織。本社に人数が多いととくに、支社が疎外感を感じるパターンがあります。
・組織の大きさゆえに会社理解が進んでいない
会社の規模が大きくなり、様々な事業が生まれるにつれて、どんな人がいるのか、会社がどんな事業をしているのか、理解がされづらくなるものです。社内で動いているプロジェクトが知られていない、隣の部署への関心がない、など社内理解を促進するべき課題が見られるでしょう。
・理念が浸透していない
理念策定をしてはいいものの、コミュニケーション不足により浸透が不十分、とう組織もあるでしょう。会社そのものがどういう方向を向いているのか、メンバーに理解されていないケースです。

社内報が“効く”のは、こういったコミュニケーション不足ゆえの課題です。

1-3:社内報じゃない方がいい場合もある

紙の社内報は比較的、大企業&時間をかけてコンテンツをつくることができる場合の施策として適しています。逆に、少人数の組織&即時の情報共有の方が有効である場合は、紙の社内報以外の選択肢も検討すべきかもしれません。

たとえば、お互いの顔がわかるレベルの組織で「こんな人がいますよ」というコンテンツは不要ですよね。社内SNSで日報を共有するなど、別の手段でコミュニケーションをとっている組織もあります。

社内報が有効な施策である一方、それが最適かどうかは組織によるので、自分たちにはどんなことが必要だろうかと考えてみることも必要です。もちろん、課題に対するアプローチは択一ではありません。社内報と他の何かを併用する企業も、多くあります。

社内報以外の手段については、改めて4章でも触れていきます。

2:社内報製作・運用に関する6つのポイント

では早速、社内報をつくってみよう!…・・・となる前に、意識するべきことを確認します。これを考えの軸とするだけで、効果は格段に変わってくるはずです。

社内報をつくるときのポイント

①理念との整合性をとろう

②企業の風土に合わせよう

③「読まれない前提」を意識しよう

④読み手を巻き込もう

⑤時勢を考慮しよう

⑥現実的な運用計画をたてよう

①理念との整合性をとろう

理念から大きく外れたメッセージを発信してしまうと社内報として意味がありません。理念との整合性は、社内報といえど(社内報だからこそ!)大事なのです。

それは、社内報をつうじて理念浸透を行えるという効果もあるからです。社内報はミッションやビジョンだけでなく、もう少し日々の仕事に活かしやすいクレド(行動指針)をテーマにするとやりやすいかもしれません。

たとえばクレドと合致する社員のエピソードを紹介する、クレドに則った行動をして何か成功した人のインタビューを掲載する、などはよく行われる手法としてオススメです。テーマが理念だけだと、話が抽象的になってしまいがちなのですが、クレドを意識すると具体的なコンテンツを考えやすくなります。

企業の風土に合わせよう

ターゲットが社内のメンバーであり、明確なのは社内報の利点です。最大限活用したいところ。極端な話、目的によっては、内輪ネタでもいいということなんです。社内の雰囲気に合わせて楽しくなるコンテンツを考えてみると、やりやすいはずです。

プライベートを共有するのが好きな組織なら社員の家族や子どもの話を入れたり、学ぶ意欲が強い会社なら、勉強になる・役に立つコンテンツを入れるなども、いいかもしれません。

「読まれない前提」を意識しよう

②でターゲットを絞れるため内輪ネタでもOKとご紹介したものの、「読みたくなるか?」の視点は忘れてはいけないことです。基本的には「読まれない」という前提で工夫を凝らしてみましょう。世界観をつくりあげるのが大事です。

あくまで、社内報はコミュニケーションツールです。業務連絡用イントラネットのように、労務情報が必要な時に、年数回だけ見にいくものではなく、発刊を心待ちにされ、次も読みたくさせなければなりません。

よくあるものとしてはクイズを盛り込むなど、ちょっと興味をひくものを入れるだけでも効果はあります。名物コンテンツになるような連載企画なども考えてみましょう。

読み手を巻き込もう

③とも関連しますが、読みたくなる工夫のひとつとして、自分ごとにできるコンテンツであることが重要です。つくる人と読む人を完全に分けるのではなく、読む側の社員をどんどん巻き込むこと。コミュニケーションを一方向にしないことが大切です。

