組織にいい共鳴を生み、
みんなで同じ方向を向くために。
[小田急不動産 株式会社さま]
小田急沿線に特化した「総合不動産会社」として、不動産売買からアフターサービスまで幅広く展開している小田急不動産株式会社さま。新たに策定した理念の浸透を進めるなかでvisions surveyサーベイを導入されました。今回はサーベイを通じた気づきについて、理念浸透プロジェクトの旗振り役を務める山尾さまにお話を伺いました。
- Q.
サーベイをご導入いただいた
背景を教えてください。 -
2019年に、『この街を愛し、ここにしかない人生の景色を描く』という現在の事業理念を策定しました。しかし、理念をつくって掲げただけでは、すべての社員が同じ方向を向くのは難しいものです。そこで、理念の浸透度を定量的に確認し、定期的に課題を抽出するためにvisions surveyを導入しました。
小田急不動産の理念体系図
- Q.
これまでに2回サーベイを実施していただきましたが、
どのような発見や気づきがありましたか? -
回答者側として特に印象的だったのは、選択肢で答えるだけでなく、自らの言葉でアウトプットをおこなうフリーテキストの項目があったことです。1回目の実施時には理念の浸透度も低かったため、難しく感じる部分がありましたが、2回目では自然と自分の言葉で理念を語ることができた。前回よりも確実に理念が浸透しているな、と感じられた瞬間でした。
一方、組織全体の回答を見る側としての発見は、サーベイの結果と顧客満足度アンケートの結果には明らかな相関関係があるということです。たとえば、サーベイでスコアの低かった拠点では、営業的な課題を抱えていたり、逆にスコアの高い拠点では、アンケートに好意的なコメントがいただけていた。理念の浸透度が営業品質にも関わっているというのは、とても大きな発見でしたし、理念を浸透する理由にもなると思いました。
- Q.
結果をもとに、
どのような取り組みをされているのでしょうか? -
サーベイの結果を俯瞰的に見ると、組織ごとの理念の浸透状況が一目瞭然です。浸透課題を抱えている組織においては、まずは「話しかける」ことから始めました。実際に生の声を聞きに行き、より深く課題を理解するためです。インタビューの結果、共感を得るのに壁となっていたのは「理解はしているが具体的な実践方法がわからない」「理念を心の底から信じ切れていない」などの理由があることがわかりました。これは単純に説明不足によるところも大きいと感じたので、あらためて丁寧に説明をするなど、地道にコミュニケーションエラーを解消していきました。
そして、同じくサーベイで見えたいい面に関しても、インタビューを実施しました。すると、社内だけでなく、社外の人に対しても理念を語ることで、共感を得られたケースが生まれていることがわかりました。これまで、不動産営業という仕事は、長年培ってきたノウハウやコネクションを駆使することでお客様からの信頼を獲得する仕事でした。もちろんそういったものが重要なのは言うまでもないのですが、最近では若手であっても理念を語ることで、これまでよりも早く信頼の獲得につながるケースが出てきています。そういったケースがサーベイとインタビューを通じて見えるようになったことで、ベテラン社員もまた刺激を受けています。
- Q.
サーベイを導入してもっとも価値を感じた部分は
どういった点でしょうか? -
サーベイを実施したことで、世代ごとや部署ごとの課題が可視化されたのですが、マイナス面だけでなく、理念に沿った「小田急不動産らしい」プラスの面も見えたことは特に嬉しい発見でした。過去には大手競合に追随することに尽力していた時期もありましたが、体力を消耗するばかりで会社は疲弊していました。しかし、自分たちのDNAから抽出した理念を掲げて行動することで、自分たちにしかできないことがあることにあらためて気づき、自信と使命感を持って働けるようになりました。そういったことがサーベイの数値を通じても確認できたことに、大きな価値を感じています。
- Q.
今後の方針についてお聞かせください。
-
理念が浸透し、組織内にいい共鳴が起きることで、会社のビジョンもどんどんと広がっています。今後は、『この街を愛し、ここにしかない人生の景色を描く』という理念に向かって、不動産売買だけでなく、地域社会という単位で地域のオープンイノベーションにも携わっていきたいと考えています。小田急沿線に住む人たちに対してこれまで以上にさまざまなソリューションを提供するためにも、一緒に沿線を盛り上げるパートナーを広げていきたいですね。