「自分の人生、これでよかったんだっけ?」
「いったい何のために自分は生きているんだろう?」
ライフプランも暮らし方も働き方も多様化し、
たくさんの情報があふれる今の時代。
つい隣の芝生が青く見えてしまい、
人と比べてモヤモヤしたり、
自分の人生の目的がわからなくなってしまう機会は、
昔より多くなっているのかもしれません。
ですが本来、「生きる意味」は人それぞれ。
万人に共通する答えはありません。
また、そもそもですが、
広い宇宙を基準にして考えると、
ちっぽけな人間ひとりに「生きる意味」なんてない、
という考え方もできます。
でも、せっかく生きているのだから、
少しでも毎日を有意義なものにしたい、
人生に意味を見出したいという気持ちになるのも、
同じようにとても自然なことです。
そこで、今回は多くの人が経験するであろう「仕事」を
通じて自分だけの「生きる意味」を、
見つける例をご紹介します。
これは、弊社パラドックスの社内研修でも取り入れられているメソッドです。
人には必ずその人だけの「生きる意味」、
すなわち「使命」があり、
その人だけにしかできない「生き方」、「働き」があるはず。
まだ今はそう思えなくても、
そんなふうに自分の人生に、自信を持って毎日過ごしたい。
少しでもそんなお気持ちがあれば、
ぜひご一読の上、ご参考にしていただけると幸いです。
部分的に取り入れたり、
ちょっとずつでも実践していただきやすいメソッドです。
CONTENTS
1:「生きる意味(=使命)」を考える上で、大切な前提3つ
1-1:他人の意志ではなく、自分の意志で決めること
「自分に何か足りない」「何か充実していない」と感じるとき、
実は自分の意志ではなく他人の意志でそうジャッジしてしまっている場合があります。
少し、例を挙げて考えてみましょう。
例えば「自分は結婚していないから人生が充実していない」と感じるとします。
そのジャッジをする際にベースとなっている考え方は、
「独身よりも結婚している方が幸せになれる」です。
しかしこれは、本当に自身の価値観でしょうか。
ジャッジのベースとなっている価値観を今一度フラットに考えてみた時に、
それがもし自分自身の価値観でないのであれば、そもそも特に気にしなくても良い悩みである、ということになります。
私たちの思考には、自分で思っている以上に、
他人の価値観(その多くは、世間の常識)が入りこんでしまっています。
例えば、ここでいう他人の価値観(世間の常識の例)として、
他には下記のようなものが挙げられます。
- 知名度の高い有名企業で働く方が幸せ
- 年収は高い方が幸せ
- 友達が多い方が人生が充実する
- 女性は家事をしなければならない
(※上記の考え方・価値観が間違いという意味ではありません。
それが本当に自分の価値観であれば全く問題はありません。)
自分だけの「自分の生きる意味」を考える上で必要なのは、
まずは自分の価値観で考え、自分の意志で決めることです。
1-2:自分の「らしさ」や「つよみ」を起点にすること
憧れの人がいたり、理想の生き方を持っていること自体は良いことですが、
それを追いかけようとするあまり、自分自身に無理をしてしまうと疲れてしまいますよね。
そこでおすすめなのが、あくまでも自分が持っている
「らしさ」や「つよみ」を基点に考えてみる、ということです。
実際に、「人は自分の弱みを改善するよりも、
自分の強みに意識を向けそれを活かすことで最大限能力を発揮する」
(心理学者 故・ドン=クリフトン) と言われています。
「らしさ」や「つよみ」は、本来誰にでもあるものです。
もし自分にはないような気がする、という場合は、前項1-1の中で触れたように、
誰かの価値観で自分自身をジャッジしてしまっている可能性が高いですので、
今一度、自分をフラットに捉えることに注力してみてください。
また、「らしさ」や「つよみ」の具体的な見つけ方は、
第3章で様々な方法をご紹介しますので、
ぜひご自身に合うものを使っていただければと思います。
1-3:他者とのつながり、他者への貢献を意識すること
自分の意志で決め、自分らしさを大事にしながら生きる。
これはこれで非常に大事なことですが、この2つをひたすら実践するだけだと、
単に一人よがりな状態に陥ってしまうことがあります。
人は、一人では生きていけない生き物。自分の意志やらしさは大切にしつつも、
今の自分を取り囲む環境や人との関係性は、常に意識することが必要です。
どんな小さなこと、ささいなことでも良いので、誰かを喜ばせたり、
