パーソナルビジョンの有無と幸福度に関する調査

PARADOX創研レポート#1                       

人的資本経営という言葉が盛んに語られるようになった昨今。「社員にしあわせに働いてもらうために、どのような経営をするべきか」という企業側からの視点はもちろん「働く主体としての一人ひとりが、いかにしあわせに働くか」という個人側の視点についても、さまざまなシーンで議論されるようになってきました。

そこで今回、私たちは「しあわせは人それぞれ」という前提に立ちながらも、「しあわせに働いている人に、なにか共通する要素はないのだろうか?」という問いを立てました。そして、実際に複数名の「しあわせに働いている」人への取材を通じて、「自分のありたい姿やなりたい姿を持ち、そこに向かって邁進している状態はしあわせなのではないか」という仮説のもと調査を進めていきました。

本リリースでは、その調査のサマリーをお伝えします。この調査がひとつのきっかけとなり、「働くしあわせ」を考える機会になれば幸いです。

詳細な調査資料はこちらをご覧ください

1:調査結果概要

仕事におけるパーソナルビジョンがある人とない人を比較すると、ある人のほうが幸福度が高い。

スクリーニング調査にてパーソナルビジョンの有無を判別後、ある人とない人、それぞれに対し、エド・ディーナー博士が考案した「人生満足尺度(Satisfaction With Life Scale)」に基づく調査と、前野隆司教授が考案した「幸せの4因子」に基づく調査を実施した。その結果、いずれの調査においても、パーソナルビジョンがある人のほうが、ない人と比べて幸福度が高いことがわかった。

パーソナルビジョンの実現に対して傾ける情熱や熱量とそこに注ぎ込む時間の総量は、幸福度と比例する。

パーソナルビジョンが「ある」と判別されたグループを、「ビジョン実現に傾ける情熱・熱量の程度」「ビジョン実現に向けて実際に使っている時間」という2つの設問のスコアの合計によって、さらに4つのグループ(Group1-4)に区分。その結果、スコアの高い順(Group4→1)で、幸福度も高くなっていることがわかった。

 

パーソナルビジョンの言語化・明文化が進むほど、 実現に向けて邁進でき、 結果、幸福度も高くなる。

パーソナルビジョンが「ある」と判別された人とそうでない人を比較すると、ある人のほうが「すでに言語化・明文化できている」「まもなく言語化・明文化できそう」という回答のスコアが高い。また、グループ別に見ても、Group4がもっとも高く、次いで3→2→1と低くなっていることがわかった。ここから、パーソナルビジョンに向けて邁進するには「言語化・明文化」することが有効であることがわかった。 

2:調査概要

調査対象   :マクロミルモニタ  18~59歳の男女

調査地域   :全国

調査方法   :インターネットリサーチ

調査時期   :【スクリーニング調査】 2023年8月9日(水)~8月24日(木)

                       【本調査】 2023年8月22日(火)~8月23日(水)

有効回答数  :【スクリーニング調査】 20,000サンプル

                    【本調査】 3,090サンプル

調査主体  :パラドックス創研

全体監修  :田久保 善彦 教授(グロービス経営大学院 副学長)

設問監修  :前野 隆司 教授(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科)

調査実施機関:株式会社マクロミル

おわりに

今回、調査を通じて、仕事においてパーソナルビジョンを持つことが、しあわせに働くことにつながることが明らかになりました。私たちの願いは、しあわせに働く人が一人でも増えることです。もちろん、はたらく意味や意義はその人のものですが、それでも、今回の調査結果をふまえて、個人のビジョン、いわば志を言語化する人が一人でも増えれば、私たちにとってそれ以上喜ばしいことはありません。

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PARADOX創研 メディア編集部
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