コーチングの考え方から企業の人材育成に活用できるポイントを解説!

「もっとメンバーの成長を促進させたい」「よりモチベーションを高めてあげたい」など、メンバーのマネジメントに対する悩みを抱えている経営者も多いのではないでしょうか?

従来は「指示」や「指導」といった管理型のマネジメントが主体でしたが、最近では状況に合わせて各自が考え判断できるような「自立的な行動を促すマネジメント」が求められています。

一方的な指導だけではなく、従業員や部下の答えを引き出す「コーチング」を取り入れることにより、高い目標の達成や個人の成長、そして組織の成長を実現することが可能になります。

コーチングの資格には、世界共通で使える資格や、ビジネス、スポーツ、子育てなど目的別に活かせるさまざまなものがあります。なかでも世界最大規模の認定機関である国際コーチ連盟(ICF)の認定コーチをはじめ、日本で最も人気の高い生涯学習開発財団認定コーチ、CPCC(Certified Professional Co-Active Coach)、日本コーチ連盟認定コーチなどが有名です。

しっかりとコーチングの資格を持って人材育成に活かすことができればベストですが、もし今、資格がなくても、コーチングのスキルや考え方を人材育成に活かすこともできます。今回は、メンバーとのコミュニケーションにすぐに活かせるコーチングについてご紹介します。

1:コーチングとは?

「コーチングという言葉はなんとなく聞いたことがある」という方も多いかもしれません。

コーチングとは、相手の能力や可能性を最大限に引き出し、目標達成に向けてモチベーションを高めるコミュニケーションの手法です。

近年、労働人口が減少する中で、企業が一人ひとりの強みを十分に引き出すことが必要になっていることもコーチングが注目されるようになった背景にはあります。

人材育成の手法として注目されていますが、「相手に教える」のではなく「相手から引き出す」ことがコーチングの大きな特徴となっています。

コーチングは一般的に、1対1の状況(対面・オンライン)で、40分〜1時間程度行います。場所は職場の会議室や自宅など。カフェなどは一見落ち着きがありそうですが、他人の会話が入ってくる環境は、自分自身の考えに集中できないために避けるようにして、できるだけ静かな場所を選んで行います。

まずは、コーチングの意味やビジネスにおけるコーチングについて見ていきましょう。

1-1:コーチングの意味

コーチングという言葉は、英語の馬という意味の「Coach」が語源です。

「馬が相手に届ける」という意味合いから、「相手の目標や希望に辿り着けるようにサポートすること」になったと言われています。

コーチングの語源は英語からきていますが、広辞苑では下記のように定義されています。

【コーチングとは】

①コーチすること。指導・助言すること。

②本人が自ら考え行動する能力を、コーチが対話を通して引き出す指導術。

引用元:広辞苑 第七版

元々はスポーツ指導法として活用されてきたコーチングですが、最近ではビジネスにおけるマネジメントの研修などにも用いられており、さまざまな広い分野で取り入れられている手法です。

スポーツの分野では監督や指導者が選手を相手に、その人にあった指導方法を行うためにコーチングを手段として用いることがあります。

しかし、ビジネスにおけるコーチングでは、対話を通して双方がコミュニケーションを取りながら目標達成を目指す点に違いがあります。

次の項目で、ビジネスにおけるコーチングについて見ていきましょう。

1-2:ビジネスにおけるコーチングとは

ビジネスシーンで用いられるコーチングは、コーチングを行う上司とコーチングを受ける部下の双方向のコミュニケーションを行うことで目標達成を目指していきます。コーチングを行う上では、100%相手を信頼すること。相手の可能性を信じて行うことが重要です。

コーチングは、対話を通した双方のコミュニケーションが重要になるため、マネジメントする側のコーチングスキルが求められるのが特徴です。従業員の自己実現や組織の成長のために行動変容を促すことを目的として、人材の教育などに用いられています。

従来では人材育成といえば、「教える」という意味のティーチングが主流でしたが、コーチングとは意味が異なります。ここでは、コーチングとティーチングの違いについて押さえておきましょう。

