クリエイティブな仕事に就きたい!その鍵を握るのは「企画力」だった

自由に発想し、アイデアを形にする仕事がしたい。でも、クリエイティブの専門スキルはないし、今から学んでもできる気がしない。

これから就職する学生の方や転職をお考えの方、漠然とこんな風に考えていませんか。

クリエイティブな仕事というと、何か特別なスキルや才能、センスを持った選ばれた人たちだけが就ける仕事と思われがちですが、そんなことはありません。発想の転換と工夫さえあれば、誰でもクリエイティブな仕事ができるんです。

このメディアを運営し、多くの企業のコーポレートブランディングや採用ブランディングを手掛けるパラドックスが、本質的な“クリエイティブな仕事とは何か?”をご紹介します。

ぜひ最後までご覧いただき、あなたに合った「クリエイティブな仕事」を見つけるヒントにしてください。

1:「クリエイティブな仕事」とはなにか

就職や転職にあたり「クリエイティブな仕事」がしたいと思ったとき、職業として思い浮かぶのは、デザイナー、コピーライター、イラストレーター、映像などの広告系の仕事やwebエンジニア、コンピューターグラフィックス(CG)といったテック系、ミュージシャンやアーティストもあるかもしれません。また、最近ではYouTubeやInstagram関連の仕事なども、増えていますね。

webデザイナーやCGデザイナー、エンジニアになろうと思った場合、そもそも経験者が少ない以前であれば、未経験でも採用してくれる企業は多くありました。しかし現在は、ほとんどの企業の募集要項で、既に特定のソフトやスキルが使えることが条件にされています。現在は未経験の状態からこれらの仕事に就くには、大学や専門学校で学ぶ、あるいは独学でスキルを身に付ける必要があるでしょう。

では、ちょっと発想を変えてみましょう。

クリエイティブな仕事とは、わかりやすいアウトプットを出すだけでありません。例えば、企業には企画職といわれる仕事があります。商品をつくる商品企画や営業方法を開発する営業企画、企業の経営方針をつくる経営企画という仕事もあります。

クリエイティブな仕事=発想やアイデアを活かせる仕事と捉えると、実は上記のような文字通り企画という名前がつく仕事だけではなく、営業や人事の仕事の中にも、クリエイティブな仕事があるのではないでしょうか。

どんな仕事でも、自分でやりがいを見出し、工夫をすることで楽しくできると言いますが、同じようにどんな仕事もクリエイティブな仕事にできると言えるかもしれません。むしろ、全くクリエイティブが必要ない仕事を見つける方が、逆に難しいのかもしれません。

2:日本の発展を支えたクリエイティビティ

次に日本における“クリエイティビティとは何か?”について、お話をさせてください。

皆さんもご存じの通り日本は石油や鉄など、環境資源がとても少ない国です。さらに人口が少ないにもかかわらず、世界的には先進国として名を連ねています。特に、ものづくりにおける技術力や品質の高さで評価されてきました。

それを成し遂げてこられた要因として、よく挙げられるのが日本人の勤勉さ。しかしそこにはもうひとつ、重要な要素があります。それが創造力“クリエイティビティ”だと考えています。

そもそも、環境資源や人口による労働力にも頼ることができなかった日本は、一人ひとりの中にあるアイデアや発想、つまり創造力を活かした“クリエイティビティ”を磨き、世界を驚かせるアイデアで国の発展を支えてきました。

よく日本はモノマネが上手いだけで、新しい物を作るのが得意ではないと言われてきましたが、そもそもイノベーションとは、物事の組み合わせによって、新しい価値が生み出されることの方が多いと言われています。既存の仕組みや製品を組み合わせ、改善を加えながら、より良いものづくりをしていくのは、日本のお家芸です。

現在、世界中で当たり前に使われているものの中にも、日本が発明したものが多くあります。

例えば、QRコード。これは1994年に、株式会社デンソーによって開発されたもの。それまでのバーコードと比べて読み取りが速いだけでなく、情報をより多く持たせることを可能にしました。現在では航空券やQR決済など、世界中で活用されています。さらにカメラ付き携帯電話や、ポータブル音楽プレイヤーの開発も、日本が初めて。現在世界中で人気のサバイバルゲームの発祥も日本なのです。

このように日本人は自然資源に頼ることなく、人間の創造力を最大限に活かして発展を続けてきました。

これらの実績は、現在“クリエイティブな仕事”と言われて思いつくような狭義の仕事から生まれたのではなく、普通に働く一人ひとりの仕事に対する「こうしたらもっと良くなる」「こんなことできたらいいな」という創造力から始まっています。