社員のアンケートをコンテンツにしたり、幅広く社員インタビューを行うのもやりやすい方法としては有効となります。

⑤時勢を考慮しよう

基本的に社内報は定期的に発行するもの。発刊する「そのとき」を意識するのが大事です。

世の中のニュースで社内メンバーの興味がありそうなものは取り上げてみるのもいいかもしれません。コロナ禍でリモートワークについて掘り下げてみたり、オリンピックに合わせてスポーツとビジネスを絡めたコンテンツを掲載する企業もあります。

現実的に運用計画をたてよう

本当にそれ、続けられそう?と問いかけながら、計画をたてましょう。社内報は、1回、2回で終わるものではありません。社内でリソースをさけるか、予算をかけられるかの検討は必須です。現実的なラインで、発行頻度やページ数コンテンツ内容を考えていきましょう。

もちろん、社内だけでリソースやスキルが足りなければ外注するのもひとつの手段です。取材やライティング、デザイン、写真。プロに外注することで、クオリティは上がります。

ただし、ずっと外注&全て丸投げ、というのはオススメできません。そうなってしまうと、組織として大事にすることや解決したい課題がぶれてきてしまうから。

外注するとしても、テーマだけは社内で決める。あるいは、最終的に社内で作ることができるよう、ノウハウの共有も含める形で外注をお願いする、といったことを意識してみてください。

コラム:社内報アワードについて

社内報、どうせつくるなら社内外から評価されたいですよね。じつは社内報にも、全国的なコンクールのようなものがあります。それが、社内報アワード。2002年に始まり、いまでは多くの団体・企業が参加するものとなりました。

 

たんに受賞すれば知名度を得られるだけのものではなく、内容に関するフィードバックが得られるのが、参加する大きなメリット。他の企業がどのような取り組みを行っているのか、自社の改善点はどこか、考えるひとつの機会として、応募してみることもオススメしています。

 

※社内報アワードについて詳しくはこちらから

3:社内報の事例、2つをご紹介

なんとなく概要はわかった!……となれば、次は具体的な事例で理解してみましょう。これまでパラドックスがお手伝いさせていただいた、2つの企業における、社内報の事例をご紹介します。

どんな課題・背景があって、どのようなアプローチを行ったか、を意識しながら見ていくと、「これはうちの会社に近いから真似できそう」「これは必要ないかもな」と考えていくヒントになるはずです。

3-1:パーソルホールディングス 「ツナぐ」

パーソルホールディングスは、テンプスタッフやdodaなど人材サービスを中心に、人と組織にかかわる様々な事業を展開しているパーソルグループの持株会社。こちらのニーズ・課題は明確で、国内グループ社員が約4万人と規模が大きくなったがゆえ、社内の取り組みやどんな社員がいるのか、メンバーでも知らないことが増えているのが、大きな課題となっていました。

規模が大きいから仕方ない……、と一人ひとりがバラバラに日々の仕事だけをするのではなく、グループの総合力やそこから成し遂げられることの可能性を知ってほしいとの想いから生まれた社内報です。お客様からは、社内だけでなく、社外の人が読んでも楽しめるものとするのも、ひとつ重要なご要望でした。

そこで、「SDGs」「Well-being」など、時勢も意識しながらビジョンに紐づいたグループの重点テーマを掘り下げ、自分ごと化しやすいよう、メンバーを巻きこんだ内容のコンテンツを制作しています。(ポイント①④⑤)また、グループ内の様々なメンバーにフォーカスを当て、小説タッチでその人のビジョンの体現を描く連載企画が人気を博しています(ポイント③)。

こちらの社内報は、2019年社内報アワードを受賞。たんなる社内の情報共有を越え、読み手の視野が広がる内容は社内でも評判がよく、社外からも高い評価が届いています。

パーソルホールディングスの場合は、社外への情報発信も兼ねていたため、個人情報を記載しないことや、幅広い読者を考慮し誰も傷つかない企画内容などを強く意識したつくりとなっています。

3-2:田中衡機工業所 「めもりィ」

計量・計測のトータルソリューションを掲げる、田中衡機工業所田中衡機工業所においても、拠点の多さ、社員の多さがコミュニケーションの課題となっていました。組織としての団結力を高めていくために、理念を軸としてつくられた社内報です。 