1-3:コーチングとティーチングの違い

ティーチングは「教える」という意味であり、知識や経験豊富な人材が教えることを通じて、知識の習得を図り成長を促すことです。

新卒や業務未経験者などキャリアの初期段階であれば、ティーチングによって教えることが効果的でしょう。

ある程度のスキルや能力がある場合は、課題や対応策を考える基礎があるため、コーチングによって能動的に引き出していく方法が有効的です。

ティーチングとコーチング

 

【コラム:コーチングとセラピーの違い】

セラピーは、心理的な問題や悩みを抱えている人に対して、一般的には訓練を受けて専門的な知識を得た人が、専門家の立場から指導やアドバイスなどの診断・治療を行うもので、心身の癒しや心的な問題を援助や治療することが目的です。

 

一方、コーチングは、専門的なスキルを用いて、相手から答えを引き出していく手法です。人が自己実現や自己変革、目標を達成することを目的としている点が大きく異なります。

例えば、大きなストレスを抱え続けていたり、大切な人を失ったりするなど、心に大きなダメージがあり、感情のコントロールが難しい状態(精神面の治療や援助が必要な場合)の時には、コーチングは適していません。

 

 

2:コーチングに求められる3つの基本スキルとポイント

①傾聴のスキル

傾聴とは、ただ話を聞くだけではなく、相手のことを「全力で聴く」ことです。全身全霊で相手の全てを受け入れていくことで、自然に前のめりで聴くという行動になります。それを感じると、相手も安心して話してくれます。

傾聴のゴールは、相手に安心して話してもらうこと、本音を出してもらうことです。

傾聴は「聴」という漢字が用いられている通り、相手の言葉に「耳」を傾け、声や表情などに「目」を向けて注意を払い、言葉に込められた感情に「心」を配って話に共感するという意味があります。

コーチングには、相手が言いたいこと、伝えたいことをしっかり受け止め、相手を理解することが求められます。「受け止めて聴いている」ということを表す具体的な傾聴の方法としては、「うなずき」、「アイコンタクト」、「適切なタイミングでの言葉の投げかけ」などのテクニックがあります。

また、コーチが相手の表情や言葉をそのまま伝える「反映」というスキルがあります。

例えば、

相手 「今とても落ち込んでいます

コーチ「今とても落ち込んでいるんですね

 

という返答や、

相手 「今とても充実してるのを感じてます!

コーチ「そうなんですね!表情もとても明るくて声のトーンも弾んでいますよね!

相手 「やっぱりそうですか!そうなんですよ、実は・・

などです。

時に、対話する中で、相手は自分が何を話しているのか、わからなくなる時があります。その時に反映をすることで、自分自身に気がつき、また発見や、自信を感じることができます。また、相手が「聴いてくれている」という実感や、自分のことを話しやすい安心の中で、さらに本音で語りたくなるのです。

②質問のスキル

コーチングでは、相手に「気づき」を促すために様々な質問や問いかけを行います。

ただ疑問に思ったことを質問するだけでは、効果的なコーチングとは言えません。

相手の中にある漠然とした考えを質問や問いかけにより、まずは、本人がそのことに向き合うことが第一のポイントです。問いに向き合って初めて「そうだったのか」と気づく。そして具体的に考えることで相手にとっての良い気づきにつながります。

コーチングにおける質問は、相手の頭の中にあるものを整理したり、新たな視点を持てるように助けることが目的です。

相手の気持ちに共感、そして同じ視点から生まれる的確な質問は、傾聴することで生まれてきます。

コーチングの質問スキルとして「拡大質問」というものをご紹介します。

<拡大質問を使った会話例>

相手 「今の仕事にあまりやりがいを感じていないんです」

コーチ 「『あまりやりがいを感じない』とは、どういう意味ですか?」

 

相手 「退屈だし、自分の仕事が役に立っていると感じられないんです」

 

コーチ「まずは退屈というところを見ていきましょう。それはあなたが求めているものではないですよね。あなたが求めているものは何なのですか?

