【差別化戦略とは?】定義・成功事例・失敗しないポイントまでを解説!

マーケティングにおける「差別化戦略」とは、アメリカの経営学者マイケル・ポーター(M.E.ポーター)によって提唱された3つの競争戦略のうちの1つであり、他社との明らかな特異性を作り出すことで、競争優位を築く戦略のことをいいます。

3つの競争戦略内容

コストリーダーシップ戦略

他社の競合製品よりも安くすることで勝負する戦略。低価格を実現するためにコストダウンを実現する必要がある。

②差別化戦略

他社との明らかな特異性を作り出すことで、競争優位を築く戦略。高くても売れる状態を目指す。

③集中戦略

特定の製品やサービス、市場に集中することで、オリジナルの地位を確立する戦略のこと。

マイケル・ポーターによる「差別化」の定義はしっかりと決められており、ただ競合他社と違うものを作ればいいという安易なものではなく、価格が高くても買ってもらえる優位性のある状態を指すものです。

しかしインターネット上には、この「差別化戦略」が「単に他社と違うものを作る戦略」として間違って解説されているサイトもあるため注意しなければなりません。差別化戦略を正しく理解するためには、マイケル・ポーターの競争戦略について、ある程度理解しておくことが必要となるのです。

そこで今回は、マイケル・ポーターの競争戦略について書かれた書籍を参考に、「差別化戦略とは何か」を正しく紹介していきます。

“この記事を読むとわかること”

◎差別化戦略は、マイケル・ポーターの「3つの競争戦略」の2番目の戦略のこと

 ➡他社との明らかな特異性を作り出すことで、高くても売れる状態を目指すもの

◎差別化戦略における「差別化」は、ただ他社と違うだけでは不十分

◎差別化するためには4つの軸が考えられる

 ➡ブランドイメージ・製品・顧客サービス・流通チャネル

◎差別化戦略で成功した事例には、モスバーガー、ローソン、今治タオルなどがある

差別化戦略を成功させるためには、顧客のニーズ把握・競合他社の研究・自社の強み把握が重要!

自社の製品やサービスに差別化戦略を取り入れたいと考えているご担当者の方は、ぜひ最後までお読みいただき、商品企画やマーケティングにご活用ください。

※参考にした文献

・M.E.ポーター著「〔新訂〕競争の戦略」

・ジョアン・マグレッタ「〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略」

・手塚貞治「〔ビジュアル改訂版〕経営戦略の基本がイチから身につく本」

1:差別化戦略とは?

まずは、マイケル・ポーターが提唱した「差別化戦略」とは何か、理解していきましょう。

1-1:マイケル・ポーターの「3つの競争戦略」の1つ

「差別化戦略」とはそもそも、マイケル・ポーターが提唱した「3つの競争戦略」のうちの1つを指します。

マイケル・ポーターは、競争優位性を築くための基本戦略として、以下の3つがあると考えました。

3つの競争戦略内容
コストリーダーシップ戦略他社の競合製品よりも安くすることで勝負する戦略。低価格を実現するためにコストダウンを実現する必要がある。

例:効率化とシステム化で低コストを実現している「サイゼリヤ」

②差別化戦略他社との明らかな特異性を作り出すことで、競争優位を築く戦略。高くても売れる状態を目指す。

例:環境づくりにこだわって独自の地位を築いた「スターバックス」

③集中戦略特定の製品やサービス、市場に集中することで、オリジナルの地位を確立する戦略のこと。

例:靴下に特化して魅力を高めた「靴下屋」

今回解説していく「差別化戦略」とは、「3つの競争戦略」のうちの2番目の戦略をいいます。

この3つの競争戦略の位置関係を表したイラストは以下のようになります。

つまり「差別化戦略」は、3つの競争戦略の中でも、業界全体で見ても明らかな特異性・優位性を持った差別化要素を持つことで、低コストに偏らない戦略であることが分かります。