幸せにすることで、応援してくれる人が出てきます。
そうすることで、よりあなたの「生きる意味」に必然性が生まれ、
価値が高まっていきます。
2:自分だけの「生きる意味(=使命)」をあぶりだす、具体的なメソッド
「生きる意味(=使命)」のベースとなる考え方はなんとなく分かったけれど、
実際にどうやって見つけていけばよいか、ここからは具体的なメソッドをご紹介します。
2-1:Must, Want,Can のフレームワークで導き出す「生きる意味」
今の自分の意思や能力、特性などをMust, Want,Canの3つのフレームに分類して出し、その3つの重なりあう部分からその人だけのWill 、言いかえれば「生きる意味(=使命)」を導きだすことができる方法です。
Must, Want,Canのそれぞれの意味は、下記となります。
- Must
- 世の中や社会からのニーズ。周りの人から期待されていること、その他自分の力ではどうしようもできない環境。
- Want
- 価値観・動機。自分らしさとは何か、何をしていて楽しいと感じるか。
- Can
- 知識・スキル・行動特性・思考特性 。 何ができるか、どんなことを知っているか。
このフレームワークの優れた点は、自分の意志やらしさを加味しながらも、
他者とのつながりにまでしっかり考えを巡らせやすいこと。
実際に使ってみた人の感想として、
「周りからも応援してもらえるような、自分の使命が見つかった」
「プライベートにも、仕事にも生かせた」という声が多いです。
では、これらを実際に埋めていってみましょう。
まずは思いつくところからで結構ですので、
仕事やプライベート関係なく浮かぶことを書いてみてください。
一つずつ、詳細をご説明をしていきます。
(説明上はWant からスタートしますが、どこから埋めても構いません)
Want: 価値観・動機。自分らしさとは何か、何をしていて楽しいと感じるか。
純粋にやりたいことや、好きなこと。もしくはどんなことに対してモチベーションが沸くか。やりたい、と心から思えるか。
本当に実現ができるかどうかは関係なく、
もしなんでもできるなら何がやりたいか、という視点で書いてみてください。
ここでは、パラドックス入社2年目のTさんの具体例を紹介します。
TさんのWant例
- 人と関わること
- 会話
- 社交
- 人の話を聞くこと
Can: 知識・スキル・行動特性・思考特性。 何ができるか、どんなことを知っているか。
何ができるか、どんなことができるか。具体的にはスキルや知識になります。
例えば、塾講師として勉強を教えられる、料理が得意、すぐに友達をつくれる、など。
自分では普通のつもりだけれど、人から褒められること、という観点で探しても良いです。
TさんのCan例
- 情報整理
- 話を聞く、肯定する
- 「なぜ?」と思考する
- 細かな作業、正確性を求められること
- 部活のマネージャーのようなサポート役
Must : 世の中や社会からのニーズ。周りの人から期待されていること、その他自分の力ではどうしようもできない環境
世の中や社会というと難しく聞こえるかもしれませんが、
要は自分が周囲から期待されている、と感じることです。
この中には、必ずしもあなた自身が望んでいるとは言えないこと、
自分自身ではどうしようもできない環境も含まれます。
TさんのMust 例
- 優等生であってほしいという親からの期待
- 家族では長女として、弟や妹の面倒をみてほしい
- 父親が、話を聞いてほしそうにしている
第1章でも触れましたが、「生きる意味」を考える上では、
他者にどのように貢献できるかが非常に大切になってきます。
その点、自分自身ではどうしようもできないMustがあるからこそ、
自分だけの「生きる意味」にも必然性や迫力が生まれることになります。
逆境や運命を、ポジティブに変換していくという点でも、
Mustの要素は重要になってきます。
さて、それぞれが書き出せたところで、次にこの3つが重なる部分、
Will(「生きる意味(=使命)」)を探していきましょう。
3つ全てが重なる部分をいきなりそれが見つかるのは難しいかもしれません。
その場合は、Want とMust 、CanとMustなど、
3つのうち2つが重なりあうところを探してみてください。
Tさんの場合は下記のようになりました。
少し整理すると、Tさんの場合は、
Must:優等生であって欲しいという期待、話を聞いてほしそうな父親の存在