 

相手 「朝、目覚めた時、その日1日が楽しみだと感じたいですね」

 

コーチ「他にはどうでしょう?」

 

相手 「自分の力が活かされて、自分の仕事に意味があると感じたいです。自分が何かに貢献しているという実感が欲しいのです。」

 

コーチ「どうしたらそのような状態を今の仕事の中で創り出すことができますか?」

 

相手「よくわかりませんが、今までそんなことが可能だと考えたことすらなかったように思います」

 

コーチ「それでは試してみましょう。どんなことが可能なのでしょう?

上記の「〜あなたが求めているものは何なのですか?」「どんなことが可能なのでしょう?」のように、Yes/Noでは答えられないような(自分で考える必要がある)質問を、拡大質問と呼びますが、この質問スキルは、相手の内省を促し、それまで考えもつかなかった解決策や、さらなる創造力、洞察力をもたらすために用いられます。

相手の意識を自分の内側や未来に向けて、一旦立ち止まらせて考える時間をもたらします。相手が深く考えている間も、コーチはただ耳を傾け、相手の答えが出るのをじっと待ち続けます。

上司と部下のコーチングで起こりがちな良くない事例は、「部下が答えを言う前に上司がそれを言ってしまうこと」です。相手の考えや答えを引き出すためには、答えを先回りするのではなく、じっと待つことが求められます。

③承認のスキル

承認のスキルとは、結果だけでなくその過程や成長度合いを認めるものです。

結果だけでなく過程や成長度合いを認められることにより、コーチングの対象者は自らの考えや行動に自信を持ち、自発的に成長していきます。

ただし、承認とはむやみやたらに褒めることではなく、心から本音で自分の言葉で褒めることが大切です。

具体的な承認スキルとしては、次のようなものがあります。

  1. 「あなたは素晴らしい」→「あなた」を主語として褒める
  2. 「私は鼻が高い」→「私(コーチ)」を主語として褒める
  3. 「会社の成長に貢献してくれた」→「組織」を主語として褒める

上記の3つのスキルの中で、2、3は、影響範囲が大きく他者に及ぶので、受け手にとって充実感を覚え、達成感を感じやすいメッセージになります。

相手を承認する際には、1のスキルだけでなく、2、3のスキルを活用できると良いでしょう。

2-1:本音を語れる、強い信頼関係をつくること

ここまで3つのコーチングの基本スキルについてご紹介しましたが、大切なのはスキルだけではありません。

コーチングによって相手に行動変容を促し、目標達成を実現するためには、上司と部下の信頼関係が重要になります。

コーチングでは上司と部下の双方向のコミュニケーションが求められますが、心を開いて話ができる状態、すなわち信頼関係が築けている状態でなければ効果的なコーチングは実施できません。一番大切なのは「本音で話せる」かどうかです。

お互いが本音を言い合える状態、強い信頼関係を作るためには、部下の問題点ばかり指摘するのではなく、できたことや成長したことを認めたり、褒めること。部下が自信を持てる状態にすることが重要です。

自信を持たせることはやる気を引き出すことにつながるため、コーチングで「やる気を引き出す」のではなく、「引き出したやる気をコーチングで維持する」ことで、部下の成長にもつながるでしょう。

ビジネスにおいても、仕事内容のコトやモノではなく、心に焦点をおくことを心がけます。例えば、進行中のプロジェクトがあった場合、プロジェクト(仕事)の内容ではなく、「あなたはなぜこのプロジェクトをやりたいか」というスタンスで望むことが大切です。

3:コーチングを人材育成に導入するメリット

最近では人材育成にコーチングを導入する企業も増えていますが、コーチングを行うことでモチベーションが維持できるなどのメリットもあります。

社内のメンバーと定期的に1対1でコーチングを行い、メンバーの考え方や現在の悩み、進みたい方向など話したい内容を共有し、その人の考えを紐解き、深め、お互い理解することが、その後のパフォーマンス向上にも貢献してくれるはずです。

コーチングを人材育成に導入するメリットについて、それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

3-1:モチベーションを維持できる

コーチングによって導き出された答えは、相手の中にあるものであり、「自分で考えて選択した」という自覚が生まれます。

一方的に教えられた答えではなく、「自分で見つけた答え」によって本人のモチベーションや熱意、やる気などを維持することができるでしょう。

時間の経過とともに掲げた目標に向かう気持ちも1人では薄れてしまうものですが、コーチングを利用しながらコーチとともに二人三脚で進むこともモチベーションも維持できるメリットもあります。