1-2:差別化戦略の定義

M.E.ポーター著「〔新訂〕競争の戦略」によると、差別化戦略の定義は以下のようになっています。

第二番目の基本戦略は、自社の製品やサービスを差別化して、業界の中でも特異だと見られる何かを創造しようとする戦略である。

※引用:M.E.ポーター著「〔新訂〕競争の戦略」p59

「特異」とは、辞書によると「そのものに備わっている特殊な性質」を意味します。

つまり、単に他社の製品やサービスと違うというだけでなく、業界全体どこを見回しても自社製品やサービスが突出しているような強烈なオリジナリティが必要であることが分かります。

1-3:差別化戦略における「差別化」の意味

「差別化」について、もう少し掘り下げて考えてみましょう。

一般的に使われる「差別化」の意味と、マーケティングにおける「差別化」、そしてマイケル・ポーターの差別化戦略における「差別化」には、以下のような意味の違いがあります。

定義内容
一般的な「差別化」の定義他のものと違いを際立たせること
マーケティング業界での「差別化」の定義価格以外の部分で際立った特徴を持たせることで、他社製品との違いをアピールする戦略のこと
マイケル・ポーターの差別化戦略における「差別化」の定義他社との明らかな特異性を作り出すことで競合優位を作り出し、価格が高くても買ってもらえる状態を指す戦略のこと

つまり、差別化戦略における「差別化」とは、単に他社と違うものを作ってアピールすることではなく、以下の2つの要素が重要となるのです。

・他社製品やサービスと比べて、明らかな特異性があること

・価格が高くても買ってもらえる状態を作り出すこと

普段耳にすることがある「低価格路線で差別化を図る」という戦略がありますが、マイケル・ポーターの競争戦略においては価格やコストは差別化の要因とはなりません。

つまり、割高な価格を要求できることが差別化戦略の本質といえるのです。

2:差別化戦略のメリット・デメリット

差別化戦略の概要が分かったところで、「自社では商品開発やマーケティングにおいて差別化戦略を取るべきか」ということを判断するために、差別化戦略のメリット・デメリットを理解していきましょう。

2-1:差別化戦略を行うメリット

まずはメリットから解説していきます。商品やサービスにおいて差別化戦略を行うことで、以下のようなメリットがあります。

差別化戦略のメリット

❶競合他社との価格競争から脱却できる

❷価格を下げなくて済むため利益率が向上する

❸確固たる地位を築けば、業界への新規参入を抑制できる

❹自社の強みが明確になり、伸ばすことができる

差別化戦略を取り入れることで得られる最大のメリットはやはり、他社との価格競争に巻き込まれなくて済むという点です。

差別化された商品やサービスは、他社とは圧倒的に違う付加価値を提供できるので、価格を下げなくても買いたいと感じてもらうことができます。その結果、きちんと利益を確保できる状態を作れるため、利益率が向上し業績アップにもつながります。

また、差別化により他の企業が真似できないような独自性を確立できれば、新たな企業が同じ市場に参入してくるのを防ぐこともできます。さらに、差別化戦略を推進する過程で綿密な市場調査を行うため、自社の強みに改めて気付けるというメリットもあります。

2-2:差別化戦略を行うデメリット

一方で、差別化戦略を行うデメリットとしては以下のようなことが考えられます。

差別化戦略のデメリット

❶今までの価格を上げると既存客の反発を受ける可能性がある

❷他の安い競合他社に顧客が流れてしまうことがある

❸差別化戦略を成功させるためには、かなりの労力がかかる

差別化戦略を行った結果が成功ならば良いのですが、市場調査やニーズ把握が不十分でなく戦略が失敗してしまうと、かえって顧客を失ってしまう危険性があります。

例えば差別化するポイントを見つけて商品開発を行い、従来製品よりもクオリティが高くオリジナリティの高い商品ができたとします。その付加価値の分を織り込んで今までの商品よりも値上げをした結果、顧客に受け入れられなければ逆効果となります。値上げした分、他の安い商品に顧客が流れてしまうこともあるでしょう。

そうなると利益率アップどころか売り上げが減り、企業の損失が膨らんでしまう結果になりかねません。差別化戦略を行う際には、「差別化した結果、顧客のニーズを捉えることができるのか」をしっかり見極めることが大切です。そのためには、綿密な顧客分析やニーズ把握、競合調査、自社の強みの棚卸を行う必要があります。