最終的に社内メンバーが自らの手で刊行し続けられる体勢をつくることを、ひとつ大きな目的としました。理念の浸透活動は、いかに“自分ごと化”できるかが肝心だからです。プロジェクトチームを発足した上で、パラドックスは企画〜制作〜運用までを伴走させていただきました。

号数を重ねるごとに、コンテンツを増やしていき、理念を体現する社員の紹介や、お客様との関係性を伝えるインタビュー記事などを掲載。最終的には半年ごとに刊行する体勢ができ、今では社員さん主体でプロジェクトが続いています。

田中衡機工業所に関しては、中のコンテンツも少しだけご紹介。

はかりができるまでに、各事業所がどのように連携しているかを見られたり……

お客様に登場していただいたり……

理念浸透につながるような、テーマ共有や行動指針についてのコンテンツも掲載されています。

社内の情報共有や企業理解を深める目的を達成しつつ、社内外(お客様も)の人がたくさん登場し、自分ごと化しやすく、愛着を持ちやすくする工夫のたくさん見られる社内報となりました。

4:社内報のつくり方&運用方法

うちの会社ならどんな社内報がいいかな〜?とアイデアが浮かんで来ましたか?つくってみたいな〜と思ったいまが、つくりどき!手順を理解して、早速始動してみましょう。

4-0:目的を明確に

そもそもの大前提として何のための社内報ですか?は確認しましょう!これは、絶対に!

どんな課題があるのか、どんな理念を掲げている会社なのか、社内報を読んで社内のメンバーにどうなってほしいのか。ボンヤリわかっているだけではNG。きちんと言語化し、制作メンバーで共有をします。

ここを定めずにスタートすると制作過程で迷走したり、効果が薄れたりしがち。見逃しがちな落とし穴なので要注意ポイントです。

さて、改めまして!以下のような流れで、社内報はつくっていきます。

4-1:企画を決めよう

4-2:その号のテーマを決めよう

4-3:テーマに沿ったコンテンツを考えよう

4-4:台割をつくろう

4-5:素材集めをしよう

4-6:デザインをしよう

4-7:確認をしよう

4-8:いよいよリリースだ!

4-9:PDCAを回して運用しよう

4-1:企画を決めよう

社内報の目的を踏まえた上で、社内報にどれくらいの予算や人的リソースをさけるのか確認します。これは、ポイントの⑥でも触れた点です。この内容によって、発行頻度やページ数も決定します。また、社内報は各号のテーマとは別に、社内報全体を貫くテーマやコンセプトがあった方がベターです。

これを最初に決めるのは、外枠を固めておいたほうが、運用に際しての判断も後々しやすくなるから。コンテンツ案を考えはじめてからだと、楽しくなっちゃって、ページが無限に増えちゃうからです。

よくあるスケジュールとしては、

・振り返り、テーマ設定、企画・コンテンツ・台割(4-1〜4-4)に1ヶ月

・素材集め(4-5)に1ヶ月

・デザイン、確認、印刷(4-6〜4-7)に1ヶ月

くらいをイメージするといいかもしれません。

4-2:その号のテーマを決めよう

理念や全体テーマに則りつつ、その号ではどんなテーマ・特集を行うかを考えます。ここには、発行頻度も影響します(ポイントの⑤時勢を意識するも大事)。

半年に1度の発行なら多少広く抽象度の高いテーマが向いていて、期初に発行ならキックオフ要素の強いものになることもあるかもしれません。逆にもう少し短いスパンで出すなら、具体的かつその号ごとバラエティに富んだものがつくれます。

4-3:テーマに沿ったコンテンツを考えよう

テーマが決まったら、テーマに合わせたコンテンツを考えていきましょう。ぜひ楽しんでやってほしいところです。

どの企業でも実施しやすいのは、社員のインタビューやプロジェクト紹介、アンケート、クイズなど。インタビュー記事にするのか、漫画で表現するのか、コラムを用意するのか、表現の手段も様々です。

文章を読むのが好きな人は多い?ビジュアル重視の方が良さそう?など様々考えてみます。固定の連載企画などをいれるのもいいですね。②の風土に合わせて、で言及した紹介したターゲットがハッキリしているのが社内報の利点。