3-2:新たな可能性を見出せる

コーチングでは本人も気づいていない能力やスキル、新たな可能性を見出せるメリットがあります。

ひとりで考え込むと視野が狭くなり、既存の価値観に縛られてしまい、新たなアイデアが浮かばないこともあるでしょう。

コーチングを通して、今まで自分で気づけていなかった自身の発想や考え方などに触れることができるため、物事への柔軟性や多方面的な考え方を身につけることができます。

3-3:自信を持って行動できる

コーチングは答えを与えられるものではなく、コーチングを受けたい相手の中から引き出すコミュニケーションの手法です。

相手は自然と「自分がどのように成長していきたいのか」「目標達成のために何をすべきか」というこに気づき、「自分で考える力」が身に付きます。

また、考え方だけでなく、自分で気づき、自分が決めたことで実際に自信を持って行動ができるようになるため、モチベーションも向上し、上司から言われたことだけではなく、自発的な行動を身に付けることができます。

4:コーチングを人材育成に導入する注意点

コーチングには自発的な行動を身につけられるなどのメリットもありますが、効果が出るまで時間がかかってしまうなどのデメリットもあります。

人材育成にコーチングの導入を検討する場合は、「コーチングの手法が適しているか」も考慮することが大切です。

ここでは、コーチングを人材育成に導入する注意点について詳しくご紹介します。

4-1:知識やスキルが必要になる

コーチングを効果的に行うためには、対話に必要な基本的なスキルを身につけておくことが必要です。

ただ話を聞くだけではなく、相手の中から引き出すことが重要になるため、コーチングの知識やスキルを身につけておきましょう。

コーチングに求められる基本スキルとポイントについては、次の項目で詳しく解説しています。

4-2:効果が出るまで時間がかかる

コーチングは双方向のコミュニケーションを通じて対話を行い、相手の「気づき」や「可能性」を発見しながら進めていく手法です。

そのため、相手に答えを教えるティーチングと比較して、効果が出るまで時間がかかる場合があります。

新卒や業界未経験のキャリアの初期段階の方を対象に短期間で育成しなければならない場合には適さないでしょう。

いきなりコーチングから始めるのではなく、ティーチングと使い分けることが大切です。

4-3:基本的には1on1で行う

コーチングは基本的には1on1で進めていくコミュニケーションの手法です。グループごとに大人数で行うものもありますが、その場合はグループを活性化するという目的があります。通常のコーチングは、個人を活性化する場合なので、1on1で行います。

業務に必要な作業方法や手順、マニュアルの内容などを説明する場合は、ティーチングの方が適しているでしょう。

5:人材育成に活用できるコーチングのやり方と考え方

効果的なコーチングにより人材育成を行うためには、コーチングのスキルを身につけるだけでは実現できません。

先ほどの項目でもご紹介した通り、コーチングで結果を出すためには上司と部下の信頼関係が必要です。

ここでは、約20年間にわたり企業の課題解決に携わってきた私たちパラドックスの知見を交えながら、組織の成長につながるコーチングのやり方や考え方についてご紹介します。

5-1:ミッション・ビジョンなど共通のゴールを明確にする

ミッションとは、「企業の存在意義」であり、企業活動の根幹にあたる部分になります。

会社の存在意義を明確に示すものだけでなく、会社、従業員、社会をつなぐものでもあるのです。

ビジョンは、ミッションを積み重ねていった先に「実現したい未来」のことであり、従業員みんなで目指す「共通の行き先」を示すものです。

企業と個人のベクトルの方向が違えば、実現したいビジョンに向かって進む事はできませんが、ミッション・ビジョンを明確にすれば、上司や部下の共通のゴールが生まれます。さらにコーチングでは、個人のミッションと企業のミッションの重なりを見つけることができるため、個人の活躍の場も大きく広がるでしょう。