差別化戦略の失敗を回避するための情報は、「5. 差別化戦略を成功させるポイント」で詳しく後述します。

3:差別化戦略において差別化する4つの軸

それでは、差別化戦略において特異性を打ち出して差別化を図るためには、どのような方法があるでしょうか。ここでは、差別化するための4つの軸を紹介します。

差別化する4つの軸”

❶ブランドイメージで差別化する

❷製品で差別化する

❸顧客サービスで差別化する

❹流通チャネルで差別化する

なお、これらの4つの軸のうち複数を組み合わせることができれば、業界の中で確固たる立場を確立することができます。

3-1:ブランドイメージで差別化する

自社ブランドに対するイメージに「確固たる特異性」を持たせることで差別化する方法です。ブランドイメージで差別化するためには、以下のようなことが重要となります。

◎他のブランドとは異なる世界観をつくる

◎ブランドのストーリーをつくりあげて発信する

◎ミッションやバリューの周知を徹底し、社員全員で共有して顧客に伝える

◎広告のデザインや内容はもちろん、ターゲットに合った媒体選びを徹底する

◎全ての広告クリエイティブのイメージを統一させる

◎それまでのイメージを一新させて、他社と被らないポジショニングを取る

ブランドイメージで差別化することに成功した事例としては、今では「スタバ」として愛されている超有名コーヒーチェーン店「スターバックス・コーヒー」の事例があります。

※出典:スターバックスコーヒー公式サイト

スターバックス・コーヒーは、それまで主な利用客が男性だった喫茶店のイメージを覆し、女性に愛される「スタバ空間」を作り出すことで差別化を図りました。これにより、喫茶店とも他のカフェチェーンとも違う新しいブランドイメージを作り出すことに成功し、シアトルカフェのブームを巻き起こすまでになりました。

なお、ブランドイメージを作り上げる時には、この差別化はもちろん「差積化」も重要となります。差積化とは、継続的に他のブランドとは違う付加価値を提供し続けることで、ブランド価値をさらに向上させることです。差積化に力を入れることで、競合他社が真似できない確固たるブランドイメージを構築できるのです。

ブランドイメージの差別化と差積化については、「時を越えて愛されるブランドを構築するために必要な考え方と実践方法」の記事もぜひご覧ください。

▼その他、ブランドイメージやブランディングについて知りたい方はこちらの記事も

真の理念経営を実践する、スターバックスの強さ。

ブランディングの本質とは?選ばれるブランドを構築するために知っておきたい基本

3-2:製品で差別化する

競合他社とは全く違う「特異性のある製品」を作り出すことで差別化する方法です。製品で差別化するためには以下のような方法があります。

◎クオリティを上げて、より良い製品を作る

◎機能面で他社が真似できないような仕様を取り入れる

◎今までに無いような斬新なデザインの製品を製作する

◎付帯サービスを充実させる

◎ユーザビリティを向上させ、ターゲットにとって使いやすい製品にする

◎市場にない全く新しい製品を世に送り出す

今までにないオリジナリティの高い製品で差別化することで、他社製品より価格が高くても売れる競争力の高い製品を作り出すことができますその結果、価格競争を回避し、利益率を向上させることができるのです。

製品で差別化している事例として、ここでは任天堂株式会社の事例を紹介します。

※出典:任天堂 公式サイト

任天堂は、誕生から今に至るまで「独創性」にこだわった製品を世に送り出し続けています。大ヒット商品となった「ファミリーコンピュータ」や、タッチパネルを搭載した「ニンテンドーDS」、モーションキャプチャーを搭載した「ニンテンドーWii」など、他のゲーム機にはない特徴や機能を持った製品で、ゲーム業界でも圧倒的な地位を築きました。