近年では、日本が世界と比べて創造力で遅れをとっているという話もよく聞きます。これまで創造力を駆使して発展してきた日本ですが、逆に誰しも持っているはずの創造力を“クリエイティビティ”として、専用の職種領域に定めて、押し込んでしまったために、国として働く人々創造力の総和を、上手く活かしきれなくなってしまったのかもしれません。

3:企画力がすべてを解決する

今後世界の資源が減少していく中で、環境を守りながら発展を続けていくために、一人ひとりの創造力を働かせて、新しい価値を生み出すことは、私たちにとって必須です。そして、創造力を活かして、新しい価値を生むことこそ「クリエイティブな仕事」と言えるようになるでしょう。

“創造力を活かして新しいアイデアを生む力”これをもう少し仕事をする上でよく使われる能力に言い換えると、それは「企画力」といえるかもしれません。

創造力を働かせ、新しい解決策や価値を生み出す「企画力」。この企画力さえ身に付いていれば、どんな仕事に就いたとしても、その仕事をクリエイティブな仕事にできると私たちは考えています。

例えば、営業であれば、既存商品を既存顧客に売るだけでなく、売り方やターゲットを変えて新しいマーケットを開拓する。人事であれば、これまでに使っていたマス媒体の費用対効果が下がってきたので、社員の出身大学の後輩を狙ったソーシャル採用に切り替えることで、低コストでより自社にあった人材を獲得できるようになる。総務としてリモート化を推進することで、拠点のオフィスを減らし、大幅な経費削減を行うなど。これらにはすべて、それぞれの立場において企画力が発揮された結果と言えるでしょう。

営業・人事・総務と聞くと、一見クリエイティブな仕事とはかけ離れているように思うかもしれません。しかし実際には、このように自らのアイデアを企画・提案し、自らの手で形にできます。

このような企画力は、必ずしもセンス頼みではなく、学び、磨き続けることで、誰しもが身につけられるものです。そして、その考え方が身に付けば、どんな仕事であっても、自分の力でクリエイティブな仕事にできるはずです。

ちなみに企業ブランディングを手掛ける私たちパラドックスは、一般的には“クリエイティブな仕事”に当てはまるディレクター職として新卒を採用しています。しかし、その選考で重視するものこそ、クリエイティブセンスではなく、企画力なのです。クリエイティブについて専門的に学んだかどうかは問わず、選考課題に対する企画力で人材を判断しています。

これまで説明してきたように、企画力が必要になるのは、何か表現的なアウトプットを生み出すときだけではありません。社内外で日常的に会話をする中でも企画力を発揮し、「もっとこうしたら良いのではないか」とすぐにアイデアを出すことができれば、その場をより生産的なものにできます。

企画力は、いまや全てのビジネスパーソンが持つべきスキルであり、大学のカリキュラムにも組み込まれ始めています。例えば、東北唯一の芸術系大学として1991年に開学し、芸術学部とデザイン工学部の2学部のみから成る東北芸術大学。ここでは、今後企画力がますます求められる時代がやってくることを見越して、2009年度から企画力をメインに学ぶ「企画構想学科(デザイン工学部)」を新設したほどです。

手に入れたいのは、「クリエイティブな仕事に就くためにスキル」ではなく、「自ら考え、企画を出して、実現させていく仕事の仕方」。「クリエイティブな仕事がしたい」と考えるあなたの答えは、ここにあるのではないでしょうか。

4:企画力の定義

次に、企画力の定義について迫ってみたいと思います。

企画力をもう少し分解すると、そこにはどのような要素が含まれているのでしょうか。もちろん正しい答えがあるわけではありませんが、例えば、下記のように考えてみると良いでしょう。

①情報収集・整理力

目に見える情報だけではなく、その背景にある情報を収集し、整理する能力。

 

②課題設定力

物事の本質的な課題と目的を見極める能力。

 

③思考力

論理的思考や推論といったアプローチを持ちいて、多様な情報の関係性の中から、新しい意味を見つけ出していく能力。

 

④構造力

課題解決のストーリーやプロセスを描き、必要な役割や人材など巻き込む能力。

 

⑤表現力

解決策を機能させるため、最適なメッセージや表現を用いて関係者との円滑なコミュニケーションをはかる能力。

 

+α実行力

関係者を巻き込みながら企画を実行に移す力。

このように噛み砕いていくと、企画力がどういうものなのか、そして自分が持っているもの、持っていないものなどが見えてきます。過不足が見えてきたら、次に気になるのはどうすれば企画力が身につくのかですよね。