企業と従業員個人が目指す方向を揃えるためにも、ミッション・ビジョンなどの企業理念を明確にして、組織に理念を浸透させていくことが大切なのです。

私たちパラドックスでは、「独自の世の中への貢献×向上心=志」と定義して、「あなたのどんな強みを活かす?」「あなたの今の志は何?」「あなたらしさを仕事に活かすとすればどんなやり方が良いか」など、毎週チーム上司とのFace to Face ミーティングの時間を設け、個人の志と仕事を照らし合わせています。

5-2:心のコップを上に向けて、風土づくりとあわせて取り組む

企業の進むべき方向が明確になったら、続いては従業員に企業理念を浸透させるための風土作りに取り組みましょう。

まずは、従業員一人ひとりの安心・安全や社会的欲求(=帰属意識)を満たす環境を作り、その中で信頼感を持てていることが重要です。

これは「心のコップ理論」と言われており、下を向いたコップに水が入らないことと同じで、受け入れる状態ができないままに、いくら企業理念を伝えようと、コーチングを行っても向上心が持てず、思うような効果が得られません。

コーチングを活かすためには、企業の風土づくりもあわせて進めることで、より効果的なコーチングが可能になるでしょう。

従業員の欲求を一つずつ満たし、企業に対する信頼を積み重ね、受け入れてもらう状態を作ることが大切です。

5-3:相互共感で自分ごと化していく

従業員の心のコップが上を向いた状態をつくれたら、

企業と従業員が同じ方向を向くために「自分ごと化」ができるように働きかけていきます。企業理念の内容をただ言葉で説明するだけでは「自分ごと化」する事はできません。

言葉一つひとつの意味がしっかり伝わり、企業理念と仕事を通じた自分の目標が結びつく状態が「自分ごと化」になります。

「自分ごと化」を進めるためには、企業と従業員だけでなく、従業員同士で夢や目標、どんな人生を送りたいのかを共有することが大切です。

従業員同士の相互共感が生まれることで、次のステップとして「相互貢献」のフェーズに上がっていきます。

企業と従業員個人が同じ方向を向く状態ができることで、コーチングの効果を発揮することができるでしょう。

コーチングにより自分の目標が明確になり、「組織の一員としてやるべき事は何か」「目標達成のためにやるべきことはどんなことか」という視点で考える能力を身につけることができます。

5-4:社員一人ひとりの志を育む相互貢献

相互貢献とは、心のコップを上に向けることや相互共感を経て実現する文化です。

企業と社員、社員同士がお互いの考え方に共感し、上下関係や部門を超えて自発的にサポートを行うもの。

「お互いの夢を知っているからこそできる叶え合い」の姿勢であり、自分の成長だけでなく企業や周りの従業員の成長を考え行動できるようになるでしょう。

ここまではもちろん、上司と部下、そして周りの社員の信頼関係があって実現するものです。

コーチングで得た発見や新しい可能性は企業と社員の双方にとっても良い流れを作り、組織全体の成長につながるでしょう。

6:まとめ

今回は、企業の人材活用に活用できるコーチングスキルのポイントについて、私たちパラドックスの考え方を交えながらご紹介しました。

コーチングは相手に自発的な行動変容を促すコミュニケーション手法であり、コーチにはスキルも求められます。基本スキルも効果を出すためには重要な要素ですが、組織全体の成長につなげるためには風土や文化づくりが大切です。

また、コーチングは一度で効果が得られるものではありません。企業と個人、上司と部下の信頼関係を築き、継続していくことが必要です。

コーチングによって社員の意識やモチベーションが向上すれば、会社と個人の成長が同時に叶う状態ができます。企業理念の浸透などを行う際にも、浸透が進みやすくなり、それを体現する社員が増えていけば、さらなる企業の成長が期待できるでしょう。

また、コーチングによって、自分が会社の中でどうあるべきか、という自分の存在をブランディングできることで、社員の自信にもつながっていきます。成長ポイントが明確になった人はどんどん成長し、これからの企業の事業や理念実現を支える貴重な人材になる可能性があります。

今回の記事が、部下のマネジメントで悩む経営者や担当者の方にとって、少しでも課題解決のヒントになれば幸いです。

参考文献:ヘンリーキムジーハウス著. コーチング・バイブル(第4版): 人の潜在力を引き出す協働的コミュニケーション

 

 

 

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