Want:人と関わること、話を聞くことが好き
Can:情報整理が得意、人のいいところを見つけて肯定できる、元気で明るいキャラクター
となります。
これらの重なる点はどこか、と考えていくと、
例えば父親のようにちょっと自信をなくして話を聞いてほしそうにしている人や
悩んでいる人の話を聞き、肯定して元気にすることができる、
というのが今の時点での「生きる意味(=使命)」の芽が見つかりました。
「芽」という表現をしたのは、
これは人生を通して磨き、育てていくものだという前提があるからです。
最初から完成されている必要はなく、
日々を通して、Must, Want,Canの重なりあいを増やし、大きくしていくことで、
自身の「生きる意味(=使命)」を大きく育てていくことができます。
見つけた自分自身の「生きる意味=(使命)」の芽は、
ぜひ、自分だけの心のうちにしまっておかずに、周りの人にも伝えてみることをおすすめします。
と言うのも、前章でもお伝えしましたが、
「生きる意味=(使命)」を考え、実行に移していく上で
いかに他者に貢献できるか、という視点は欠かせません。
周囲に伝えるのは少し勇気がいりますが、
お互いに応援しあえる(叶いあえる)仲間を見つけることで、
よりあなたの「生きる意味=(使命)」はつよく、大きく育っていきます。
自分の「生きる意味=(使命)」を叶えることだけでなく、
周りの人の「生きる意味=(使命)」を応援するという姿勢も、
ぜひ大切にしてみてください。
最後になってしまいましたが、
なかなかMust, Want,Can各項目が出てきにくい、という方には、
第3章でこれらをあぶり出すためのメソッドをご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
3:Must, Want, Canの各要素が出しにくい時に役立つ、自己分析のメソッド
なかなか3つの構成要素を自分で出すのがむずかしいと感じる場合は、
下記の2つの方法のいずれか(または両方)をおすすめします。
これも実際に、弊社パラドックスで使用されているものです。
3-1:所要時間5分。「じぶん円グラフ」で今の自身を可視化
お手軽に分析したい場合は、「じぶん円グラフ」がおすすめです。
自分で自分のCanを自信を持ってあげづらいという悩みがあった人が、
この円グラフを利用することで、自然に見つけることができたという声もあります。
方法としては、まず大きな円を描き、
続いて「今の自分を構成しているもの」を一つずつ書き出していきます。
例えば、仕事、趣味、好きなもの、家族や友人など誰かの存在など。
今の自分に対して占める割合を、おおよそでいいので割り振ってみてください。
ここでは、Oさんの例をご紹介します。
あまり深く考えなくても大丈夫です。
思いつくものからパッと書いていってください。
とりあえず書いてみて、後から比率は修正する、というぐらいがちょうど良いです。
注意点としては、円グラフの比率を単に「さいている時間の割合」で決めないこと。
それよりは、例えば家族と過ごす時間が短くても、
その存在が自分に大きな影響を与えているのであれば、
「家族」のしめる割合(=影響力)は大きく書いてください。
また、過去の体験や存在でも、今の自分に大きな影響を与えているのであれば、
円グラフにぜひ入れてみてください。
一度円が埋まったら、次に、それぞれの構成要素から自分が得たもの、
得られるものを書き出していきます。
例えばOさんの場合、「クラシックバレエ」からは礼儀や競争心、度胸などを得ています。
また、普段されている事務の仕事からは集中力、
友達からはチャレンジ精神を得ていることがわかります。
これらの「礼儀」「表現力」「競争心」「笑顔・謙虚さ」などが、
Oさんの特性であり、できること(=「Can」)でもあります。
Oさんは円グラフを書くことで、10個以上のCanを見つけることができました。
3-2:さらにじっくり自己分析するなら、モチベーションマップ
円グラフで「今」の自分を起点に考えましたが、
モチベーションマップは今までの人生全体に着目できるツールです。
人生における転機を振り返り、その時にどのような判断・行動をしたかや、
どんな時にプラスに気持ちが動いたかを改めて整理していくことで、
Wantがどのような時に生まれ、人生の時々でどのようなCanを発揮し、
Mustにどのように応えてきたのかが、見えやすくなります。
まず最初に、生まれてから今までの自分のモチベーションを、