それを次の章でご説明していきます。

5:企画力を身につけるために

企画力は当然、生まれ持ったセンスや年齢による経験だけではなく、考え方を方法を学ぶことで、誰でも身につけることができるものです。

本を読んでみたり、身近な課題の解決方法を試行錯誤してみたり、独学でもある程度考える習慣を身につけることは可能でしょう。一方で、これから就職や転職をするにあたり、仕事として企画力を学びたい、身につけたいと考えているのであれば、実績のある外部機関でしっかりと学ぶことをおすすめします。

昨今では、企画力、編集力、クリエイティブ力などのテーマで、考える力を養うことができる学校や講座が増えていますが、その中から3つを取り上げてみたいと思います。

5-1:イシス編集学校

編集者として有名な松岡正剛氏が所長を務める、「編集工学研究所」。ここでいう「編集」とは、“情報のインプットとアウトプットのあいだ”と表現されています。さまざまな情報を収集し、適切に編集して、新しい意味を見出していくこと。つまり企画力のことです。

そのメソッドを学べるのが、「イシス編集学校」です。基本編から応用編まで、いくつかのコースが用意されており、その全てをオンラインで受講できます。ここでは、編集学校の基本となる「守」のコースについてご説明します。

イシス編集学校が提唱する編集のステップは4つ。

①情報の収集
②情報の関係づけ
③情報の構造化
④情報の演出

これらのステップを、38のお題を通して半年かけて学び、編集に必要な思考の「型」を身に付けます。

大事にしていることは、一つの正解を出すことではなく、徹底的に課題解決の方法やアプローチにこだわること。そもそも、世の中には、唯一の正解など存在しないという前提に立って、情報を編集する方法を磨き続けることで、常に考え続けることの大切さを学ぶことができます。

イシス編集学校の講座は、誰もが発想力・企画力・表現力などを身につけられるようにプログラムが構成されています。情報をうまく編集できるようになることで、ビジネスに限らずさまざまな組織で、本質的な変化をもたらすことができるでしょう。

5-2:宣伝会議

クリエイティブ系の講座で有名なのは、言わずもがな宣伝会議。こちらは既にご存知の方も多いと思います。コピーライター養成講座などは人気で、未経験者の方が転職の際によく利用しています。

そのほか、編集講座やPR講座など、広告・メディア・広報・経営企画・マーケティングなどの部署の方が研修として利用するケースも多い講座です。最近ではウェブ動画クリエイター養成構造などもできており、業界や老若男女問わず色々な方と出会えるのも魅力の一つです。

5-3:FUEKI

そして、最後は手前味噌で恐縮ですが、私たちパラドックスが運営している、コンセプトを学ぶことができるオンラインプログラム「FUEKI」です。

クリエイティブな仕事をしたいと考えている学生さんにおすすめなので、ぜひ紹介させてください。全5回、約1ヶ月のプログラムを通じて、すべてのクリエイティブスキルの基礎である「コンセプト」のつくり方を学ぶプログラムです。

コンセプトとは、企画の根本となるテーマのこと。企画の全体を通して、目指すべき成果を実現するための企画の揺るがない背骨づくりを学んでいきます。

「FUEKI」では、コンセプトのつくり方を、パラドックスのお客様である企業が抱える課題を題材に、実際にその課題解決に関わるメンバーが講師となって、実践に近いシチュエーションにそって、コンセプトから企画の作り方を学ぶことができます。

具体的なキャッチコピーのようなアウトプットをつくる講座ではなく、企画の核となるコンセプトを作るべく、物事に対する着眼点や多角的な見方を鍛えるプログラムです。

このプログラムの最終的なアウトプットは、実施する企画ではなくコンセプト。企画の根幹となるコンセプトづくりを学ぶことで、表面的に面白いだけの企画づくりにとどまらない本質的な課題解決アプローチを身に付けることができます。

※ご興味のある方は、ぜひ、FUEKIのサイトもご覧ください!

6:最後に

さて、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。この記事を通して、ご自身のやりたい「クリエイティブな仕事」について、より具体的なイメージが湧いてきたでしょうか。

私たちが考える「クリエイティブな仕事」とは、自ら考えてアイデアを出し、課題を解決する「企画力」を活かすことができる仕事です。一般的なイメージにしばられず、どんな職種にあっても企画力を用いて創造的な仕事ができれば、働くことも楽しくなるはずです。

また企画というと、実施するイベントや制作するクリエイティブなど、分かりやすいアウトプットに目が行きがちですが、本当に大切なのは、その企画が課題解決につながるかどうかです。

今回の記事やご紹介した講座を通して、企画力を身に付け、それぞれの仕事や人生に活かしていただければ幸いです。

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