3-3:顧客サービスで差別化する

業界全体の中でも特異性のある、魅力的な顧客サービスを提供することで差別化する方法です。顧客サービスで差別化するためには以下のような点が重要となります。

◎全従業員が企業理念を理解して仕事をする

◎自社の強みやこだわりを顧客に伝える

◎他社にはない付加価値となるサービスを設計する

◎スタッフが常に成長できる環境を整備する

◎サービス品質を向上させる仕組みを作る

日本国内において顧客サービスで差別化を図っている企業として多くの方が思い浮かべるのが、ディズニーランドやディズニーシーを運営する「オリエンタルランド」ではないでしょうか。

オリエンタルランドが運営する「東京ディズニーシー」「東京ディズニーランド」は、2020年オリコン顧客満足度ランキングの東日本テーマパーク部門で総合1位・2位を獲得しています。

※出典:オリエンタルランド公式サイト

全てのゲストをVIPとしておもてなしするポリシーに基づき、ディズニーランドやディズニーシーではホスピタリティの高い顧客サービスで他のテーマパークを圧倒しています。

オリエンタルランドの企業理念は以下のようになっています。

自由でみずみずしい発想を原動力に

すばらしい夢と感動

ひととしての喜び

そしてやすらぎを提供します。

※引用:オリエンタルランド「企業理念」

企業理念にある「すばらしい夢と感動を提供する」を体現できているからこそ、満足度が高い顧客サービスを提供できていると言えるでしょう。さらに、ディズニーランドやシーで働くキャストには「絶対やること」「絶対やらないこと」が共有され、どのような行動が良くて何がNGなのかか具体的な例とともに徹底周知されています。

こうした企業理念や行動指針が全従業員にしっかり浸透して初めて、顧客を感動させるエピソードが生まれます。東日本大震災の時に「頭を守るため」にお店に並んだぬいぐるみをゲストに配ったエピソードなど、期待を超える顧客サービスが多くの称賛を受けています

企業理念についてさらに詳しく知りたい方は、「企業理念とは?100年続く企業になるために必要な企業理念を徹底解説。」の記事もぜひ参考にしてみてください。

3-4:流通チャネルで差別化する

流通チャネル(顧客に商品が届くまでの経路)で競合他社とは違う特色を出すことで差別化を図る方法です。

流通チャネルの差別化で成功した企業といえば、資生堂の事例があります。

※出典:資生堂公式サイト

資生堂では、対面で販売する実店舗と、インターネットで気軽に化粧品を購入できる通販サイト、そして美容情報を配信している情報サイトという3つの流通チャネルを持っています。3つのチャネルを上手く連携して顧客にアプローチしながら、Webから実店舗への誘導や、実店舗からWeb上での購入を促して売り上げを拡大させています。

さらに2019年にはIoTの技術を活用した新しいタイプのショールームをオープンするなど、意欲的にさらなるチャネル戦略に取り組んでいます。

4:差別化戦略で成功した企業事例3選

ここまで紹介した他にも、差別化戦略で成功した企業は多くあります。その中から3つの成功事例を紹介します。

4-1:モスバーガー

出典:モスバーガー公式サイト

激動のハンバーガー業界において、2位の地位を守り続けている「モスバーガー」は、マクドナルドやロッテリアなどに比べると大々的なプロモーションを打っているわけではないのに、しっかりと顧客を引き付けているハンバーガーチェーンです。

「提供の速さ」「利便性」などを追及する他のハンバーガーチェーンとは異なる路線で、「真のおいしさ」「こだわりの国産素材」にこだわって差別化を図っています。

4-2:ローソン

出典:ローソン公式サイト

コンビニ業界でセブンイレブンに次ぐ2位の売上高を誇る「ローソン」は、「健康志向」や「品質の高さ」にフォーカスすることでコンビニ業界でも独自の路線を築き上げ、競合他社との差別化を図っています。

関東エリアにのみ出店している「ナチュラルローソン」は一貫して健康志向にこだわっており、販売している商品は全て合成保存料を使用していないという徹底ぶりです。コンビニとは思えない高価格帯の商品も陳列されていて、美意識の高い女性御用達のコンビニとなっています。

「コンビニの商品はなんとなく体に悪そう」というイメージを覆し、確固たる地位を誇っています。

4-3:今治タオル

出典:今治タオル公式サイト

高級タオルとして定着している「今治タオル」は、贈答品としても人気の高品質なタオルです。輸入品などの低価格タオルとの差別化を図るために、今治タオルの強みである「安心・安全・高品質」に着目し、さらに徹底することにこだわりました。