ターゲットが絞れている分、その人たちの顔を思い浮かべながらどんなことが求められているか考えてみるとよいでしょう。ゼロから企画は生まれません。雰囲気が近い雑誌などを参考にしてみるのもオススメです。

メインの特集がいくつ、サブ企画がいくつ、連載はこれとこれ……という具合に、ある程度の型をつくってしまうと運用がラクになります。

2章で触れたポイントの中では、③読まない前提&④読み手を巻き込む を意識するのも大事です。

4-4:台割をつくろう

考えたコンテンツをページ上に配置していきます。意識すべきは、飽きさせないことです。ずーっと真面目な話だけだったり、イラストばかりが続いたり、似たような見た目や内容だとどうしても飽きてしまうもの。③読まない前提 を意識しつつ、イチ読者目線で楽しんで読める順番や配置を考えてみましょう。

情報は取捨選択します。伝えたいことはどうしても多くなりがちですが、余白なく文字と写真がギチギチだと読んでいて疲れる。読者は何が読みたいかをつねに忘れず、読みやすさを重視しましょう。

ページネーションやページ上の配置が決まったら、詳細台割もつくってみます。だいたいの文字数、どんな写真を何枚入れるか、などを決め、書き込みます。これを決めておくと以降の工程で失敗しにくくなります。

この時点で必要ならば社内確認をとっておくと、認識齟齬も生まれにくいかもしれません。

(下記は、詳細台割のイメージです。)

4-5:素材集めをしよう

詳細台割を基に、誰にインタビューをお願いするのか、どうやってアンケートを集めるのか、など、集めるべき素材を確認しましょう。

取材などを行う際は、取材趣意書をつくって、何のためにどんなことを聞くのか、明確にして話を聞きに行くのがポイント。そのコンテンツでの目的と、なぜその人に取材するのかを明確にします。バックナンバーをいくつか見せると話がはやいですよ。

文章、イラスト、写真など、抜け漏れのないように。写真足りなかった〜!って、起こりがちです。要注意。

4-6:デザインをしよう

デザインで、いちばん力を入れるべきは表紙です。表紙は、その号の顔。どんなテーマなのかが伝わり、読みたくなるものを考えます。

社内報は受付や入口に置かれることも多いので、表紙は外部の人にも見られていることも考慮しましょう。これも、既存の雑誌などを参考にすると、アイデアが生まれます。もちろん中身も大事です。どうやったら読んでもらえるか、の視点を忘れずに。

最近では冊子の形でなくE-book化をする企業も多くなってきています。コロナ禍でリモートワークが増えたことも、理由のひとつのようです。もちろんどちらにも一長一短あります。ただし、E-book=冊子のデザインをそのままPDFに、ではNGだということは意識してほしいところです。

雑誌をそのまま電子書籍化したものを読むの、拡大したり移動したりがめんどくさくて読みづらいなと感じた経験はありませんか?あの面倒くささが、そのまま起こってしまい、読まれなくなってしまいます。どういった媒体で読んでもらうかに合わせて、デザインも変えていかなければなりません。

E-bookPDF化する際のポイント

まずは、冊子よりも文字の量を少なくしたり文字を大きめにするなど、読み安さを意識してデザインを調整することに気をつけてみましょう。

PDFの場合は、1枚で完結するように。ひとつのコンテンツが何枚にもわたるものになると、読みづらくなってしまうため、工夫が必要です。

E-bookを使用する際は、スマホやPCで閲覧しながら気になった情報はそのまま検索したりURLに飛べる仕様にしたりすることが可能です。何か出典がある場合や参考になる記事などがあれば、クリックするだけで追加情報まで閲覧できるというメリットもあります。

E-bookについては利用できるサービスを活用してみましょう。閲覧数に関してデータ分析ができたり、バックナンバーのストックが容易だったりと、利点もたくさんあります。

4-7:確認をしよう

リリースの前には、確認をしましょう。上司確認だけでなく、取材をお願いした人などにも、齟齬がないか見てもらいます。

これはデザインに仕上がった状態で確認してもらうやり方もありますし、文字の多いコンテンツだと、先にWordファイルなど文字だけで確認してもらうやり方もあります。

取材などの完全な一次情報ならそのまま掲載してOK。調べたことや元ネタがあるものなどは、使用の権利や出典の記載などの確認も忘れずに行いましょう。

4-8:いよいよリリースだ!