折れ線グラフで表していきます。その時の浮き沈みに合わせて線を引いてみてください。
それができたら、山と谷の部分に注目します。
線が上昇するきっかけになった出来事や、
逆に下降するきっかけになった出来事は何かを思い出していきます。
ここでは、パラドックス入社5年目、採用担当のWさんを例にします。
Wさんの場合は、部活のリーダーや塾講師という立場で、
誰かの成長を応援している時に、気持ちがプラスに働き、
線も右肩あがりとなっていくことが多いです。
先ほどのMust, Want,Canにあてはめてみると、
誰かの成長を応援したいという Wantがあることがわかります。
さらに、詳しく分析したい場合は、
折れ線グラフの山や谷の部分(=転機)を深掘りしていきます。
その共通項を見つけることで、人生全体でみたときに、
今までどのようなMust, Want,Canがあったのかが、
点ではなく線としてつながって見えてきます。
もし余力があれば、最後に挫折経験についても整理して生きましょう。
挫折経験を分析することで、自分のつよみや特性(Can)はもちろんのこと、
どのように運命に向き合ってきたかというMust の手がかりが見つかることがあります。
自分がどんな時にモチベーションが上がるのか、
どんなことが好きか。何を得意としているのか。
自然とチャレンジができた時は、どんな条件が揃っていたのか。
少しは見えてきたでしょうか?
3-3:その他、自分の特性やつよみを客観的に診断するツール紹介
色々とやってみたけれど客観的にみて合っているのか自信がない、
うまく見つからないという方は、下記のサービスを利用することも一つの手段です。
より客観的な分析を助けてくれます。
- ストレングスファインダー
アメリカのギャラップ社が開発した、人の強みの元=才能を見つけ出すツール。
人が持つ様々な資質を34に分類し、
あなたの中では34の資質のうちどの強みがどういう強さの順番で
現れるのかがわかります。(書籍は、本屋さんで買えます!)
参考URL https://www.gallupstrengthscenter.com/sign-in/ja-jp)
- MBTI
欧米で古い歴史を持つ性格診断テスト。
ユングの心理学を元に分類された16タイプの性格のうち、
あなたがどれに当てはまり、どのようなことが「利き手」なのかがわかります。
4:「生きる意味(=使命)」は、人との関わりの中でフレキシブルに進化する
ここまで、「生きる意味(=使命)」の考え方や、
見つけ方をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
これはあくまでも一つの考えですし、もし実践した場合も、
今日明日に見つかるというのは難しいかもしれません。
そういう意味では、人生そのものが、
「生きる意味(=自分の使命)」を見つける旅ともいえます。
また、一度決めてしまったら、
ずっとそこに縛られなければならない、というようなものではありません。
何か人生の転機となるような出来事が起これば、その時に
「生きる意味(=使命)」自体がガラッと変わることもあります。
なので、ぜひあまり重く考えすぎず、
「いったんこれが今の自分の生きる意味かな」というものが見つかれば、気軽に行動に移してみてください。
少し試してみて、時には「これじゃなかったかも」という感覚も大事にしながら、
随時ブラッシュアップをしていく、ぐらいのフレキシブルさがちょうどよいです。
ここまで書いてきて最後に告白しますが、
筆者自身は、「生きる意味(=使命)」を絶対に持つべき!
とは正直思っていません。
あっても、なくても、幸せならそれでいいと本当に思っています。
だからこそ、自分がどちらの人生を選びたいか。
シンプルに、「意志」の問題です。
ですから、どこかの他人が言うことではなく、
ぜひ、あなたの「意志」をまずは一番に大切にして、決めてください。
それと、年齢も関係ありません。
何歳からでも、「生きる意味(=使命)」は見つけ、
実現していくことができます。
さまざまな人と出会い、お互いに刺激をしあうことで、
「生きる意味(=使命)」も少しずつ進化し、深みを増していく。
気づけば自信を持って、確かに歩みを進めている。
そんな人生は、ふと「生きる意味」を考えはじめた今日この日から、はじまっています。
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