消費者に「安心・安全・高品質」を伝えるために、あえて真っ白の無地のタオルで勝負することで、現在の高級タオルとしてのイメージを作り上げることに成功しました。

5:差別化戦略を成功させるポイント

ここからは、実際に差別化戦略を成功させるためのポイントを3つご紹介します。「差別化戦略を立てて競合他社を圧倒する製品・サービスを作りたい」という企業は、ぜひ参考にしてみてください。

5-1:顧客のニーズを分析・把握する

差別化戦略に限らず、マーケティングにおいて顧客のニーズを分析・把握することはとても重要なことです。なぜならば、いかに良い商品を作ったとしてもその商品を顧客が欲していなければ売れないからです。

まずは自社の業界で顧客のニーズがあるポイントを見つけ出し、そのポイントで自社ならどう差別化できるか考えるのが差別化戦略を立てる近道となります。

例えば、BtoBの制御機器販売を行うメーカー「キーエンス」では、顧客が現場で求めているニーズを探し出し、特注品を開発して納めることで差別化を図っています。顧客それぞれのニーズに応えた製品を特注で製作しているため、競合他社に真似されることは無く、値引きを一切しない会社として独自の地位を築いています。

5-2:競合他社の強み・弱みを研究する

同じ業界にいる競合他社の強みや弱み、特徴などを研究することで、差別化の糸口が見えることもあります。

例えば、コンビニ大手のファミリーマートは、業界内での差別化を図るために「業界1位であるセブンイレブンがやらないことをやる」ということを意識しているそうです。そのために地域密着の路線を掲げて、店員と顧客のつながりを密にし、その地域になくてはならない存在になることを目指しています。

5-3:自社の強みを見つけて差別化を図る

自社が持つ強みを徹底的に伸ばし、顧客に積極的にアピールし続けることで、特異性を持った差別化を図ることができます。

例えば先ほど紹介した「今治タオル」の例では、「安心・安全・高品質」を突き詰めてこだわりつづけた結果、「高級タオルなら今治タオル」という確固たるブランドを築くことができました。

単なる強みで終わらせるのではなく、その強みを特異性があるレベルまで引き上げることができれば、差別化戦略を成功させることができるでしょう。

6:差別化と価格差の関係に注意

最後に、差別化戦略の注意点についてもお伝えしておきます。それは、差別化と価格差のバランスが重要であるということです。

ここまで「差別化とは、高くても売れる状態を作り出すこと」と解説してきましたが、価格設定を高くしすぎると購買につながらず、逆にビジネスは衰退してしまう可能性があります。

例えば、海外のオートバイメーカー「ハーレーダビッドソン」や「トライアンフ」は、ブランドイメージや製品の質の高さで差別化に成功しましたが、日本製のバイクと比べると価格があまりに高すぎるため、日本国内で大きなシェアを取ることはできていません。

差別化戦略では成功できなかった「ハーレーダビッドソン」ですが、その後はポーターの「3つの競争戦略」でいうところの3つ目「集中戦略」に転換し、マニア向けには絶大な人気を得ている状況です。

このように、安売りはしないけれど高すぎるわけでもない、絶妙な価格付けを行うことが、差別化戦略で重要なポイントです。

差別化と価格差の度合いは、顧客の分析によって決めていきます。どの程度の価格差までなら受容されるか、綿密に調査をし、分析を行いましょう。

7:まとめ

この記事では、差別化戦略とは何か、その正確な意味や背景、成功している企業事例、成功させるポイントまでをお伝えしてきました。

競合他社や競合製品との「特異性」を持つ商品やサービスを開発し、他社との差別化を図ることは簡単なことではありません。しかし、差別化戦略を成功させることができれば、不毛な価格競争を回避し、企業の利益率を向上させることができます。

ぜひ今回の記事を参考に差別化戦略を推進し、他社との競争を制して業界でのイニシアティブを勝ち取ってください。

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PARADOX創研 メディア編集部
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