バサーっと共有スペースに置いておくのはNGです。残念ながらそれでは、読まれません。個人に届くような渡し方(一人ひとり手渡しは難しいとしても)だと読まれやすいです。

ポイントは、その社内報に所有感、組織への所属感が生まれるようにすること。目的によって、いちばんいい渡し方を考えてみましょう。社員の家族にも読んでほしいと、自宅に直接郵送する会社もあります。

4-9:PDCAを回して運用しよう

つくって終わり、ではなく振り返りをして次回に活かしていくことをオススメします。「取材失敗しちゃったな〜」とか「確認の段取り悪かったな〜」といった反省だけではなく、社内アンケートの実施などもしてみましょう。効果測定です。

会社のことが理解できたか、一番良かった記事、いらないと思った記事などを聞いてみる。企画のリクエストがあれば実現してみると、それも「巻き込み」につながります。アンケートや反省点を踏まえて、次号のテーマや企画、制作方法などを修正していきましょう。

もちろん、アンケートに答えたくなる工夫も必要です。以前パラドックスがお手伝いした企業では、内容を読むととけるクロスワードパズルを掲載いたら、アンケートの回答者が20人から300人に激増した例もありました。

5:社内報以外のコミュニケーション活性化手段の紹介

冒頭で示したように、社内報だけでコミュニケーション改善につながるとは限りません。課題に合わせて適切な手段を考えるのがあくまで大事。他の手段との併用も、効果を最大化していくために検討すべきことかもしれません。

ここでは、社内報以外にも効果が考えられる施策について簡単にご紹介していきます。

5-1:社内SNS

SNSは社内報よりもスピードが早く、数時間単位のことが共有できるのが特徴です。小さな話題でも即時性があり、比較的小〜中規模の組織に向いている

パラドックスでも「Visions」という社内SNSの開発を行っており、多くのお客様にご利用をいただいています。

※Visionsについての詳細はこちらから

5-2:社内表彰・アワード

クレドに紐付いた行動で成果を挙げたひとを紹介&表彰するやり方です。その会社でよしとされること(理念やビジョン、クレドに紐付いていること)がエピソードベースで共有されるため、インナーブランディングとしてとても効果があるといえます。

詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考に!

ここでご紹介したものをどれか択一で行う必要はありません。社内報と社内SNSを併用してそれぞれの利点を生かしている組織もあります。そのときどきの課題に合わせて、必要なことを検討してみてください。

6:まとめ

さあ、ここまで読み切ればもう、今日からでも社内報制作チームを動かしていけるあなたです。大切なポイントを抑えながら、自社の課題は何か、それに向けてどんな社内報をつくってみようか、考えてみてください。

社内報をつくるときのポイント(おさらい!)

①理念との整合性をとろう

②企業の風土に合わせよう

③「読まれない前提」を意識しよう

④読み手を巻き込もう

⑤時勢を考慮しよう

⑥現実的な運用計画をたてよう

大事なポイントさえ押さえていれば、効果の出せるものとなるはずです。

そしてぜひ、社内報をつくるあなた自身も楽しんで!いい社内報を、社内みんなが読んでくれる未来を応援しています!

 

 

ブランディングに関する
ご相談・ご依頼

PARADOX

「企業独自の価値=こころざし」を抽出し、
それをもとにコーポレート・採用・カスタマー・インナーといった
各種ブランディングを行っています。

最新情報・事例を受け取る

PARADOX創研The Branding Journal

ブランディングに関する最新情報や最新事例、
イベント情報などを定期的にお届けいたします。

メルマガ登録はこちら

タグ一覧から記事を探す

タグをすべて表示

ありたい姿を、
みんなが叶えられる社会へ。

この世に生を受けた、すべての人や組織には
その人、その組織にしか果たせない使命があると考えています。
私たちはそれを「志」と呼び、ブランディングという手段で
その実現に貢献してきました。このメディアでは、
(株)パラドックスが20年間にわたり培ってきたブランディングの知見を、
少しでもみなさまのお役に立てればと思い、発信しています。
ご感想やご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

コメント

CAPTCHA